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プロローグ



⸻時は、2030年、日本。


大厄災《逢魔時(おうまがとき)》によって生まれ落ちた、

呪いの都――《千年京(せんねんきょう)》。


魔に堕ちた神々、仏、妖怪、霊たちが

異形となって人を喰らう。


現代最後の、魔境。




⸻赤い閃光が、闇を裂いた。


黒衣を纏い、(おきな)の能面で素顔を隠した青年が、

月の兎のように漆黒の夜を跳躍する。


手には――

赤い華の如き業火を纏った日本刀。



その鏡めいた刀身が、

巨大な()()


真っ二つに、斬った。



二つに裂けた黒い胴体。

その真ん中――


青年は、一瞬、

時が止まったように静止する。



背後には、妖艶に輝く

冥桜イロハザクラの巨木。


光る花弁が夜空を舞い、

黒と紅の世界を幽玄に染め上げる。


降り注ぐ黒い血飛沫と、

桜の花弁。



能面の紐が緩み、

面が⸻


カラン、と落ちた。



露わになった瞳。



熱く、冷たく、

目の前の全てを焼き払わんとするような、


消せない哀しみと業を宿し、

どこか幼げな、



赤い瞳が、


こちらを、見つめていた。



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