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僕は、君のヒーローになる。  作者: ブラックキャット
最終章 革命
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最終決戦

 


「護衛幕」

  放物線の衝撃波は透明な幕に受け止められ消え去った。


「ハク、何度でも目を覚まさしてやる。呪縛から解き放たれるまで...」

  コクは斧を大剣に変化させ、ハクは何度も剣を振り落として交わった。


「そうですか。貴方が何をしても無駄です。これは呪いですから...」


  コクはハクの表情に陰りを感じた。


「ハク...洗脳は溶けてるはずだ。なんでそこまで白魔王について行く」


「呪縛、洗脳ねぇ...貴方に白魔王様が倒せるのですが?

 勇者でさぇ勝てなかったのに...」

  ハクは狂ったかように笑い始めた。


「あたしだけじゃない。ホークアイもギルドのみんなと戦うんだ。あの時とは

 状況が違う。」


「そうですか。白魔王様がいなくなったら問題は山積です。帝国はどうしますか?

 リーダーが不在です。テゼルトもあの少年は12歳でとっても首相は

 務まりません。」


「さぁな。リーダーなんて居なくてもやって行ける。テゼルトの事はロンディ首相がおさめてくれる。白魔王が王座の椅子を座ってる限り帝国は独裁政治で人々を

 苦しめる。」

 

「はぁ...貴方は何も分かってない。この国の教育は洗脳に近いです。

 千武族は黒魔王の悪魔の手下。そういう風に教えられました。

 今更、あの程度の映像で何が変えられますか?」

  ハクは地面に剣を刺して魔法陣を発生させた。


「ニードルリーフ」

  刺々しい枝が生い茂ってコクの腹を突き刺した。


  コクの口から大量の血を吐き出され草原が赤く染った。


「マスター!!」


「邪魔者が多いですね」

  ハクはユミンに手を向けた。


「だめだ!ユミン、お前に勝てる相手じゃない!」

 

 刺々しい枝はユミンに向かって走り出していた。


「無限の矢」

  コクは指をパチンと鳴らして手に持った大剣を弓へと変化させ、1本の矢から無数に放った。


「それを待っていたんです。コク...」

  無数の1本の矢はハクの胸に刺さり倒れん混んだ。


「待てたってどういうことだよ」

  コクは刺々しい枝に解放されハクに駆け寄った。


「あたしは死に場所を探してたんです。呪いが解けないなら死にたいと

 思っていました。もう生きてる意味なんてないですから」


「ユミン、こいつも治してくれ」

  彼女はコクの隣に駆け寄り言霊術で治癒を施していた。


「でもマスター、敵じゃ...」

 

「敵じゃない。あたしの弟だ。」

  ユミンは驚きの表情を見せながらもハクに治癒を施した。


「生きろ。それがお前の罪滅ぼしだ。洗脳が解けたんなら解けるまでここで黙って待ってろ」

  コクは力強くハクの肩を揺らした。


「ふっあなたらしいですね。あたしは貴方のお仲間を何人も殺しました。

 呪いをかけるならかけてください。慣れてますから」


「いくらでもかけてやる。呪いでもなんでも...」

  バン!!

