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僕は、君のヒーローになる。  作者: ブラックキャット
第3章 魔法世界に狂わされた少女とある1人の男と千武族の戦い。
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謎は、深く沈む。

 あの爆弾から、ヒルア達は、無事に逃げれたが、何も証拠も持ち帰れなかった。

 例え、引き戻ったとしても証拠は、消されてるかもしれない。

「なんだっただろうね。ユージン」

 ヒルアは、慌てて、走ったのか、息を切らしていた。

「さぁな。煙のせいで周りが見えなかったからな。犯人が誰か、分からないな」

 ユージンは、何故か、(ウルフ)の死体を抱え込んでいた。

「それは、そうだけど、あの状況でどうやって、それ持ち込んだの?」

 彼が背負っていた(ウルフ)は、腐敗して、異臭を放っていた。

「あぁ、(ウルフ)のことか?咄嗟にな。何も持って帰らなかったら、何も分からないだろ」ユージンは、あの爆発から、毒に感染した狼を1匹背負って、逃げ出したのだ。「凄いね。あたしには、そんな余裕すら無かったよ」

 ヒルアは、逃げるのに、必死でそれ所じゃなかった。死ぬと思ったからだ。

「褒めてるのか?それ」ヒルアが頬を突っつかれ、不機嫌な顔をすると青年は、

笑っていた。ギルドに着き、ジスタが帰ってくるのを待っていた。

「なにそれ!気持ち悪っ!?ホヤホヤじゃない」

 解剖台の上の狼を見るなり、パトラは、不快に満ちて、顔が青くなっていく...。

「帝国の間に国境に森があるだろ?そこに狼の(ウルフ)死体が転がってた」

 ユージンは、パトラに事情を説明していたが、死体に圧倒され、それ所では、

無い。「それで持って帰ってきた訳?完全に毒に侵されてるじゃない。目が赤いわ」パトラは、携帯ライトを片手に狼の瞳孔を確かめていた。

「そうなんだよ。ヒルア、体内にある毒性なら調べられるじゃないか。詳しいだろ?」ヒルアは、祖母の影響で毒に詳しいだろうから、きっと何か分かるはずだ。

「調べられるけど、道具がない。毒防御の手袋じゃないとあたしが毒に侵されるよ」ヒルアの言う通り、狼の体は、外観だけで分かるように紫色に変色していた。

「あっ、そっか。体の内部を調べるもんな。すまないな。俺、そういうの詳しくないんだ。」ユージンは、申し訳そうに、ヒルアに謝っていた。

「ユージン、女の子を危ない目であわせちゃダメよ。それとも、毒に侵されたヒルアに口移しされたいの?」

 パトラは、挑発するような瞳でユージンを完全にからかっていた。

「な!何を言ってるんだ。パトラ!そういう訳じゃない」ユージンは、唾を飛ばしながらも必死に否定したが、パトラは、嘲笑っていた。

「何、照れてるのよ。ユージン、からかっただけでしょ」パトラにそう言われ、

ユージンは、右側にある鏡に気づいた。ふと、それを見ると、自分の顔は、まっ赤になっていた。「ヒ、ヒルア、違うからな!」

「何がよ、ユージン」ヒルアは、眉1つも動かさず、首を傾げた。

 しらばくすると、ギルドの鐘が鳴り、ジスタが帰ってきていた。


■□■□■

「騒がしいですね。何があったんですか?」

「帰ってきたか。早速なんだが、お願いしていいか?」

 この気まずい空気に無関係な奴が入ったら、一気に変わるはずだ。ユージンは、そう思い、ジスタに駆け寄ったが、険しい顔をされた。

「貴方は、犬ですか?調べるのは、いいですが、毒なら、ヒルアの方が詳しいでしょう」「調べる道具がないの」解剖台があるだけで、道具は、ジスタが持っていた。「そうですか。俺が道具持ってますので、毒の成分分析をお願いします。」

