料理が苦痛なあなたへ料理上手じゃなくっても、料理が評価される技術
本屋の書架を眺めていた。
「映える」イラストを探すためで……なんのことはない、自分自身のイラストの描写力を底上げしたい欲求がそうさせていた。
ふと目にとめたタイトルがあった。
「料理なんて、愛なんて」という小説だった。帯に印字された“「料理は愛情」なんて大嫌い“というフレーズに、心がズキッとした。
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小説そのものは、しっかりとは読んではいない。
実のところ、堀田自身は、そのヒロインの女性の立場や心境には、寄り添おうにも共感するは難しいところがあるのだ。
どちらかといえば、「料理は愛情」と言ってしまいがちかもしれない。
自分が何気なく書き込む言葉が、誰かのコンプレックスを刺激したり傷付けていたりするなら、
せめてその気持ちくらいは、ちゃんと知っておきたいと思った。
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そこで、堀田が「ん?」とそもそも疑問に感じたのは、小説のストーリーのスジについてではなく、ヒロインが「料理への苦手意識」や「コンプレックス」をこじらせるきっかけになった出来事と、それについての本人の考察の部分である。
小説の批判ではない。
ただ、堀田は、「料理上手かどうかとは、まったく関係ない」けれど、
「ものすごく大事なポイント」、そのステップをヒロインはキチッとふまえて実行していたのか(少なくとも描写にはいっさいなかったと思う)
が気になった。
もうひとついうと、ヒロインである彼女の視点が、どうも、
これはかなりジェンダーに触れる発言になってしまうが(こういうことは、もう、不用意に言わないほうが無難だ。時代的に。)それでも、あえて書くなら
「苦手意識と、ジェンダーを意識しすぎた女性的すぎ」で、
「男性一般にいえる傾向(個人差はあるとは思う)」を、ぜんぜん把握してないよな……
ということだった。
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具体的に書こう。彼女のトラウマになっているのは以下のようなことらしかった。
ヒロインは付き合って間もない彼氏に、得意料理を尋ねられ、「唯一ひとさまに出せるようなものはカレーかも」と答えた。それに「そういうのも、いいね」と答えた彼氏。
その彼氏にヒロインは、市販のルーでポークカレーを作った。
だが、彼氏の期待はずれだったらしく、それが原因で「思っていたのとちがう。君は悪くない」と言われつつフラれた。と。
その件についてヒロインは、「スパイスから作るようなカレーを期待されていたのだろうか」と考察していたーーーというシーンが冒頭にあったのだ。
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読んでくださっている皆さまは、この彼女の考察についてどう思われるだろうか。
彼氏は本当に、スパイスから作るようなカレーを期待していたのに、そうでなかったので、そこが期待はずれで彼女にガッカリしたのだろうか。
★★★皆さまはどうか。
男性陣なら、よければ自分に当てはめて考えてくださると幸いだ。
スパイスから作るようなカレーを期待するか?
もっと突っ込んで聞こう。
スパイスから作られたカレーライスで、市販のルーで作るより遥かにおいしいと思えるカレーを、
家庭料理(恋人が作るを含む)で食べた経験はあるか。
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ネットにしばしば見られる「嘆き」をググったことがあるので、その意見のままいおう。
堀田の個人的意見じゃないからね(|| ゜Д゜)?
料理の腕に自信のある女性陣は、どうか怒らないでくださいね?
