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僕は、君のヒーローになる。  作者: ブラックキャット
第2章反乱の旗と残酷な世界。
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あたしの手は、血に染まっている

 突然、彼女達の周りが真っ暗になった。アクアは、敵の気配を感じ取っていた。なのに、自分が把握している人数とは、違う。風に揺れる草花と人の足音が聞こえた。「暗幕は、使ったけど、攻撃するなら今のうちだよ。ヒルア」

 彼女とは、違い、大人びた声が聞こえたが誰かが分からなかった。

「これ使うしかないね、光幕」

 メルディが発した言霊術によって、眩しい幕に辺りは、覆われた。

「あたしは、違うじゃん。どういうことかな?メガネ君」

 カレンは、怪訝な顔をして真正面にいたジスタを睨んだ。

「ちょっと、なんの事か分からないですね」ジスタの横には、スラリとした女性と大柄の男が立っていた。

「2人なら勝ってるって言ってたよね。まさか弱気になって援軍呼んだの?」

 カレンは、彼らの事を嘲笑い、まるで見下してるようだ。

「何を言ってるのかしらね?な訳ないでしょ。うちの策士様は、いつだって強気よ。ハンネス達がどこにいるか、知ってるの?」

 先程の女性パトラは、仁王立ちをしていた。アクア達の事を警戒するような目付きで睨んでいるようだ。「メガネ君のせいで、ナビがバクったの!どこにいるかなんて、把握してないよ」カレンは、周りに端末を見せびらかしていた。

 彼女の言う通り、地図のコンパスは、明らかに違う方角を指していた。

「あっ...そう。やる気満々でしょ。ヒルア」

「そうだね。パトラさん」彼女は、頷いて、鎖を振り回した。それは、蛇のように螺旋状を描き、確実にアームズの彼女らを捕らえた。

「その状態でも攻撃できるなら殺ろうよ」アクア達は、鎖に縛られ、身動きが取れないでいた。

「そんなのやるわよ!あたしには、貴方が分からない。本来、貴方は、こちら側でしょ。復讐を目的にしているんなら···」そう言った彼女を見て、まるでヒルアは、嘲笑うかのようだった。

「アクアさん、やめてよ。復讐だなんて意味がないよ。あたしは、冤罪を晴らしたい。それだけだよ」

 ヒルアに感情を露わにしたって何も変わらない。

 そんなの、彼女には、分からなかったけど、言葉は、自然と出てしまうのだった。「散々な目に遭わされたのに、それだけでいいの。分からないわ。村のみんな殺されたんだよ」

「分かってもらえなくていい。それに今の自分達だって同じを事をしているじゃない。魔法族は殺して政府側の人間は、見逃すの?弱い者いじめみたいで気持ちが悪い」ヒルアは、アクアの言葉に対して、終始、不快な顔をしていた。

 それは、吐き気がする位にアクアは、分かっていた。自分では、理解しているのに、横に居たこの2人だけは、平然としていた。

「アクアちゃん、勘違いしちゃだめだよ?こいつらと境遇は、同じだけど思想は、違うし、あたし達は、ボスに拾われたんだよ。だから、魔法族に復讐しなきゃ終われない」メルディは、腐鎖(ふさ)と唱え、彼女らは、するりと鎖を逃れた。

「そろそろ来るはずよ。思想が同じ者が」

 パトラは、背後から気配を感じ取ったのか、1人分、入るようにスペースを作っていた。

「呼び寄せちゃったんだね、メルディ。これは、誤算だね。まぁいいや、心強いよ」「彼らが来るまでに言っておきましょうか。どんなに、あなた達が魔法族を殺してどんどん目立って、厄介者になり、政府側の魔法使いに皆殺しにされるか、公開処刑されるだけですよ。それももうすぐかもしれません。あなた達、アームズは、目立ちすぎた」

 ジスタの表情に影が混じって不気味に彼女に思わせた。彼は、指を鳴らし、端末から映像が浮かび出した。ニュース番組かは、知らないが、アクア達の事を専門家を交えて、分析をしていた。僅かに生き残っている千武族なのかもしれない。

 そうやって憶測ばかりが飛び交った。でも最終的に皆、唱えるように言っていた。どうせ白魔王様には、勝てないと···。


「メディアもこぞって取り上げようになりましたね。表沙汰では、報道規制は、していませんが、してない訳ないでしょ。どういう事かわかりますか?白魔王は、意図的にやっているんです。つまり貴方達は、やつの手のひらの上」

 ジスタは、狂った笑みを浮かべていた。


「メルディ、そんな言葉に騙されないよ。あたし達の事、全部は、知らないし、アジトだって掴めるのに時間は、かかるから、そのうちに潰せばいいよ」

  彼女は、ジスタに言うことに対して、冗談交じりに笑みを零していた。

「馬鹿ですか?数万人の部隊がいる大国に数人の組織が挑むですか。数秒で死んじゃいますね。白魔王は、貴方達が思ってるより、計算高く。ずる賢くて優しさも微塵もないゲスな女性ですよ?軽く常識は、凌駕してます」

「ジスタ、気配を感じる、来たよ」ヒルアの問いに彼は、頷き、こう言っていた。

「想定通りですね。」

「華麗にラブリー参上☆マジカル!!ファイアブレス!!」

 アクア達は、咄嗟に避けたが、まともに受けていたらあの木のように灰となった。「どんだけ走らせたら、気が済むんだよ!魔法使い!!ってアクア達がなんでここに...」ハンネスは、目を真ん丸にして、彼女達がいることに驚いていた。

「それは、あたし達が聞きたいよ。そんなのは、後にしてこいつらを何とかすべきでしょ」ラブリーの後ろには、ハンネスと双子が居たが戦力は、足りるが勝ってるのだろうか。アクアは、そう不安で仕方なかった。


───白魔王の城───

「笑えるわね。目立ちたがりだから、良かったのかしら、アイラ」

 白魔王は、腹を抱え、「馬鹿ね」と呟いた。

「そうじゃないでしょうか?彼らにとっては、幸せなことでしょう。世界から注目されてますし...」アイラの目の前は、液晶画面に囲まれ、アームズのテロ活動を映し出され、血だらけでこちらを不快に思わせる。

 ここは、王宮で白魔王様は、王座の間で大きな椅子に佇んでいた。

「皮肉ね、彼らの場合、勝手に自爆してくれるわよ」アイラは、首を傾げていた。

「それは、どういうことでしょうか?」

「そのままの意味よ。あたしの下僕達を出すまでもないわ。だって雑魚だもの...数人の組織ぐらいだったら簡単に潰せるからつまらないのよね。国際ギルドが、何とかするわ」白魔王は、ため息混じりにそう言っていた。

「じゃあ、手出しは、なさらないですね」

「そうね。でも、皆殺しの動画撮っといてよ?あの醜い種族が生き残ってるだけでも吐き気がしてたから、いい気晴らしになるわ」

 白魔王は、清々しい位の笑顔で言っていた。その言葉に偽りなどあらず、生き残りの1人も許さない。この人は、多分悪意が纏わり過ぎて誰にも薙ぎ払えない。

 アイラは、そう思いながらも、白魔王の命令に頷いた。


───────彼女の手は、血に染まっている自覚は、している。でも、耳から離れないんだ。泣きわめいたり、痛みのあまり叫んでしまう人、ヒルアの言った通りだ。ねぇ昔の自分は、今の彼女を見て、どう思うだろう。彼女は、今の自分を誇れるだろうか。そればかり考えていた。

 彼女は、ずっと鏡にこう尋ねていた。「ねぇ、あたし、アクアは、何者なの?」


次回に続く





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