ノーお兄ちゃんノーライフ 後編
第2回戦は七並べです。
さっきはお兄ちゃんがカードを配ったので、次は私が配る番です。先程はまさかの最下位になってしまいましたからね。今回は絶対に勝ってやるです。その為に「切り札」とも言える「仕掛けトランプ」を持ってきたんですからね。
「さぁ、配り終えました。」
このトランプには後ろから、マークと数字がわかるようになっています。7が来たらその場に出せるので、私の手札に7を3枚入れておきます。手札からいきなり3枚減らせるのと減らせないのとでは今後の戦いを大きく左右しますからね。4枚全部だと怪しまれますから3枚くらいがちょうどいいってものです。
不自然にならないようにトランプの裏側を見て、数字の7だけチェックして配っていきます。
「さぁ、取って下さい。」
「うーむ……」
「ふーん……」
「わぁ……」
それぞれが戦略を練っていますね。何を出すべきか。何を取っておくべきか。
こっからはガチの戦いですが、この策略だけで勝てるほど相手は甘くありません。もう1つ秘策があるのですよ。それは、私の視力は2.0だということです!相手のカードの裏側から何のカードを持っているかを把握します。もちろん全てのカードは見ることは出来ませんが、数枚は見ることが出来るでしょう。
少しでも把握しているのといないのとでは大違い!これで100%勝てるわけではありませんが、これが私の勝利への方程式なのですよ。ふふふ皆さん覚悟して下さい!これが私の生き様ってやつです!!!
………………
…………
……
「くっ……負けました。」
両手を床に着き完全敗北を認めました。
なんということでしょう。私の手札にするつもりだったカードの束は【超幸運引寄体質的の匠】アキによってアキ自身の手札に早変わり。私の手札には7が1枚も入りませんでした。
そして、もう1つの切り札である相手の手札を見る行為は、良い感じに【光と空間のアナリスト】太陽光が入ってきたせいで眩しくて全然手札が見えませんでした。
「あんなに自信満々だったのに……ビフォーとアフターで変わりすぎだろ。」
「返す言葉もございませんです……」
もうどうしたら勝てるんですか、いやまだトランプゲームはいっぱいあります。絶対に次は勝ってやるです!
「じゃあ次はこれやりましょう!!」
そうして、3回戦は大富豪、4回戦はセブンブリッジと
トランプゲームをあらかたやり終え
その全てにおいて完敗を喫しってしまいました。いや、正確に言えば、お兄ちゃんが最下位で私が3位の時があったんですがなんかお兄ちゃん久しぶりの女の子にテンション上がってるんだかカッコつけてる感じしてましたねぇ~
日も落ちてきて
「じゃあそろそろ私達は帰るね」
とアキとミキは帰っていきました。新キャラ登場したっていうのに彼女達の素顔全然明らかになってないどころか、結構空気でしたね。基本的に私の一人称スタイルで物事が進んでいくというのが災いしてるんでしょうね。
まぁ、またそのうち登場するでしょう。ネタに困ったら新キャラ登場させるのはもはやこの業界では常識ですからね。
でも急に作ったキャラだからイメージ固まってなかったり強すぎたりして結局すぐ海外に飛ばされたり、死んだり、挙げ句の果てにはいなかったことにされちゃうんですよね。アキとミキはそうならないことを祈りましょう。
「ねぇ、お兄ちゃん?」
「ん、どうした」
今日は私も少し疲れました。早めに寝て明日に備えましょう。
「また遊ぼうね、お兄ちゃん♪」