悪魔は、彼等達を嘲笑う。
ハンネス達は、道に迷ったり、マジカルラブリーとかいう変な奴に武器は、奪われたりで散々な目に遭わされた。彼らは、死にものぐるいでマジカルラブリーを追いかけたが、近づけもしない。
「どう?武器が無いとなんにも出来ないでしょ」
マジカルラブリーが突然、止まり、目の前には、アクア達の後ろに敵の仲間がいた。「早く返せよ!魔法使い!」 ハンネスは、声を荒げるが、 マジカルラブリーは、動じず、むしろ挑発的な表情を見せた。
「ハンネス君、あたしは、魔法使いじゃなくてマジカルラブリーなの!」
ラブリーは、魔法使い呼ばわりされたのが気に食わないのか、頬を膨らましていた。「嫌、どうでもいいでしょ。ラブリー、返してあげなさいよ。つまらないでしょ」パトラに睨まれ、ハンネスは、睨み返すが、眉1つ動かさない。
マジカルラブリーによって奪われた武器は、投げられ、すぐさま彼らは、掴み取った。「受け取りなさい!貴方達に戦う気があるのなら、剣を握りなさい。自分だけのエゴを貫いていけるの?貴方達は、」
パトラは、仁王立ちして、苛立ちを露わにした。
「そんなの戦うに決まってるよ!僕にかかればお姉さんなんてイチコロだよ」
ガイラは、狂気的な笑みを浮かべるが、パトラという女性は、淡々としていた。
「じゃあ、坊やの相手は、お姉さんとこのごっついお兄ちゃんね」
大柄な男を引き連れ、いつの間にかガイラとライナーは、パトラとケンを相手することになっていた。「パトラ、ガキの相手かよ?俺は、嫌だぜ」
ケンは、肘でパトラの肩を突っつくが、微笑み返された。
「いいじゃない?生意気な子供程、ねじ伏せるのは、楽しいわよ...。」
「はいはい。弱かったら承知しねぇからな。おい、ガキ!女を殴る趣味は、ねぇから、お前が相手な」
ケンは、ガイラを指ざしたが、当の本人は、心底、嫌そうな顔をしていた。
「なんで、このごっついおじさんを相手しなきゃいけないのさ、つまらないの」
ガイラは、そっぽ向き、膨れていた。
「おれは、まだ20代だ!おじさんじゃねぇ!」ケンは、唾を飛ばしながら、声を荒らげた。「そんなの知らないよ、だって見た目が老けてるもん。おじさん。」
ガイラは、冗談交じりに笑うが、ケンは、苛立ちを隠せない。
「茶番は、終わりしたほうがいいわよ。ケン、それに皆も始めたら?どうせ、こんなの早く終わるわ…」
ハンネス達は、完全に舐められていた。敵の言葉を聞けば、すぐに分かる。
でも彼等たちには、気に入らない魔法使いをやるだけ、それだけだった。
「おい!そこの眼鏡野郎、この前の続きといこうじゃねぇか」
「嫌な人に目を付けられてしまいましたね。ラブリー、いつまでもマジカルやってないで、武器を奪って直ぐに殺せばよかったものを...」
ジスタは、冷たく低い声でそう呟き、ハンネス達を不快に感じさせる。
「その方が絶対に面白いと思ったからだよ!それに殺せとは、言われてないからね」ラブリーは、ジスタに怒られるが怖いのか、声が震えていた。
「屁理屈ですね、まぁいいです。ラブリーは、森に被害が出ないように結界を張ってください。」
「はーい、加勢は、しなくていいの?」ラブリーは、唇を尖らせながら、魔法陣を展開して、盾を施した。
「そんなのいいですよ、俺一人で充分ですよ」ジスタは、そう言って、杖を振り回した。「おい、いいのかよ。仲間の手を借りなくていいのかよ!後でいるって言っても、遅いぜ」ハンネスは、ジスタを睨むが、手招きをされるだけだった。
「そんなのありませんから、どうぞ。攻撃を仕掛けてください。さあ早く...」
ジスタは、手を広げ、ハンネスが先に仕掛けるのを望んでるみたいだ。
