レビューにおけるネタバレの扱いについて
レビューにおけるネタバレの扱いは本当に難しい問題だと思います。
個人的にはその作品が既読でも未読でもネタバレの有無を大して気にしませんが、気になっちゃう人はどうしてもいるでしょうしせめてネタバレの有無をレビュータイトル等に表示出来るような機能があれば良いのにとは思ってしまいます。
そんな訳で今回は個人的なネタバレ基準について書いていこうと思います。
まずどこからがネタバレの範疇になるかですが、個人的には
「タイトルに書いてある情報」
「あらすじ&紹介文の情報」
「小説タグに設定されているキーワード」
「その他多くの作品で共通設定として採用されていそうな情報|(異世界作品で冒険者ギルドがある、現代の作品で舞台がど都会か田舎か等)」
あたりは問題無いと思います。
なので逆に上記以外の情報はネタバレになる「かもしれない」という認識で扱った方が無難だと思います。
例えば
『可愛い幼馴染を助けるため何でも出せる万能召喚術で魔王を倒します(※存在しない作品です)』
というタイトルの作品があったとして、
「万能召喚術が本当に万能で強い」
「力は無いけど芯の強い幼馴染がめっちゃ可愛い」
「敵である魔王軍の面々も個性的で良い」
等々、タイトルやあらすじなど読む以前に提示されていた情報について、実際に読んでみてどう思ったか? どう感じたか? といったことを書くとネタバレにならない書き方として無難だと思います。
ですが仮に、
「万能召喚術は本当は召喚ではなく創り出す能力だった」
「実は幼馴染が魔王を倒すべき勇者だった」
「協力者の〇〇は実は魔王軍の一員だった」
みたいな文章を書いた場合完全にネタバレになってしまうと思います(※存在しない作品のネタバレです)。
とはいえ(上記は極端な例でしたが)作品に新たな層を引き込むにはネタバレ……とまでは行かずとも、何かしら興味を持ってもらえるような表現を心掛ける必要があるとも思うのですよね。
そういった意味では、例えば
「万能召喚術に秘められた謎が予想外のものだった」
「幼馴染の思わぬ活躍に驚かされた」
「敵味方入り混じって繰り広げられる人間模様が凄い」
等々、何かあると感じさせつつも核心には触れないような書き方をすると、興味を持たせつつネタバレを気にする人への配慮も出来て三方良しな感じになるのではないかと思います。
このちょっとネタバレを匂わせる的な手法、自分も度々用いるのですがこれはレビューにおける劇薬のようなものなので分量配分にはいつも気を使います。
しかも料理の隠し味のように味でその匙加減の正否を知ることもできないので、完成品を見返したところでネタバレ分量が適切だったかどうかも分からないという。
分からん……ネタバレのことが何も……。
まあネタバレの線引き自体が人によって大きく異なりますし、人によってネタバレをどこまで許容できるかの範囲も違いますからね。
ネタバレの判断において「これはダメだろう」と断言出来ることがあったとしても、「これは良いだろう」と断言できることはあまり無いと思います。
なのでレビューにおけるネタバレの判定は、その都度作品によってこれは大丈夫か? これはちょっと止めておいた方がいいか? 等と慎重にラインを判断し続けるくらいしか対処のしようが無いんだろうなあと思っています。
なのでレビューを書こうと思っている方は、まず自分がネタバレ有り派か無し派かを考えた上で、上記のような部分に配慮しつつ本文を考えてみると良いかもしれません。