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ヒッピーヘロウィン トリップ オアトリート

作者: 都築優

インドではこの時期の多分収穫祭をディワーリと言うらしい。あの下らない仮面を付けたりなんかしない。ただひたすら無心に花火を打ち上げ爆竹を鳴らす。道路の真ん中に長い御線香を持った子供が導火線に火を付けて逃げて行く。爆撃か大砲でも撃ったみたいなきっとヒグマでも尻尾を巻いて逃げていくくらい大きな音がする。ヒゲのおっさんもにこにこ笑いながら膨大な爆竹、1分くらい平気で鳴り止まない奴を放り投げている。打ち上げ花火もそこら中で上がっている。宿の日本人に聞くと風情がないとの事。時間差で一玉か二玉、暗闇にひゅるひゅると昇っていって花がひらいて少しの後に音がする、それが秋祭りってものでしょう。ラクシュミーを祭る騒ぎだそうで、美とか豊穣を象徴する神なのでやはり秋の収穫を祝ってする奴に違いない。ただ宗教の数も神様の数も大量なインドでは一週間ごとに何かフェスティバルをやっていて普通の何もない日が逆に少ないくらいだ。商店もレストランもすぐに休むししばらくやっていないと思っていたら潰れていたりする。そんな国じゃ何か祭って騒いで喧しくしていた方がきっといいのだ。インドには毒々しい色の仮装もリスニング力も銃社会に殺された日本人も届いてないしお菓子会社の陰謀もきっと浸透しない。いくら毛唐の祭りでもこれだけは日本にそぐわないと思っていたのにUSJとかの所為だろうか最近では侵蝕が烈しい。お月見泥棒といって、中秋の名月にススキを飾り、供えたお団子やお菓子を盗みに来た子供に振る舞うという伝統があったあれはもう廃れたのだろうか。絶対何か割れてる音がしている、遠くで烈しく鳴り止まない花火を聞きながら昔の旅人は戻らない思い出の日々を懐かしむ。それがアナクロニズムでも懐古趣味でも別に構わない気がした。

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