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僕は、君のヒーローになる。  作者: ブラックキャット
マシーンアイランド編
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マシーンアイランド編 終幕(前編)

  「ジスタ、どこか行くの?」

  彼は何気なく彼女を横切った。


「ラブリーですか。ちょっと遠くに...」

  彼は微笑むとすぐにドアに手をかけた。


「行き先位言ったら?」

  ラブリーはジスタの服の袖を掴んだ。


「心配しなくてもどこに行きませんよ。」

  彼はラブリーが服の袖を掴む手を掴んだ。


「だったらなんで行き先言わないの?皆と一緒に革命を起こそうって...」

 

  「その革命の為に何人死んできましたか?

 村長から話を聞きましたよね。俺と何年も一緒にいるなら分かりますよね」

  ジスタはラブリーの袖を掴む手を振りほどこうとしたが握る手は強く

 それは叶わなかった。


「分かるから引き止めてるの!こっちに勝機がなくても戦うことに意味が

 あるの。」


「俺は貴方にも仲間にも犠牲になって欲しくないんです」

  彼が身につけた指輪が光出して足元に魔法陣が現れた。


「ジスタ、あたし達は強いよ。分かってるでしょ」

 

  「はい勿論です。」

  彼は微笑んで指をパチリと鳴らした。

  周辺に光が溢れて目を瞑るとそこに彼は居なかった。

 

  息が詰まる。引き止められなかった自分に吐き気がする。

 ラブリーは涙を流さずただ立ち尽くしていた。




  ******************

  地下室は薄暗く静かに過ごしたい彼女にとっては最適だった。

 彼は今頃何をしてるんだろう...。

 そう考えたって意味ないのに...。


  「ラブリーどうしたの?マスターが来てるわよ」

  地下室の階段から足音が聞こえ振り返った。


「わかった行くよ」


  「無理して行かなくていいわよ。マスターには話しておいたから...」

  パトラはラブリーが座っているソファーにそっと座った。


  「ありがとう。パトラ、ジスタから何も聞いてなかった?」


  「あたしは貴方と違ってジスタと仲良くないのよ」

 

  「それもそうだね。変な事聞いてごめん」

  ラブリーはちょっと苦しそうに笑っていた。


「できるだけらしくいましょう。彼が去ったことを悔しがるように」

  パトラはラブリーの手を優しく握った。


「うん、そうだね」

  ラブリーは精一杯、微笑んで握り返した。


 ******************

 そこには華やか匂いが漂って眩しい位の照明に目眩がした。


  「ジスタ、あなたどういうつもりなの?」

  白魔王はテゼルトの王座の間の椅子に佇んでいた。


  「帝国出身である僕が白魔王様に忠誠を誓ってはダメですか?」

 ジスタはただ跪いていた。


「どういう風の吹き回しと聞いてるの。貴方は簡単に落ちないでしょ」


  「白魔王にとったらおかしいですよね」

  ジスタは冗談ぽっく笑うと白魔王は眉間に皺を寄せた。


「貴方が仲間を裏切るなんておかしくて仕方ないわよ。

 聞いたわ。彼らはここテゼルトに攻めてこんで来るんでしょう」

 白魔王は口を押さながら笑い声がこぼれていた。


  「はいそうですね。」

  ジスタは白魔王に微笑み返した。


「その前にマシーンアイランド共々叩き潰しましょう。最後にブルーメンヘッドを

 残しておいた方がいいかしら」

  白魔王はワインを口に運んだ。


「その方がいいかもしれませんね。ブルーメンヘッドはよく燃えそうですから...」


  「そう?貴方はロンディ首相とも仲間だったんでしょ。随分と生意気な人に

 なったわよね。この私に戦いを挑むなんて...」

 

  「中身はヘタレ首相のままですよ。ふたつの国がかかってきてもあちらには

 勝機がありません。白魔王様はご安心した座ってくださいませ...」

  ジスタは深々と跪いていた。


  「随分と自信があるようじゃない。ワールドプロジェクトの策士様、

頼りにしてるわよ」

 

  「はい。おうせのままに」

  ジスタは立ち上がり、頭を下げて去っていた。


  「信じていいんですか?あの男を...」

  ハクは白魔王の横に立っていた。


「さぁ...面白いじゃない。あんな信念深い男が仲間を裏切るなんて...」


「いつこちらが裏切るなんて分かりませんよ」

 

  「例え虫けら1人に裏切られても動じないわよ。こっちの勝ち戦には

 変わらないわよ。ハク、マシーンアイランドに手配してくれる?」


  「はい。分かりました。」

  ハクは白魔王に会釈をした。


 ********************

  「ジスタは上手くやっているかしら」

  パトラは自室に閉じこもって武器の整備をしていた。


  「パトラには話しておきますが何も皆に言わないでくださいね。」

 と微笑むジスタの顔が思い浮かんだ。


  「マシーンアイランドに彼らを連れていくので迎えてやってください。

外壁から攻め込んであの城を崩しにいきましょう。」

 

  「なんでそんな話あたしにするのよ。わざわざあたし達を裏切るフリなんか

しなくても、策士ならやってくれるでしょ」


「パトラが1番適任なんですよ。絶対に俺の事止めないでしょ。」


「うん、引き止めないわ。貴方のことよく知らないから...」


「そうですね。パトラ、思い存分戦ってくださいね。じゃあ

 ...」ジスタはパトラに手を振った。


「ジスタならあの帝国で策士をやるなら思い存分、惑わしてくれるでしょ。

信じてるよ」


  「はい。俺も信じてますよパトラ」

  ジスタは微笑むと去っていた。


  絶対に後悔させてやりましょう。

  マシーンアイランドに来たことを悔やむ位にあたし達が叩き潰してやる...。


 次回に続く。



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