 ヒルアは、コクリと頷き、手袋をはめていた。

「ユージン、取られちゃったわね」

 パトラは、ユージンの肩を揺らすが、すぐさま、振り払われた。

「何がだよ!意味が分からないぞ。パトラ」

 彼らが、騒いでる間にヒルアとジスタは、毒がへばりついた(ウルフ)の心臓を取り出していた。「確実に心臓を狙ったみたいですね。結構、強い毒ですか?ヒルア」

 グチュグチュという音が聞こえ、内部の毒は、沸騰しており、ドロドロとしていた。「そうだね、魔物のサリンの毒だね。襲われたにしても傷が深すぎる。人間がやったに近いね」

「そうですね。サリンなら傷が浅いですし、外傷は、無いはずです。毒の炎と言ってましたね。サリンの毒と炎をくっ付けたですかね?」

「そうかもしれないね。魔法使いの仕業だね」

 ヒルアは、狼の体に優しく、撫で、「切傷塞(ぜっしょうかん)」と唱え、メスによって切り裂かれた腹は、塞がれた。

「魔法なら、こんなのお得意様ですからね。ユージン!分析は、終わりましたよ」

 ジスタに大声で呼ばれると、ユージンは、肩をビクリとさせた。

「お、おう。ジスタ、もう終わったのか」ユージンは、暇すぎたのか、完全に夢の世界へと連れて行かれていた。つまり、彼は、寝ていたのだ。

「立って、居眠りしないでください。もう、仕方ない人ですね。毒で目を覚ましますか?」ジスタは、手袋にへばりついた毒をユージンの顔に当てようとしていた。

「すいません!ジスタ様、許してくだせぇ」

「それだけは、嫌だ」とユージンは、平謝りするが、ジスタは、呆れたのか、狼の死体処理に戻っていった。

「容赦がないわね。それにしても狼をこんなにも殺す必要があったのかしら」

 パトラは、ヒルア達が撮った写真を拾いあげ、低い声でそう呟いた。

「さぁ、知りませんよ。ジロンにその件、聞いてみたんですが、ギルド局は、関係してないみたいですよ。今、調査中ですって...。」

 ジスタは、首を横に振り、残念がっていった。

「ジロンって国際ギルド局の奴よね。信用していいの?」

 パトラは、ジスタを疑いの目で睨んでいた。

「根っからのお人好しですから、警戒しなくて大丈夫ですよ。国際ギルド局に残ってる唯一の良心です。」

 ジスタは、そう、にこやかに答えた。

「ふーん、ジスタがそう言うなら、大丈夫ね。愛しのラブリーちゃんは、どうしたの?」パトラの言う通りだ。ジスタの横にいつも居るラブリーが居ない。

「そのジロンに色仕掛けしてる所ですよ。色々と吐かせるです」

 彼は、悪い笑みを浮かべていた。

「ジスタ君、悪い顔してるわね。まぁいいけど、嫉妬とかしないの?」

「別に恋仲でもありませんから、そんなのしませんよ」パトラは、そう尋ねられ、ジスタの声が震えていた。

「心臓、握りつぶさないでよ。ジスタ!大事な奴だから、やめてよね」

「あぁ...すいません。ヒルア」ジスタは、心臓を力一杯に握りすぎて、今にも爆発しそうだ。「からかいすぎだぞ。パトラ」

 ユージンは、パトラに腕で肩を突っつくが、「面白いからいいじゃない」と呟いていた。「そう言う問題でもないだろ」


*****


「それじゃ、なんにも分からないって事?ジロン君、嘘ついてない?」

 ジロンは、(ラブリー)に路地裏に連れ込まれ、はたから見たら、迫られてるように見える。だが、これは、脅迫だ。

「ラブリー、嘘をついて、俺になんの利益がある?」

 ジロンは、彼女に壁ドンをされ、ナイフを首筋に擦り付けられた。

「だって、連れて帰ってきたのは、女の子だけって、何かのジョークだって思ったよ。どうするつもりなの。身元は、わかってるの?」

「分かってないさ。このまま、ギルドに在籍させるつもりだ」

「白魔王様が何言っても知らないよ?魔法使いみたいだけど、なんか怪しいでしょ。用心しときなよ」ジロンの顔に触れていたナイフは、離れ、ラブリーは、去っていた。一人になった彼は、一息をつき、心臓のドキドキがいろんな意味で止まらず、遠い空を見ていた。


次回に続く。





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