あっさりと彼は、ジスタの挑発に乗り、双剣を銃に変え、火炎弾を放った。
ハンネスが放つ弾は、生ぬるい弾だと、ジスタは、勘違いしてるのか。彼が勝ち誇った笑みを浮かべると、ハンネスは、吐き気がする程に気味悪がった。
”わざわざ、魔法を唱えるまでもない”とジスタは、そう確信していた。
彼は、杖を軽く、スイングして火炎弾を振り払い、木に大穴を開けさせた。
「もう、ジスタ!それじゃ結界張ってる意味がないでしょ!外傷は、出来るだけ、少なくしてよ。もちろん皆もね」
ラブリーは、ハート型の杖をブンブン振りながら、怒りを顕にしている。
ジスタは、こう思った。 確かに彼女の言う通りだが、政府側に何を悟らっては、
まずいし、威力は、抑え目にした方がいいか...。
「怒られちゃいましたね。一応、説明しておきますが魔法使いの杖は、透明な防壁が張られてあります。だから、燃やそうとしても切ろうとしてもよっぽどのことじゃ、砕ける事は、無いです。狙うだったら不意打ちを狙いなさい」と言いながら、ジスタは、全体的に防壁を張っていた。「卑怯者なのかもしれない」と聞こえないように小さく呟いた。ジスタが施した、このバリアは、別に壊せない訳では、ないが、別にそんなに簡単でもない。
ジスタの口振りは、急に命令口調になり、ハンネスを嘲笑っていたが何もしてこない。防御するだけなら、こちらからやるしかない。ハンネスの想像上では、眼鏡野郎を何度も切り裂いたり、血だらけになったりしているはずだ。
でも、実際の所、硬い防御壁が邪魔をして、攻撃どころか傷一つすら与えられていない。「なんですか、そのぬるい攻撃は、言霊術でも使ったらどうですか?」
ジスタは、相変わらず、ハンネスを笑い、睨み返した。
「防御してるばっかりのお前が言うなよ」
「雷金棒!!」とハンネスは、唱え、雷を纏った巨大な棒をグルグルに回して、防壁にヒビを生じさせた。パリッと音が聞こえて、もしかすると、防壁が割れる音なのかもしれない。破片が消え散る中、ジスタの姿が見えない。一体どこにいるんだろうか...。
「お疲れ様です。知ってますか?魔法使いって瞬間移動が出来るのを知ってましたか?」ジスタは、急にハンネスの前に姿を現した。
「はぁ??そんなの知ってるに決まってるだろ」
ハンネスは、ムキになるが、ジスタは、それを笑っていた。
「いいですって、無理しなくてもね。守るのも面白くないですし、仕掛けさせてもらいますね」ジスタは、魔法書を取り出し、意味不明な呪文を唱えていた。
「神よ、我に味方せよ!!光、闇が交差するとき、混沌が舞い降りたまえ、ブラックサンブレイド!!」
ジスタの背中には、黒い剣に光を纏った千本物が背後に、取り憑き、指一本動かせば、ハンネスを串刺しにする気だ。それを彼は、何度も振り払い、切り裂いてきたが、どんだけ切っても減らない。ジスタの黒い剣に嫌気がさしていた。
「こっちが仕掛けたら、散々な目に合わすことになりますし、どうしましょうか?でもまだ、血だらけになっていませんし、貴方を串刺しにするまでやりますか」
あの眼鏡を掛けた魔法使いからは、低い声と冷たい呼吸が感じられる。
あの悪魔達と同じ武器を持ったヤツらにあの日受けた屈辱を晴らす為、ハンネスは、戦う覚悟を決めていた。そう絶対に屈しないと心に誓っていた。
「圧倒されてろ、魔法使い。この矢の前じゃお前は、無力だ、千毒矢!!」
ハンネスは、ついに放ったのだ。それほ、猛毒がぬりたくわれており、矢は、四方八方にジスタに降り注いだ。
「あぁ...見えるぞ···。」とハンネスは、ニタリと笑っていた。
ジスタが、鮮血に染って行く姿を彼は、じっと見ていた。
次回に続く