「何を目指しているのか分からないけど、スパイスに個って作る彼女ーー普通にルーで作ってくれと思う(けど言えない)」
そういう意見が多いようだ(-_-;)。
そして、たぶんそれは、その彼氏の味覚がだめなのではなく、普通の感覚だ(ごめんなさい!そんなことない、私が本格的に作る方がおいしいと自信があるかたはステキです、どうか貫いてください。あくまでも一般論)。
堀田が数年前に終了したNHKの“ガッテン!”で見た内容の受け売りになるが、
市販のカレールーというものは、企業が何十年もかけて、消費者の嗜好を調査し、そのニーズに合うようにものすごい試行錯誤を繰り返し味に改良を重ね微調整を続けてきた結果であるらしい。
もちろん、メーカーによって味の傾向はけっこうちがう。
バーモントカレー、こくまろ、などはかなり甘めだ。
そういうことはあるけれど、基本的には、
そのまま作れば
味ではほとんど「及第点」は出るだろうと思う。
小説のヒロインが、「水分が多すぎて若干味が薄まりすぎたカレー」を出していない限り、おそらく、「期待はずれだった」のは「カレーそのもの」ではない。
(※カレーは、よっぽど薄くない限り薄めでも「これはコレでアリかな」程度の味になるので注意が必要だ。特に料理の腕に不安があるかたは、
カレーの箱に書いている分量をできるだけ忠実に守って作ろう……。少なくとも恋人にはじめて作るような場合だけは。
ファーストインプレッションは、大事!)と、キメよう。
分量を計って作ることそのものは、技術じゃない。その気になれば誰にでもできることのはずだ。
苦手ならそこで手堅くポイントをゲットするのだ(笑)
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話題をもとに戻そう。堀田がすごく疑問に思ったのは、いつものようにポークカレーを作ったサラッと書いたいた部分だ。
あっさり結論から言おう。
1つ目。作るんだったら、まず、相手の好みを事前にできるだけリサーチして、できるだけそれに沿って作る努力はしようね!?ということ。
自分の普段通りじゃなくて、相手にとって食べたいと思えるものはなんなのか、そこに関心を持つことができるかどうか、それは、料理の腕以前の問題じゃないだろうか。
なぜ、豚と決めるのか。
確かに、CoCo壱はポークだけどさ。
堀田はどっちかと言えば牛派だ。
コスパ重視で、肉をたくさん入れたいなら、
牛と豚、両方を使う。鶏?
チキンカレーを作るときもある。嫌いじゃないけど、一番好きな味はビーフカレー。
肉そのものの問題というより、どの肉で作るかでルーの味わいはかなり変わってくるから。
なお、インドカレー(インドのヒンズー教では宗教的に牛は食べない)なら、堀田が一番好きなのはバターチキンでもシュリンプ(恵比寿)でもなく「マトン(羊肉」」だ。
理由は、鶏とかエビより、ズシッと重みのある、ちょっと牛に近いうまみがあって堀田はそれが好きだから。
ともかくーー。
相手の好みは把握する!これは、料理に自信があっても必須だと思うし、自信がないならなおさら。
カレーライスといえど確認することはたくさんあるはずだ。
これは、「普段使うのでいいよ」と言われた場合でも無意味ではないと思う。し、
こう聞けばいい。
「せっかく作るなら、◯◯君においしいと思ってもらえるものをできれば作りたいし、だから、どんなの好きか教えてほしいな!ご飯のかたさのこのみとか、付け合わせは、らっきょうか福神漬けかとかそういう、どんな小さなことでもいいからさ!」
と、直球ストレート。
そうやって、あなたに喜んでもらいたいんだ、という気持ちを全面に出したら
意外と、(うーんいまいち)と思われたとしても、
(まぁでも、一生懸命自分のこと考えてくれてはいるんだよな)と、プラスよりの評価をしてもらえることもあるとは思うんですよね。
人間だから。
まぁ、そういう部分はやったのかな?ということが一点。もうひとつは……
「カレー作るといって、出したものがカレーライスだけ ってことはないよね(-_-;)?」
ということだ。
ここは小説作中で、全く触れられていなかったから。
相手が偏食家で、野菜ほとんど食べられないと自己申告していた場合は別だ。
でも。少なくとも相手と将来を考える人なら、
「えっ 野菜とかスープとかないの?」と思うのではないか。堀田は思う(|| ゜Д゜)
外食でカレーセットについてくるようなレベルでもいい。苦手なら、もう、市販のレタスと刻み野菜(スーパーはもちろんコンビニにすら色々あるはずだ)、プチトマト。ツナ缶でもあけて盛り合わせて出せばいい。
他にも技術はいらない、包丁もいらない。かんたんだけど美味しくて栄養的にも優れている、
おすすめレシピもある……
スープは、お湯でといて、ネギ(どうしようもなければこれも買えばいい。売ってある!)浮かべるだけでもいい。
で。可能なら、スーパーのコーナーに「カットフルーツ」ってある。あれを2種類くらい買って盛り合わせて出す。今の時期ならアメリカンチェリーなどもおすすめ。ブドウなどはそのまま。
そういうのを、ちゃちゃちゃっ!と、一緒に出す!
