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僕は、君のヒーローになる。  作者: ブラックキャット
最終章 革命
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帝国決戦 前編

 

 帝国の城下町の大通りの路地裏に彼は立っていた。


「ねぇどういうつもりなの?ジスタ」

 ラブリーはジスタにそう尋ねるが彼は不気味に笑った。


「どういうつもりって自分なりに策を講じたんです。」


「そう。君は裏切り者になってジタン騎士長とは向き合えたの」


「向き合っても無駄な事は分かりました。

 あの人は何も変わらない。あの頃のままでした。」

 

「そっか。人はそう簡単に変われないよ。

 あたしに殴られる覚悟があって裏切ったんでしょ。最後までやり遂げて...」

  ラブリーは真摯な目でジスタに訴えた。


「それは勿論です。ラブリー」

  ジスタは頷いて彼女に背を向け去っていた。


「ほんと、あたしってなんなんだろう。」

  ラブリーはため息混じりにゆっくりと足取りでジスタとは違う道を歩いた。


 ***************


 白魔王は城の屋上で魔法を唱えていた。


「雷光の神よ我に味方せよ。サンダーウォール」

  地面に何度も杖を叩いてその度に上空に雷を落として彼らの飛空挺を

 墜落させた。周囲には兵士長とハクがいた。


「城の警備を強固にしなさい。帝国が負けることは有り得ないことだけど2カ国が侵攻してくることを可能性に入れないと...」


「承知致しました。白魔王様」


「白魔王様!伝令です。ブルーメンヘッド、マーシンアイランド、共に帝国側の

 敗戦です。」

 勢いよくドアが開いて兵士が息を切らしながら屋上に入ってきた。


「帝国はいつの間に弱くなったの?」


「そういう訳では...彼らが居たんです。ブルーメンヘッドは千武族3人。

 マーシンアイランドはジロン、ルビア。」


「不甲斐ないわね。劣等種に遅れをとるなんて...」

  白魔王はため息を吐きながら杖を置いた。


「白魔王様、あの映像の件ですが城の外を見てください。民の暴動が...」

 兵士の声は震え汗が滲み出ていた。


「知ってるわよ。帝国戦の退避命令が出てるのになんで逃げないのかしら。

 危機感がないのね」


「そうではありません。彼らを潰しても何も...」


「何が言いたいの?彼らは反乱分子なのよ。潰さなきゃ帝国が脅かされる。」


「もう白魔王様は...」


「黙りなさい!兵士長、あたしが上空に飛んでる飛空挺を撃ち落とすから奴らが

 城に入ってきたら徹底に殲滅しなさい。」


「はい。承知致しました!おい行くぞ。」

  兵士長は強引に兵士を連れていき王座の間を出た。


「どいつもこいつも役立たずね。」

  白魔王は杖を拾い上げて、再び呪文を口にした。

「愚か者を殲滅せよ。スカイバン」


  杖から発された魔法陣から小さな球体の放物線が現れ空を飛んでいた飛空挺の

 数機が撃ち落とされた。



 **************


 彼ら、ワールドプロジェクトが乗っていた飛空挺は白魔王野手によって

 撃ち落とされ白魔王城門前に墜落した。


「危なっ!」

  ユージンは飛空艇から降りて城の前に立っていた。


「あたしが居なかったら大怪我が済まなかったぞ」

 ユージンの背後にはマスターとユミンとヒルアが居た。


「せっかくマーシンアイランドから借りたのに...壊されちゃった」

  ユミンは項垂れて息を漏らしていた。


「仕方ないよ。あんな爆撃避けられる訳ない。」

  彼らが乗っていた飛空艇は所々壊れて、エンジンの部分が破損して墜落の原因になった。


「爆発しなくて良かったね。マスター達」

  彼らの前にラブリーが現れた。


「城の警備、相当厳しいよ。そこら中に兵士や騎士がいる」


「正面突破は厳しいそうだな」

  マスターは周囲を見渡すが騒ぎを聞きつけた民達が集まってきた。


「もう猶予はないみたいだな。マスター早く城に...」

  ユージンはマスターの肩に触れた。


「あぁ...今からあたし達はこの国に革命を起こす。ここで見ていてくれ。

何が真実か自分の目で見極めて欲しい。」


「あんたらは魔法族に虐げられたはずだ。なんで革命を掲げるんだ。」

  年老いた男がマスターに問いかけた。


「同じことをやり返せば悲しい歴史は繰り返される。この帝国に白魔王が王座に

座ってる限り、また繰り返される。それを変えるためにあたし達は戦ってる。」


「そうか。あたしは三十年前、帝国の兵士だった。白魔王は何人も千武族を殺してきた。勇者に勝ってなかった相手にあんたは勝ってるのか」


「必ず勝ってみせる。」

 マスターは真摯な目をしていた。もう彼の中で覚悟は決まっていた。


「腐敗した帝国に希望を見せてくれ」


「あぁ...信じてくれ。」

  年老いた男とマスターは握手を交わして何か紙を渡された。


 紙にそう記されていた。

「城の南門に向かえ。行く前に林道がありそこから攻撃を仕掛けることが出来る。比較的、警備は手薄だ。ジスタより。」


 マスターは驚きを隠せず振り返ったが年老いた男の姿は見えなくなっていた。



「罠だな。四方の門に向かって忍び込むぞ南門はあたし。東門はユージンとヒルア

 西門はラブリーとユミン。北門は後から来るホークアイが包囲する。」

 マスターの言葉に頷いてそれぞれの配置に向かっていた。


 **************


  上空は白魔王の魔法によって雷が落とされ飛空艇は避けながら

城の北門の林道へと向かっていた。


「何とか着いたぞ。警備は中々厳しいみたいだな。蹴散らすぞ」

  飛空艇からホークアイの皆とタカが降り立った。


「あぁ。厄介なのはハクと白魔王だ。もし対峙することになったら闇を見せるな

 付け込まれて呪いの力は強まる。」

  スズメはそう言うと皆は頷き固唾を飲んで覚悟を決めていた。


 次回に続く。

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