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僕は、君のヒーローになる。  作者: ブラックキャット
最終章 革命
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マーシンアイランド決戦 前編

 

「戦争は何を生むのでしょうか」

  マーシンアイランドはもうすぐ戦地となる

 ルビアは切なそうに空を見上げていた。


「憎しみだろ。所詮、戦争は殺し合いだ。

 誰かの大切な人を殺して殺されて憎しみが生まれる」

 ペッパー首相はルビアの横に立っていた。


「人の世は残酷ですね。あたしには理解出来ません」


「理解しなくていい。人間は愚かだ。ノワードはそれを理解して君に託した。」

  ペッパー首相はルビアの目をまっすぐ見て手に触れた。


「はい。ペッパー首相はノワード博士とは

 どういう間柄で」


「古くから友人だった。帝国に行くのには反対したがあいつは頑固者だが

 天才できっと世界を変えてくれると思ってた。」


「あたしがノワード博士の意思を継ぎます。その為に託してくれましたから」

 ルビアはペッパー首相の手を握り返した。


「親孝行な娘を持ったな。あいつは...」

 

  「博士の願いは千武族と魔法族が共存できる世界。戦争の果てに

 それはできるのでしょうか?」

 


「困難な道のりだ。だが不可能では無い限り、やってみるしかない」

 

「マーシンアイランド海域に敵襲が侵入してきました。」

 ペッパー首相の通信機に音声の伝令が届いた。


「おそらく帝国船だな。追跡ミサイルを打ってくれ。相手は大軍だ。出来るだけ

 数を減らせ」


「はい。承知致しました。」

 通信機は途絶えて遠くの方から爆発音が聞こえた。


「開戦だ!帝国に我が国を奪わせない。」

 ペッパー首相は旗を掲げた。


「いよいよだな。ルビア」

 ジロンはルビアの肩に触れた。

「はい。」

  ルビアはジロンと目を合わせて頷いた。


 ************



  「物騒だな」

  帝国船の背後にミサイルが飛び交っていつ爆破されてもおかしくない。


「ジタン騎士長!迎撃命令を...」


「いい。あたしが迎え撃つ」

 帝国船の中心部に向かってミサイルが落ちてくるがジタン騎士長の剣の一振で

 真っ二つに切られ爆風を起こして破片が散った。


「マーシンアイランドを帝国の我が物に騎士団の誇りにかけて...」

 ジタン騎士長は頭上に剣を翳した。


「おうせのままに」

 兵士達は拳を掲げ声をあげた。

 


 ***********


  「無駄だったようだな」

  ペッパー首相は望遠鏡で高台からマーシンアイランド海域を見下ろしていた。


「どうするんだ。ペッパー首相」


「闇雲にミサイルを打ってもジタン騎士長に迎撃されるだけだ。

直接やるしかない。」


「勝機はあるのかよ」

「あるかどうか決めるのは自分だ。」

 ペッパー首相は手に持っていたボタンを押していた。


 マーシンアイランド海岸に帝国兵達が足を踏み入れた瞬間、魔法陣が現れ中から毒の液体が放出された。帝国の兵士の身体中が毒に蝕まわれる。


「今の隙に帝国兵に矢を打って」

 ペッパー首相は高台周辺にいた弓軍に命令を下した。


「キューブオーブ!!」

  ジタン騎士長は剣を翳して魔法を唱えた。

  帝国兵達の周辺に透明な壁が現れ飛び交う矢を防いだ。


「容赦がないな。ペッパー首相。私は戦争に来たんじゃない。国を渡せと

言ってるんだ。大人しく屈せば何もしない」

  ジタン騎士長は高台にいるペッパー首相を見上げていた。


「そんな武器積んで戦争を仕掛けておいて笑わせるな。屈して国を渡したとしても

 帝国はあたしと原住民を殺すだろ。反乱分子になるからだ。」


「よくわかってるじゃないか。早く投降すれば楽に殺してやるとでも言えば

よかったか」


「ペッパー首相、ジタン騎士長に何言っても無駄だ。」

 

 

「そんなの分かってる。お前が心酔してる白魔王は偽りの姿かもしれない。

化けの皮がもうすぐ剥がれる」


「白魔王様が歩んできた道には死体が積み重ねられているが白魔王様に逆らった

愚か者の集まりだ。貴様もその一部になるだろう。」

  ジタン騎士長は剣を翳した。


「魔砲撃開始!徹底的に殲滅せよ」

  頭上から魔法陣が現れ砲撃が放たれる。


「結界を張り巡らせろ!ジロン、ルビア、ジタン騎士長をやってくれ」

  周辺にいた魔法兵士が杖を叩いて結界を展開した。


「あぁ。言われなくてもやるつもりだ。ルビア、行くぞ」


「はい。ジロン。」


「ペッパー首相、あたしの武器の全てを使ってでも博士の故郷を守ります。」

  ペッパー首相に真剣な眼差しでそう言った。


「あぁ。頼んだルビア。」

 ペッパー首相はコクンと頷いてそっぽ向いた。


「もうそろそろか...」


 空を見上げると映像が浮かび上がった。、白魔王が黒魔王を操って民を殺させ

千武族を虐殺して王座に座る姿を...。


 帝国兵士一同はどよめいて杖を握る手が震える。


「ジタン騎士長!帝国に正義はあるんですか?

 この島国を侵略して、虐殺してなんの意味があるんですか?」

  帝国兵士の1人が声を震わせ肩を掴んだ。


「今更なんでそんなことを聞くんだ。貴様らはただの駒に過ぎない。

白魔王のご命令に意見するなど処刑ものだ。」


「そういう訳ではありません。この戦いに意味を

 ...」


「戦争に意味なんがない。ただの殺し合いだ。迷ってるのなら泳いでも逃げろ。」

  ペッパー首相は指をパチンと鳴らした。



 ルビアは高台から降りて腕のバーズカーから何本ものの小さなナイフが放たれ、防ぎ遅れた一部の帝国兵は複数箇所刺され倒れていた。


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

  ルビアが地面に降り立つと帝国兵士に剣を向けられた。


「殺される覚悟は出来ているんですか?帝国兵士さん達。あたしは博士を殺した

 帝国が嫌いです。また虐殺するつもりですかジタン騎士長」

  ルビアは帝国兵士の剣を掴んで真っ二つに折った。


「そうだ。大人しく殺されてくれ」

  ジタン騎士長はルビアの首を掴んだ。


「サンダースパイダー!!」

  ジロンは杖を叩いた。電流を纏った蜘蛛の巣が張り巡らせ、ジタン騎士長に

まとわりついた。


「ジタン騎士長、やり合おうぜ」

 



 次回につづく。










大変、お待たせしました!2話同時投稿になります。

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