こんなものは技術はいらない!
でも、
たぶん、これをしていたら、
「思ってたのとちがう」とフラれるまでいくことは、よほどのことがない限りない、と思う。
堀田が書いたことは、技術はいらないことばかりだ。
意識していたら絶対、誰でもできること。
でも、これをしたら、
「あっこの人、食事のバランスをちゃんと考える人なんだな」って相手には伝わる。
実際には、今回は、料理に苦手意識が強い女性(男性)でも、どうしたら、そういう風にはみられないか、を重視したので
市販品を盛り合わせることしか書いてない。
(もちろん、ちゃんとやるなら、その方がおすすめです。)
盛り合わせかたは大事です(^-^;
でもポイントを押さえればかんたんにできると思う。
あとで(こんなレベルでいいんじゃない?)という図をのせようとおもう。
そういうことじゃないのかな、と
堀田は思うんですけど(゜゜)
野菜サラダに、つまみ系合わせるのも意外とおすすめ。相手の好みは絶対リサーチすべきですが(海鮮、生っぽいものは食べられない人もけっこういる!)
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最後に。
食べることが好きではない人で、料理が苦痛なのは理解できる気がする。
でも食べることは好きなのに、強い苦手意識がある人(特に女性)のなかには、高い確率で、
「女性だから、料理上手を期待されるんだ」という強すぎる意識と、それへの反発が渦巻いているような気がする。
一旦捨ててしまうといい、と思う。
料理人に男性は多いではないか?
堀田なんて、料理するときに(髪の毛が落ちないように)タオルをぐるっと巻いているときすらあるが、
姉から「なぜだろう……なんか、ラーメン屋の頑固親父って雰囲気になるのよね……」と言われることもある。
理由のひとつは、
本当に料理をしていると、腕力がつくので
動きがワイルドになるのだ。
逆に、パワーがなければ、南瓜を何個も割ってガスガス切っていったり、固い根菜刻んだり、大きくて重い鍋をあつかったりできないから。
料理なんて言うほど、女性的でもなんでもないと思う(^_^;)
強いられると思ってしまうと苦痛になる。
他の誰でもない自分が食べたいもの、
誰のためでもない自分のために
自分の好きなものから作ってみよう。
そこで、成功体験を積めば、意外と、面白さに目覚めるかもしれない。
おすすめ、包丁いらず
バランスレシピ
使うもの もやし
冷凍ホウレン草(ドラッグストアーにもあるよ!)
コーン(缶でもレトルトパウチでも)
バター(マーガリンでも、ガーリックオイルでも)
塩または醤油(好みで)
フライパンでバターを炒め、モヤシを生のまま投入。なんとなくコーンをいれる。塩か醤油をちょっといれて、味をみたら冷凍ホウレン草(使うぶんだけ。残りは冷凍庫へ!)を凍ったまま適当に投入して最後に塩気がほどよいか確認する。
以上。
もちろん、可能ならホウレン草は生をゆでた方がおいしいけれど、このレシピなら市販の冷凍ホウレン草でじゅうぶん。
バランスもよい。細かいことこだわらずともそこそこ美味しくできるのでぜひ。
こんないい加減なレシピでも、つけるだけで、ちゃんとした感はアップするはずだ。
栄養的にも優れている。そして、これは雑なレシピなのに本当に、けっこう美味しいので。
相手が野菜嫌いでない限り(^_^;)
余談②
ワンランクアップ!カレー!