 激しい雷鳴の音が聞こえ頭上を見上げると白魔王が屋上から見下ろしていた。


「つまらない男ね」


「護衛幕」

  コクはそう唱えると透明な幕が辺りを包み込んだ。


 *****************


 ヒルアとユージンは城中の警備を交わして屋上のドアを開けた。


「つまらない男ね」


雷糸ライト

  ヒルアがそう呟くと電流を纏った糸が白魔王に這い寄って縛り上げた。


「マスター!今のうちに逃げてこっちに来い!」

  ユージンは屋上に身を乗り出してマスター達に語りかけた。


 マスター達は頷いて城へと入っていったがハクだけが西門に佇んでいた。



「よくわかんねぇな。」

  ユージンは光の剣の鞘を抜いた。


「あなた達2人で何が出来るの。誰も私に勝てないの」

  白魔王の気迫に電流が纏った糸は切れて暗闇に包まれていた。


「これが好機だ。白魔王」

  ツバメはそう呟くとニヤリと笑っていた

 ホークアイの者達がぞろぞろと屋上に足を踏み入れて、そこにはマスター達も

居た。


「覚悟は良いか!闇を見せるな。光を紡いだせ」

  タカはそう言うとホークアイの者達が頷いてそれぞれの武器を手にした。


「結局、合流出来なかったですね。」

  そこにジスタとラブリーが現れ、マスターは微笑んでいた。


「馬鹿野郎。罠にはまやがって...」

  ジスタの背中をマスターは叩いた。


「おかげで和解できたでしょう。」

  ジスタが笑うとマスターはため息を漏らした。


「まぁな。さぁ私達は長年の宿敵と決着を着けるぞ」

 マスターは大剣を斧に変えて白魔王に投げた。



  「とうとう来たわね。偽善者の悪魔が...」

  白魔王はマスターの斧を手で受け止めて粉々に砕いた。


「化け物ね。」

  スワンが舌なめずりしながら矢を放ったが黒闇の中に手が現れ

掴んで砕かれた。


  突如として白魔王の背後から無数の黒い手が現れ魔法陣が施されていた。


  「黒い手は呪いの具現化だ。白魔王に闇がある限り、無限に再生される。

 言霊術で光を生み出してくれ...」

  マスターは腰にかけていた銃を矢に変化させた。


「随分と難しい事を言うね。」

  ヒルアは息を吐きながら考えを巡らした。


「魔法を使える人は護衛に回りましょう。白魔王には恐らく魔法は効かない。

 彼らの武器と言霊術しか突破口はありません。」

  ジスタは腰にかけていた杖を掲げた。


「それもそうだな」

  クロウは双剣を銃に変化させた。


光刃弾こうはだん

  クロウが放った銃弾は先端は鋭く光を纏っていた。打たれた黒い手から

血を吹き出していたがすぐに修復していた。


「絶望しかないでしょ。あたしに誰も勝てない。死になさい。

インフォ二ティブレード」

  白魔王の背後の黒い手から剣のような形をした放射線が無数に放たれた。


「ヒルア!ユージン!黒い手はホークアイが引き受ける。希望を繋いでくれ」

  ツバメがそう言うとヒルアとユージンは頷いて白魔王に向かっていた。


「シールドサークル!」

  ラブリーとジスタが魔法を唱え皆の頭上に透明な幕が覆われ、剣の雨から

逃れた。


  ヒルアは両手に銃を持って白魔王に向けた。


「そんな武器であたしに勝てると思ってるの?」

  白魔王の背後から巨大な黒い手が現れヒルアに忍び寄る。


「思ってない。でも希望はちゃんと持ってる。不思議と不安もないの。

みんながいるから」

  ヒルアは引き金を引いてこう呟いた。


光弾(こうだん)

  光に覆われた銃弾は放たれ強大な黒い手に掴まれ爆発して消滅させた。


  「なんでよ。あたしは白魔王よ。光になんて負けない。貴方達の希望なんて

ゴミ屑も同然...」

  白魔王の目の前に眩い光の放物線が放たれ周囲に張り巡らされた黒い手は

消滅していった。


「希望だけじゃない。信じる心もだ。全部あんたに無いものだ。

呪い、暗闇、支配、王座。そんなものにずっと縛られ続けた。

黒魔王はあんたに世界をもっと見て欲しかった。愚かな人間ばかりじゃない」


  「うるさい、綺麗事ばっかり並べてほんと吐き気がする」

 白魔王の黒い影はさらに勢いを増して広範囲に及んでいた。


光矢コウヤ

  コクは光を纏った矢を放って再び発生した黒い手に打った。

  ホークアイの者達も攻撃を与えて無数に生えた黒い手を消滅させた。



光柱ひかりばしら

  ヒルアは手を合わせて、地面に手をあてた。

 

 白魔王の周囲の四方向に光に覆われた光の柱が建てられた。


光帯こうたい

  ヒルアが発した光の帯は白魔王を縛り付けるが黒い影に燃やされ

白魔王は唱えた。

 


  「ブラックフォース」

  暗黒に包まれた放射線が放たれヒルアが呆然と立ち尽くしていた。


「こんなの護衛幕じゃ受け止められない...」


「剣よ光を生み出せ」

  ユージンが光の剣を翳した瞬間、大量の光が注がれて周囲を覆った。


「希望よ。紡げ...」

  ユージンは光の剣を振るうと光の放物線が地割れと共に放たれて

暗黒に包まれた放射線とぶつかりあり対立していた。


雷光糸ライコウイト

  ヒルアは息を荒くして言霊術を唱えて雷と光に覆われた糸を黒い影に

張り巡らした。


  黒い影は消えて暗黒に包まれた放射線は勢いを増した光の放物線に

負けて途絶えた。


  その瞬間、白魔王の呪いの根源だった黒い何かは消えて

主の命を吸い取っていく...。

  白魔王は虚ろな目で項垂れて吊るされる形で魂は煙の様に消えた。


「酷い。」

  ヒルアは口を覆って唖然としていた。


「呪いの代償だ。」

  コクは切ない表情をして何も無い空を見上げて革命の旗を屋上に建てた。


 

 次回に続く。


 



 


 


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