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僕は、君のヒーローになる。  作者: ブラックキャット
第2章反乱の旗と残酷な世界。
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届かない刃

「もう起きているのだろう、アクア?」そっと優しく語りだし、手を握っていた主は、ハンネスだった。 アクアが周りを見渡すとアジトがあった所の近くの森だった。どうやら彼女は、ここで仰向けにされ、今、目が覚めたのだ。

「アジト?あれからどうなったの」

 アクアがそう聞くと、ハンネスは、険しい顔で返された。

「そうだな、長くなるだが仕方ないな...。」するとハンネスは、アクアの目の前に座り、語り始めた「遡る事、数時間前になるな。まずお前の目を塞いだのは、メルディだ。カノンとメルディが偶然、そこに現れて眼鏡のやつとヒルアを言霊術で遠くに飛ばしたんだ。そのおかげで俺らは、危機を脱した訳だ。」

「そうだったのね、あの二人、帰ってきたんだね。全然、音沙汰無かったから...。」もうアジトは、無くなった。これからどうするのだろう。

 アクアは、そう思い、遠くを見据えた。

「そうだな。これで全員揃った訳だし、しばらくは、奴らの殲滅に打ち込む事になるな」「奴らって誰のことなの?」アクアは、首傾げ、ハンネスにそう尋ねた。

「決まってるだろ。ワープロの奴らだ。仲間の大半が同族であろうが魔法族が2人いるんだ。おまけに邪魔をしてくる。今のうちに潰さなきゃ、厄介な事になる」

「それって全面戦争って事なの」アクアの問いかけにハンネスは、頷き、水を飲み干した。「当然だ。ボスに逆らう奴は、全員敵だ。テロは、一旦休息としてだな。ワープロを全力で壊滅させる、1人残らずだ」ハンネスの威圧でアクアは、分かった。 この命令は、絶対だ。


****

 ヒルアと叔母の家なのに、なんでこんなにも騒がしいのだろう。彼女は、耳を塞ぎたくなった。「なんで、みんながここにいるの!」

 居住スペースである2階のリビングのテーブルがギルドのメンバーで埋まっていた。「別にいいだろ、それに家主は、ヒルアでもないし、あんまり慌てるなよ」

 ケンは、呆れた様子で溜息を吐いていた。ここは、彼女の家でも叔母の家でもある。つまりヒルアにとってケンの言うことは、気に食わない。「そりゃ慌てるよ!うちで何するつもりなの?」

「だから言ったのに。ヒルア、ごめんな!叔母さんには、許可は、取ってあるんだ。先に言っておくべきだったな」

 この事は、叔母が了承していた。だからユージンが言ってることは、分かるだろう。別にいいのだが、ヒルアは、何だか癪みたいだが、頷いて、大人しく椅子に座った。「もう来てたのかい。随分と早いだね。さっき店を閉めたところだし、ちょうどいいかもね」叔母は、ヒルア達がいる2階に上がって来て、彼女の横に立っていた。ヒルアは、状況が全く読めず、キョロキョロとしてしまう。そんな彼女に見兼ねたのか、ユージンが耳打ちしてくれたのだ。

「ヒルア、これからアームズについての作戦会議なんだ。ノアールさんは、地形に詳しいから話を聞こうと思って···。」

「ユージン、そうなの?おばあちゃんよく許可したね」

「まぁね、誰かさんがしつこかったからね」

 叔母は、正面に居たマスターを睨み散らした。ヒルアは、察するとすぐに分かった。叔母は、薬品を取り出し、テーブルの上に並べた。

「これ、全部毒薬じゃない。おばあちゃん、どうするつもりなの?」

 ヒルアが、屈んでみると全て劇薬と記されていた。

「なんでそんなもの、置いてあるんだよ、恐ろしいな」ケンは、あからさまに怯えていた。叔母は、小さく、まぁ「扱っているから」と囁き、全員が何故か凍りついていた。「誰が毒薬を買いに来るんだ?」


「ユージン、聞かない方が身のためだよ」彼は、「恐ろしいな」と溜息混じりに呟いた。「くだらない話は、終わりだよ。彼らは、あんた達とは、違い、魔法族すべての殲滅だ。絶対に混ざう事は、ない。ジスタ、アイツらを裏切っただよね」

 叔母は、眉間に皺を寄せていた。

「裏切ったというよりかは、見限ったの方が正しいですね。それがどうかしたんですか?」ジスタは、怪訝な表情で尋ねた。

「その事が原因であんた達を彼らは、敵とみなすだろう。全面戦争になるだろうね。この毒薬を使って、アジトにバイオテロを仕掛けるか。武力行使かどっちがいい?」そう言って叔母は、薬ビンを持ち上げた。

「ノアール?聞きたいだがそのバイオテロは、殺傷能力は、どれくらいだ」

 マスターが毒瓶を持ち上げ、そう尋ねた。

「──ヒルア、これって軽く数十人位だったけ??」

 叔母が彼女にそう聞いていた。その持っている毒薬は、その辺にばらまくだけで、初期症状は、目を侵して、ひん剥いてしまう。そして、大量の血が吹き出し、即死だ。「何人っていうより、その場にいる人達全員殺れるね。おばあちゃん、すごく残虐だから、直接戦う方がよっぽどマシだと思うよ」

 流石に血の海になるのは、避けた方がいい。ヒルアは、それは、恐ろしく、思わず、引いてしまう。

「効率は、いいんだけどね。残念だね。却下されちまったねぇ」

 叔母は、何故か俯いていたが、ヒルアには、訳が分からなかった。

「どれくらいの威力なの?ヒルアちゃん」ラブリーにそう聞かれ「即死」と彼女が、微笑んで言うと、「笑えない」とラブリーが言っていた。

「じゃあ、痺れるぐらいの薬の方がいいね。分かってるね、ヒルア。渡しておくれ」彼女は、静かに頷き、薬品庫に向かっていった。


****

「貴方が受け入れてくれるだなんて思っていなかったよ。ノアールさん」

 ユージンは、微笑んで見せるが叔母の前では、無視される。

「まぁ、あたしは、罪もない人間を殺すやつが嫌いなだけさ。それに協力するだけで加勢は、しないよ。コク、やるからには、組織ごとぶっ壊さないと、完全には、消えないよ」叔母は、そう言うなり、目がキリッとし出した。

「あぁ...そうだな。ノアール」

 罪と言う言葉が彼女を締め付けるのか。ヒルアは、それに賭けてみたかった。

 不利益な戦いは、何も生まない。だから本当は、剣を交わる事すら嫌だ。でも、自分のやった過ちを償いもせず逃げているアクアに彼女は、何をすればいいのだろうか。叔母に頼まれた薬品を取り出しリビングへと戻った。

 償いとは、なんだろう。言葉は、言うのは、簡単だけど、時に人を苦しめる。

 ヒルアは、それを痛いほど分かっていた。


次回に続く。






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