ニンニクのみじん切りを炒める。
玉ねぎとニンジンは、千切りなどにしてしんなりするまで炒めたらひたひたの水で軽く煮る。セロリもあるとなおよい(生セロリの香りと、炒めたセロリの香りはかなり違いますし、ニンニクや強いスパイスの香りの前ではかきけされるので、苦手な方も安心して大丈夫です)
あれば、ブレンダー(またはフードプロセッサー、ミキサー)にかけて、ペーストにする(裏ごししてもいい)
野菜ペーストを水分ベースにしてカレーを作る!
おすすめスパイス
スパイスをいちから調合して作る必要はない、というか、市販品に匹敵するバランスのよい味をそれから目指すのは ハッキリいってものすごく大変(ワタシは骨付き肉からスープをとるところからやったせいもあったけれど、20時間くらいかかった。そうして完成したのは、
「市販品のルーで作ったのと遜色ないよね(*^^*)♪」れべるだ。
ものすごい大量の材料(日本では滅多に売られていない豚骨の背骨部分とか……牛骨とか)と大量の調味料を消費して、ものすごい時間煮込んで、味を苦労して調整して、
「市販のルーで作ったのと同じくらい美味しい」って
けっこうわびしい(-_-;)
なので、
「市販のルーの味を保ったまま、より、スパイスをリッチにしたような味わいにする!」おすすめを書こうと思う。
「クミン(クミンシードを粉にしたタイプ)」と、「カエンペパー(辛みの強い赤唐辛子の細かいパウダー)」だ。
他にもいろんなスパイスがある。凝ってみたい人は、GABANというメーカーが出す、本格的なスパイスミックス(13酒類くらいのものが個別包装されまとめられている、本当に本格派スパイス)を買ってみたらいかがだろうかと思うが、
ニンニク炒めて、クミン。
これだけで、カレーの味も風味もかえることなく、でも、スパイスの香りが一気に高まりリッチになる。
カエンペパーってなに?と思われたかた。
一味唐辛子は、粒が大きすぎて、全体に回らない。
カエンペパーは、それこそ、
ポテトチップスや唐揚げにまぶしても(辛いもの好きには)美味しくなる、ナチュラルに馴染んでくれるのがいちおしだ。
そして、これこそが、一般的なカレーの辛さの源だ(グリーンカレーなど一部を除く)
ここで、「ガラムマサラ」が思い浮かぶかたもいるかもしれないが、堀田はあまりおすすめしない。
ガラムマサラは複数のスパイスが混ざっているので、カレーの香りもけっこう変わるし、個性的な苦味も出てくる。量にもよるが、個性が強くなりすぎる。
クミン。カエンペパー。これだけならバランスが保たれたまま、風味がアップするのだ。
もちろん、コリアンダーなど増やしてもいいけれどまずはクミンだと思う。
なお、ガーリックパウダーは非常に湿気りやすいので
味は美味しいし、いろんな料理に合うけれど
実はあまりおすすめできない。
個人的にあったほうが良いと思うのは
ブラックペッパー(粗挽き、または、粒をミルでひく)
ホワイトペッパー(卵料理、グラタンなどミルキーなものにスパイスを足すとき。鶏むね肉、白身魚などにも)
ベイリーフ(ローレル、月桂樹 の葉。煮込みに)
ナツメグ(ハンバーグ、ミートローフなどひき肉料理)
クミン(カレーに)だろうか。
欲を出すときりがないけれど。
上は使いやすい。湿気りにくいし……