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僕は、君のヒーローになる。  作者: ブラックキャット
第2章反乱の旗と残酷な世界。
24/121

牙を向かれた先は、

 アクアが読み上げた紙をボスは、破り捨てた。

「自ら、こちらに喧嘩を売ったんだ。買うに決まってる。アクア、ギルドの場所知ってるよな?」ボスは、高圧的な目で彼女を支配した。

「あたしが知ってるとなんで思うのですか?」

 ボスは、アクアが身につけている通信機を外した。

「これにはGPSが搭載されている。お前がどこにいるかなんて簡単に分かる誘拐された事も全部だ。当然知ってるよな?」ボスに向かって嘘なんか付けない。

 ついてしまったらその先は、彼女にとって、真っ暗だ。

「ホワイトキング帝国の市場近くです。あとは、直接行ったら分かります」

 ボスは、アクアの顎を持ち上げ、平手打ちをかました。

「よし、いい子だとでも言うと思ったか、言うのが遅いんだよ。アクア」

と舌打ち混じりにボスは、去っていた。

****


「ギルドに忘れ物するなんて馬鹿なのかしらケン!聞いてるの?」

 パトラは、もぬけの殻となったギルドを訪れ、その周辺で仁王立ちしていた。

「はいはい、聞いてるよ。取りに行ったらいいだろ。そんなに怒らなくたって、パトラ」ケンとパトラは、ケンが依頼書を忘れたせいでギルドに取りに行くハメになってる。近くまでたどり着いたがギルドの前に何者かが立っていた。

「誰だよ」とケンが小さく零すと「アームズの奴らよ」とパトラの声が聞こえた。

「どうする?このままいくしかないよな」

 ケンがそう言うとパトラは、眉間に皺を寄せた。

「あたしに選択肢与えるのか与えてないのかはっきりしなさいよ!」

「パトラ、お前に拒否権なんてないぞ。俺が手に持ってる物が何か知ってるか?」

 ケンは、どこから出したのか、爆弾を手に握っていた。

「あぁ?そんなの···。」突如、 パトラの耳元を爆弾がすり抜け、ギルドの近くに落とした。ドカーンという激しい音が聞こえ、煙幕から何者かが周辺を見回って来た。「あんた危ないわよ!あたしが怪我でもしたらどうするのよ!」

 パトラは、ケンの襟元を掴んで、怒鳴り散らしたが、冗談交じりに笑っていた。

「お前ならしないだろ。頑丈なんだから今のうちに侵入して、取りに行くぞ」

 ケンは、パトラに掴まれた襟元を振りほどいた。

「待ってこのまま彼らを逃がすつもりなの?」

 パトラは、ケンの腕を掴んたが、直ぐに解かれた。

「取りに行きながら、奴らを殺るんだよ」ケンは、手に持っていた剣をバズーカに変えた。

「そう、あたしが知ってるケンね。じゃあ行かせてもらうかしら!!」

 ケンの後方援護にパトラは、立ち回り、蜘蛛糸(クモイト)を放出し、奴らを足止めした。


────数時間前──


 アクア達は、ワールドプロジェクトに潜入していただが中には、誰もおらず形跡すらない。設置された看板には、依頼絶賛募集中書いてあるのにどうしてだろう。

 もしかして、任務中で誰も居ないのか。

「誰もいないよ。殺すつもりで来たのにつまんないの。全員で出向いた意味あるのかな」ガイラは、剣先を床でグリグリしていた。

「兄さん、隅々まで調べないと分からないよ。決めつけるのは、まだ早いよ」

 妹は、ガイラの袖を掴み、引き止めた。

「ライナーが僕に意見するなんて珍しいね。そうだね。調べてみよっか」

 ガイラは、不敵に笑い、奥へと進んでいた。

「子供は、楽しそうだよね。遊び相手もいないしアクア、あたし達だけでも帰る?」メルディは、呆れ気味にため息を零していた。

「まだ帰ってくる可能性が残ってるし、まだ実績も何も無いから戻れない」

 アクアがそう零すと、メルディに冗談交じりに笑われた。

「アクアは、真面目だね。メルディはそんなの無理。それにこんな状態じゃ何も持って来れないよ」

 突如、ドカーンという音がして外に出たが誰もいない。一体誰の仕業だろう?

「あっ!アクア、あぶな──」ギルドの中に砲弾が落とされ、瞬く間に爆発して、咄嗟の判断でメルディの護衛幕が周囲に覆いかぶさった。

「煙臭いわ。不法侵入者が大勢いるわね。どうする?ケン、殺っちゃう?」

 パトラは、ケンの顔を覗き込んだ。

「嫌、ここでやってもな」ケンの通信機が鳴り出し、厳つい声を発して、

「分かった」と言っていた。一体何のことだろうとパトラは、首を傾げた。

「パトラ、ジスタが奴らをおびき出す手紙を出したから、攻撃開始していいってさ」ケンは、ジスタからの電話を切り、そう話していた。

「それは朗報なのかしら?何も敵さんがいっぱいいる中で言わなくて良くない?」

 煙幕がやっと消え去り、見えたのは男女2人組だった。


────敵が沢山居て、パトラ達をやる気満々だ。

 まぁこっちもそういうつもりなんだが、これは、好都合って捉えるべきなのだろうか。パトラの横には、ケンがいる。この男は、化け物みたく強くて時に残虐だ。

「パトラ、何をボッーとしてる。敵の目の前だぞ。うちの策士様が殺し合いしていいって言ってんだよ。お前ら、覚悟は、出来てるよな」

 ケンは、狂気的な笑みを浮かべ、剣を振るい敵に攻撃などさせない位に隙を与えない。「追跡蛇」何匹すら数えるのが難しい位に蛇を大量に発生させ、周囲に貼りめぐらせる。

「ケン、後奥にもいるわ、彼らは、気絶位にとどめておきましょう。先に依頼書を取り行く方が先決よ」呆れ気味にため息混じりにケンは、こう答えた。

「うるせぇな。分かってるさ。うちのギルド依頼者優先だもんな」

 ケンは、うっとうしそうに首をかいた。

「それって目の前の敵より大事な物なのかな?メルディ、悲しいな。あなたと殺し合いしたかったのに残念だなぁ。これじゃ一方的な虐殺なちゃうね」

 メルディは、気配を消したのか、ケンが見落としたのか分からないが、いつもだったら、そんな事は、ないはずだ。剣がささる音が聞こえ、メルディがケンの腹に

ナイフで貫いていた。赤い液体が床を汚して、まるで赤い海のようだ。

「女だから油断してたでしょ?舐めちゃダメだよ。あたしって強いよ」

 メルディは、ナイフを抜いて、目の前に居たパトラを嘲笑っていた。彼女は、

手に付いた血を舐め、「美味しい」と狂おしく呟いた。



 次回に続く。


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