表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕は、君のヒーローになる。  作者: ブラックキャット
第3章 魔法世界に狂わされた少女とある1人の男と千武族の戦い。
40/121

狂喜の博士。

  毒々しい色をしたオークが横たわり、既に死んでるようだ。この神聖な遺跡に何故、死体が転がっていた。ジスタ達は、オークの死体を目を凝らして、見ていた。「 君達は、誰だね?答えようによっては、消えてもらうよ」ジスタ達に白衣の男は、ゆっくりと近づいていく...。

「 国際ギルドのジスタって言います。ここには、調査に来まして...」

 彼は、にこやかにそう言うが、即座に見抜かれた。

「···嘘ね、ジスタ?久しぶり覚えてるよね」

「 そりゃ勿論。元上司なんで、覚えてますよ。アイラさんがなんでここにいるんですか?」「 この博士は、あたしの部下なの。世界国際科学機関の所長がこの人って訳...」アイラは、博士の肩を軽く叩き、そう言っていた。

「 政府機関がこんな事をやってるなんて、問題じゃない?」ラブリーは、アイラを睨むが、クスリと笑い声が聞こえた。

「···ラブリー、あたし達がやったって証拠どこにあるのかしら、教えてくれる?」

「 博士って奴が持ってるのは、スモークウィルスだよね?それが何よりの...」

 ラブリーの言葉は、博士に遮られた。

「 これが?なんでそんなの分かるんだね。君は、専門家なのかい?」博士は、狂気的な笑みを浮かべ、ラブリーは、言葉を濁した。

「 無駄ですよ。この人達には、常識なんて、通じないんですから」

 ジスタは、呆れ、ため息すらも出ない。

「 随分と失礼なのね、まぁ相変わらずみたいで安心ね、さぁ行きましょう博士」

 コクリと頷き、遺跡を出ていこうとしていた。

「 アイラさん、もし、貴方達が関係ないとして、この事態をどうするつもりですか?国際ギルドに丸投げして、傍観ですか?」ジスタの言葉に振り向き、アイラは、こう答えた。

「分かってるじゃない。なのに、なんで聞くの?馬鹿なのかしら。関係ないのだから、関わる必要がない」アイラは、冷酷な目をしていた。

「 科学機関なら、医療専門チームがいるはず...抗薬剤の開発やビーストの輸入禁止だって、出来るはずだよね。なんでしないの?」ラブリーは、怒りに任せて、声を上げるがまた、こちらをコケにしたような笑い声が聞こえた。

「 だって、白魔王様に命令されてないもの。どうせ失う命なんて数百人...いい実験体がいっぱい居て、良かった」悪魔、悪魔。そんな言葉ばかりが、ラブリーの頭の中に散らばった。アイラは、口角を上げ、満足したかのように去っていく···。

「 ジスタ、ちゃんと録ってるよね」ラブリーの問いかけに頷き、盗聴器のスイッチを押し、停止させた。「 はい、勿論。ちゃんと証拠掴めたら公開処刑でもしましょう。まずは、ビーストの出処から調べなきゃいけないですね」

「それなら、もう分かってる、あの博士が怪しいのかもしれない。調べてみようよ」ジスタは、頷き、遺跡を後にした。


****


  ヒルアは、薬草を調合した薬を飲ませるが、毒々しい色が晴れることは、なかった。ここは、ヒルアの叔母が経営している、薬局の調合室だ。オークがベッドに

横たわっていた。「 おばあちゃん。抗薬剤なんて、作れるの?」ヒルアは、不安にそうに言っていた。「 やるしかないさ。感染は、100%なんだ。防ぐ事が出来れば、被害は、最小限で済むさ」叔母は、淡々とヒルアにそう話していた。

