悪の組織の名前と名前
一人目を助けてから、まだ誰とも会ってない。
と、行っても、何処に行けばいいのか分からずずっとこの町を歩き回ってるからだ。
・・・このまま何もしないなら、意味が無いな。
そう思い、町を出た。
とりあえず道なりに歩く。
空が黒いのは、曇ってるから?
夜だから?
それとも、悪の組織とやらが何かしてるのか?
分からない。
けど、この空も青く出来るかな。
・・・次に誰か見つけたら、聞いてみようか。
そんな考え事をしながら歩いてたら、前に誰かいた。
4人・・・全員真っ黒い服。
そのうちの一人が振り向いた。
「おっと、珍しく獲物を発見したぞ・・・!」
「つかさぁ、町に偵察に行ったヤツ等、何で倒れてたんだろうな」
「知らねぇよ、そんなの」
「どうせアイツ等弱い軍団だろ?ならどうでもいい」
「そんなことより、今はアイツだ」
「オイ、お前誰だ?ここで何してる?」
「俺は牙龍」
「牙龍・・・聞いたことねぇなぁ」
「まぁ、いい。お前も家畜になれっ!!!!」
頭悪いのかなぁ。
目の前に飛び出してくるんだしなぁ・・・。
そんなに勢いよく来たら
「ちょっと避けて足引っ掛けただけで、派手にスッ転んじゃうよ?」
案の定、一人勢いよくコケた。
他の3人が驚いた表情で俺を見る。
が、すぐに一人が叫んだ。
「バカが!!敵の前から襲うヤツが何処にいる!?こういうのはなぁ・・・」
ソイツが何か玉を地面に向かって投げた。
かと思うと、煙が辺り一面に広がった。
煙玉――――・・・。
けど、その煙はすぐに消えた。
・・・消えたのは、煙だけじゃない。
2人に、減ってる。
ヤツが居ない。
「こぉやって、後ろからやんだ!!!」
後ろから声がした。
と、同時に背中を思いっきり蹴られた。
痛みはあまり無いが、突然の事だったし力は強いし、勢いはあるしで
俺は前に少し吹っ飛んで地面に倒れた。
「オイオイ、背中を敵に向けるなよ・・・」
上から声がして、誰かに踏まれる。
たぶん、蹴ったのとは違うヤツ。
「あ、オイ!今ソイツは俺と戦ってるんだ!!」
「黙れよ。戦ってるとかどうでもいい。早いとこ飼い慣らせ・・・。
それに、コイツは多少知恵がある。お前一人では無理がある・・・」
「な・・・うっせぇ!!
お前ぁいっつも上から物を言いやがって!」
「お前よりも強いからな・・・」
「あぁ!?」
何だコイツ等・・・。
突然仲間同士で喧嘩し出したぞ・・・?
それに、俺の上にいるヤツも油断してる・・・。
今なら、隙だらけだっ!!
俺は身体を思いっきり捻って身体の向きを変えた。
上にいたやつはバランスを崩して尻もちをつく。
もちろんその隙を逃さずに俺はソイツを思いっきり蹴り飛ばす。
「ぐ・・・っ!!」
と小さい声をあげて、ソイツはしばらく宙に浮き、地面に堕ちてグッタリする。
・・・ちょっと強く蹴りすぎたかな?
「あぁ!?・・・ほれ見ろ!俺より弱いから負けるんだ!!!」
コイツと喧嘩してたヤツが興奮気味に向かってくる。
「さっき自分で言った言葉を忘れたのかな・・・」
敵に、真正面から行くと
「やられるぞっ!!!!」
ソイツが低姿勢で走って来たのはバカだったな。
思いっきり顔面をける。
メキョっという音と共に、ソイツの顔面が少し凹む。
そのまま吹っ飛んだ。
「残り、1人・・・!!」
残りの1人はおびえた顔で座り込んでいた。
「ま・・・待ってくれ・・・殺さないでくれ!!」
コイツが使える・・・。
「じゃあお前等のことを教えろ」
「わ・・・分かったよ!何を教えればいい!?」
「まず、お前の名前は?」
「名前なんて無い・・・番号だ!!48番・・・!!」
「番号?」
「あぁ、特に順番に意味はない・・・カブってるのもある・・・!」
「・・・そうか。お前らの組織の名前は?」
「乱影団だ・・・!!」
「そうか・・・」
今はコレ以上聞くことはないな・・・。
「分かった、ありがとう。殺しはしないよ」
「ありがとう・・・!!!」
そういい、48番は立ち上がって走って行った。
しかし、しばらくして振り返った。
「顔は覚えた、牙龍!!お前の事はボスに話しとくよ!!!」
と叫び、カメラらしきもので俺の写真を撮って行った。
・・・やっぱ倒しておくべきだったかなぁ。
まぁ、いいや。
色々分かったし・・・。