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007 オリヴィアの願い(ダイヤード4歳)

評価ありがとうございます。

楽しんでいただけると幸いです。

 毒の一件から過保護になったオリヴィアは、執務が早めに終わるとダイヤードと同じ部屋で生活をするようになった。

 ダイヤードも日本の知識から特に拒絶することなく、受け入れている。

 王国貴族の慣習だと子供は乳母に任せるのが普通だと、苦言を呈しているのは王妃のタターニア派閥だが、そのたびに毒の件を持ち出されて何も言えないでいた。


「ダード。今日は何して過ごしたのですか?」


 オリヴィアのベッドで横になるダイヤードに優しく話しかけた。


「ダンに勉強を教えてもらって、積み木で遊びました」


 ダイヤードはまだ眠くないと言わんばかりに、元気よく答えた。


「ただ口調には気を付けないといけませんよ。誰が聞いているのか分かりませんから」


「…… !?」


「フフッ。マルガネットではありませんよ」


 驚きが顔に出たダイヤードの頭を撫でた。


「お茶を入れに来た侍女がたまたま聞いていたようです。扉を背にしていたこととダンバルトとの話に夢中になっていて気付かなかったようですね」


「はい。気を付けます」


 ダイヤードは眉を下げた。


「ま、まぁ。区別はつけているようなので、十分注意をしたら問題ないですよ。侍女は音を立てないことが多いから、背後にも注意を払えるようになりましょうね」


 ダイヤードの表情にオリヴィアもついつい甘い判断をしてしまう。ダイヤードの教育に役立てるためと内心言い訳をしながら。


「はい。注意します」


「もし王位に就くなら重要なことですからね」


 この一年でオリヴィアは王位を意識するようダイヤードに(うなが)してきた。


「…… 母上は僕が王位についたら嬉しいですか?」


 ダイヤードは聞いてみたかったことを尋ねた。


「そうね。…… ダードが思うように好きなように生きなさい。と、言って上げられたら良いのでしょうが。私たちは王族です。自分自身を一番に考える生き方は許されていません。ダードは賢いから分かるのではないですか?」


「なんとなく分かります」


 日本の知識を持つダイヤードは、近代の考える常識的な王の在り方を理解していた。そして、それが貴族に受け入れられないことも。


「王族としてどのように生きるかについては、正解はありません。貴族に肩入れするのか、民の立場を優先するのかは時代や状況によって変わるでしょう」


 オリヴィアはダイヤードが理解しているのを確認すると続けた。


「ただ、タターニア妃の嫉妬深さは私たちが生きている限り収まることは無いでしょうし、このままいけば国に害をもたらすことも考えられます。それに私は、ダードを死なせるつもりはありません」


「母上……」


 ダイヤードは、そこにオリヴィアの命が勘定されていないことに不安を覚える。


「だからダードは王になりなさい。

そして、その後は自由にしなさい。

 王として生きても、ユークリッド王子に王位を渡しても構いません」


 ダイヤードの不安を感じて、オリヴィアは優しく微笑むと「ゆっくりと考えなさい」と、言ってくれた。その笑みを見てダイヤードは心を決めた。


「母上お話があります」


 ダイヤードは生まれてからの四年間について、オリヴィアに話をした。

 特に一年前のことを話したときには涙が溢れそうになった。


「なるほど。やっと一年前のダードの言葉が理解できたわ」


 オリヴィアは話を聞きながら何かを考えているようだ。


「母上。…… 僕のことは怖いですか? 変だと思いますか?」


 ダイヤードはオリヴィアの表情を見て、恐る恐る尋ねた。


「まさか。こんなに可愛いダードが怖いわけがないでしょう。ただ、ダードを救ってくれた方なのだから、お名前が知りたかったの」


 ダイヤードはオリヴィア斜め上の発言に驚いたとともに、少し安心した。


「あら? そんなに意外ですか? 恩人の名前は親として知りたいものですよ」


「…… 人に話すことがなかったので、考えたことがなかったです」


「人に話せる内容ではないですから、黙っていたのは問題ないですよ。それに身近だからこそ名前は気にならないのかもしれませんね。…… そうだ! せっかくだからダードが名前を付けたらどうですか?」


「僕が名前を付けるのですか?」


「はい。とても素敵なことだと思いませんか?」


 オリヴィアが言うと、ダイヤードも名案だと思った。


「そうですね。確かに恩人に名前がないのは悲しいことだと思います」


「でしょう。ただ、そろそろ寝ないといけないから、明日にでも可愛い名前を付けてあげましょうね。今後の話も必要でしょうから」


「はい。母上ありがとうございます。おやすみなさい」


 今夜はよく眠れそうだと思い、ダイヤードは目を閉じた。

 オリヴィアは大変なことになりそうだと思い、ダイヤードの頭を撫で続けた。


レミ「近代の常識的な王族とはどんな王族ですの?」

ダイ「政治は議会制民主主義を採用して、王は権威の象徴に徹することかな」

レミ「すんなりといきますの?」

ダイ「無理だろうね。民主主義の切っ掛けって、抑圧された民衆による革命と産業革命による貴族の失墜、中流階級の台頭が必要だからね」

レミ「そうなると王侯貴族は廃されてしまうのではないでしょうか?」

ダイ「地球で言うとこのフランス革命だね。まぁ~その後に色々あるんだけどね」

レミ「それだとギロチンじゃないですか! 私の首が~!!」

ダイ「フフフッ」

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