「 そうだね。スモークウィルスだけでも、何とかしないと···」

「 スモークねぇ、隔離が出来たら良いのにね。まぁ無理だろうけど...」

  ドンドンドンドンドンッと不気味にドアが叩く音が聞こえ、もし、あのオークだったらと思い、ヒルアは、ゆっくりと開けた。叔母は、何故か、毒粉を持っている。どうするつもりなの「···おいおい!なんだよ。俺は、ユージンだ」そこには、ユージンが居た。「何だあんたか、ビックリさせるじゃないよ。進行具合を見に来たのかい?進歩は、ナシだよ」叔母は、毒粉を閉まい、安堵した様子で椅子に座っていた。「そうか。それは、残念だ。それにしても匂いがすごいな」ユージンは、鼻を塞ぐが、それでも、この強烈な異臭からは、逃れられなかった。

「薬草の匂いだよ。強烈だけど、仕方ないね。わざわざ行ってくれたのに、悪いけど、これじゃ抗薬剤なんて無理···」ヒルアの言う通り、調剤室には、薬品の匂いが漂い、異臭が立ち込める。

「あっ!そうだ、スモークなら、煙状の抗薬剤バラ撒けばいいじゃないか!」

  ユージンがそれを言葉にした時、目の前のヒルアの真顔が彼の心に刺さった。

 こんな時に冗談なんて口するもんじゃないと、彼は、後悔していた。

「そんなの聞いたことないよ。ありえない。この空気で冗談なんて言わない!」

「あっはい!」ユージンは、自分より年下のヒルアに怒られる男に威厳なんてなどない。悲しい程にない。そう考え、俯いていた。

「 嫌、それは、分からないよ。ヒルア!全部試すんだよ、思いつく限り...それが新薬開発の役に立つかもしれない。価値があるかもしれないよ」

  叔母は、何かを思いついたかのように言っていたが、ヒルアは、あからさまに引いていた「 えぇ···おばあちゃんが言うなら仕方ないね。ありがとうね、ユージン。進歩になるかもしれない」

「お、おう」ユージンは、ヒルアの事を素直に可愛いと思ったが、この微笑みが自分に向けられいるのだと思うと彼は、嬉しかった。

 ──────数日後─────


  ワールドプロジェクトのギルドの解剖室で感染したオークを縛り上げていた。スモークウィルスの抗薬剤を煙状にして、周囲に漂わせた。ギルドの皆がマスクをし、様子を窺っていた。

「 上手くいったらいいですが、どうですかね?」横にいたヒルアに問いかけるが、ユージンに遮られた。

「ジスタ、これ!俺のアイデアだぞ。上手くいったら凄くないか?」ユージンは、自慢そうに言うが、苦笑いで彼にこう言われた。

「あぁ···わぁ凄いですね!これでいいですか?ユージン、提案しただけでヒルアの手柄でしょ。それに抗薬剤の役割を分かっているのですか?人の体の中に回復力の強い薬草を調合して抗いさせ、ウィルスを消滅させる」ジスタの微笑みが真顔に変わり、ユージンを最高に怖がらせた。

「分かっとるわ!!様子可笑しくないか?」ユージンが指さした先は、オークは、紫色が晴れ薄緑に戻っていた。どうやら、体内から、スモークウィルスは、消えたみたいだ。「よ、良かった。実験成功だね」マスクを外し、息を漏らす。

 ─────バリッ!!!バリッと音を発して、オークを縛りあげていた黒紐が、千切れ(ちぎ)目の前にいたヒルアにヨダレを垂らした。

「 ヒルア!危ない!」ユージンは、咄嗟に剣を引き、颯爽と走り抜け、オークを切り裂いた。「 ユージン、ありがとう。ビックリした。」

 ヒルアは、崩れ落ちて、尻もちをついてしまった。

「 大丈夫か、ヒルア」ユージンは、コクリと頷き、手を掴んで、彼女を立ち上がらせた。「 ビーストにもかかってたみたいですね。って事は、遺跡が危ないかもしれませんね」ジスタの言う通り、遺跡にも感染したオークが居た。彼の話によると既に死んでは、いたが...。

「···そうだね。とりあえず、抗薬剤を渡すね。報告が上がってる所から、ばら撒くしかないね」ひとまずは、上手くいった。そう安心して皆の中では、これで被害は、最小限に済むと安心していた。でも彼らの考えは、甘かったみたいだ。

 彼らがそう実感するのも、遠くは、ない。


 次回に続く。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