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僕は、君のヒーローになる。  作者: ブラックキャット
最終章 革命
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テゼルト決戦 (前編)

  マオは触手に首を絞められ、息が止まりそうになる。


「君は誰なの?」

  声が途絶えそうになりながらも問いた。


「帝国騎士団、エル。」

  エルに向けられた目は酷く冷たく感じた。


「君は自覚あるのかな?君がしたことは

 革命じゃなくてただの殺人だ。それなのに正義の英雄みたいに...」


  マオは触手に首を強く締められ言葉が出なくなった。


「マオ君はそんなのじゃないよ。炎円砲!!」


  スワンが放った銃弾は炎の円を描いて何方向にも飛び交った。

  触手は切り裂かれ、強く締められた首は解放されマオは地へと落ちていく...。


「マオ、大丈夫か?」

  クロウがマオを拾い上げ受け止めた。


  「坊ちゃん!!大丈夫ですか?」

  セバスチャンはマオに駆け寄り、心配そうに見つめていた。


「うん、ありがとう。大丈夫だよ」

  マオは頷くとクロウとセバスチャンは安堵の表情を見せた。


  「貴方達は理解してない。あたし達にした事を」


「家族や仲間を殺されたんでしょ。それくらい知ってるよ。

 早く出ていかなった君達も悪いでしょ。それなのに被害者面してるの?」

  エルの切り裂かれた触手は再生されスワンに向けられる。


「あなた達の勝手な野望に振り回されて故郷を捨てたら良かったの?」


「そうだよ。革命なのなんだのってやってる事ただの殺人でしょ。

 こんなに人殺して...」


  マオはふと周囲を見渡すと帝国騎士団の数人は倒れ

 血だらけになっていた。


  「もっと酷い事をしてるのは君達でしょ。突然、人の家に土足で上がり込んで

 人を殺して燃やして被害者面してるのはどっちなの」

  スズメはエルを指さした。


「僕は被害者面なんかしてないよ。身の程も知らない君達にムカついてるだけ。」

  エルの触手は何方向にも分かれてホークアイの者達に鋭く向けられる。


「白魔王様の野望を邪魔されて気に食わないの?」

  マオにそう聞かれるとエルは不気味に笑った。


「はははっ!!そうだよ。今更、真実の歴史を聞かされたとしても

 僕は変わらないよ。白魔王様に忠誠を誓うよ!心からね」

  エルの触手はさらに何方向にも広がって毒々しい色をしていた。

  それは切っても再生され広がりを増していく...。


「君達の希望の革命を潰してやるよ。僕の手で...」

 


 ******************


  ブルーメンヘッドは帝国との戦闘に向けて厳戒態勢が取られ首脳官邸の会議室に集まっていた。


「集まってくれてありがとう。あたしの為ではなく国の為に己の家族を守る為に

 戦ってくれ」

  ロンディ首相の前にブルーメンヘッドの軍は跪いた。


「はい!国の為に家族の為にこの身を尽くします。」


「この軍の指揮はあたしが取らせてもらうホークアイのタカだ。

 初めて見る顔ばっかりだが誰一人としてかけないようにあたしが先陣を斬る」

  タカは頭を下げると拍手が湧き上がった。


「ブルーメンヘッドの元将軍ですよね。皆が知ってますよ」

  軍の男達の目は眩しく光を放っていた。


「そうか。覚えていてくれたのだな。」

  タカは微笑みながら頷いた。


「ここにあたし達はいるのかしら」

  パトラはロンディ首相の肩を突っついた。


「勿論いるさ。君達はブルーメンヘッドを救ってくれた英雄だ。」


「そうだよな。ヘタレ首相とは思えない状況だよな」

  ケンはロンディ首相とパトラの間に横入った。


「あぁ...あたしも想像してなかったよ。帝国と戦うことを選んだ事を...」


  「お前も成長したのじゃよ。ワシも皆を失望させないように変わった証じゃ...」

  フェルトは優しくロンディ首相の肩を叩いた。


「そうだな、フェルト」

  ロンディ首相は頷いた。


「ロンディ首相!帝国がブルーメンヘッド上空から現れました。」

 ブルーメンヘッド軍の1人が会議室に入ってきた。


「あぁ...予想通りだな。行くぞ皆!」

  ロンディ首相は皆を引き連れて戦場に向かった。


  *******************


  「本当に真実を見せても失望しないの?」

  目の前にいるエルにマオは尋ねた。


「しないに決まってるよ。皆が白魔王様の事を信じてる。

 愚か者なお前らの事なんか...」

  エルが放っている触手がうごめいて花のように口が開いた。


あかつきひかり

  スズメの手から光が反射され、周囲を包み込んだ。


「眩しいんだけど...」

  エルの目が眩んで触手の口は閉じた。


「今のうちにマオくん!真実を世界に見せて」

  スズメがそう言うとマオは頷いた。


「具現化魔法、この世界の真実」

  マオは目を閉じて、世界を呼び起こしてある映像を浮かべさせた。


 

  ***************

  帝国の城に響く足音は恐ろしく早いものだった。


  「これはどういうことなの?ジスタ」

  白魔王は窓を指さして目の前の青年に問いただした。


「さぁね。作戦を変えたのでしょう。僕は裏切り者だからそんな細かい所まで

 知りませんよ。」

  ジスタは首を横に振った。


「知らないとか知ってるとかの問題ではないのよ。あの少年が知ってた

 真実をなんで見逃したの?」

 

  「白魔王様に都合が悪い事実でもあるんですか?それとも国民の洗脳が

 解けるのが怖いとか...」

  ジスタは挑発的な声を発した。


「殺されたいの?あたしは洗脳も都合が悪いこともしてないわよ。

 早くあの少年を殺しに...」

  白魔王はジスタに背を向けて歩き出した。


  「白魔王様、帝国上空に敵襲が」

  ハクは白魔王に駆け寄り、跪いた。


「敵襲って、うちの軍がいくつのも敵国と相手にしてるのよ。なんで...」


  「ヒルア•ダルク率いるギルド ワールドプロジェクトが

 こちらに来ています」


「はぁ...虫けら共を蹴散らすわよ」

 白魔王は激しく苛立った様子で城を後にした。


「時が来ましたね。皆」

 ジスタは意味深に笑い、」白魔王の後に付いて行った。


 次回に続く








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