006 地球との差異(ダイヤード4歳)
申し訳ありません。予約時間が間違ってました。
楽しんでいただけると幸いです。
毒を盛られてから一年がたち、ダイヤードは四歳になった。
この一年間で文字を覚えた。そして本をたくさん読むことで、この世界での常識や知識を蓄えた。日本の知識を役立てるには、この世界との差異を知り実践する必要があると思ったからだ。
・上下水道は整備されているが、土木技術や農業技術は発展してない
・植生が違うため、日本の知識は役に立たない
(ただし、近しい植物は存在する)
・マヨネーズや米もどきはあるが、和食はない
・魔法や魔術はあるが科学技術発展してない
・医療技術に関しては、治癒術師や聖人、聖女だより
・武器や兵器に関しては、魔法以外では剣や槍、弓などを使用
・燃料は木炭と石炭を使用し、石油や天然ガスは発見されていない
・領地貴族と宮廷貴族は分かれており、両者が兼ねることは無い
「【ネット】小説の知識から役立ちそうな内容をまとめてみたけど、俺が今できることって無いんだよな~。それにこの世界ってちぐはぐな気がするんだけど、気のせいかな?」
紙に書かれた内容を見ながら、ダイヤードは溜息をつく。
それでも何か手を付ける方法がないか考えていると、ノックの音が聞こえた。
「入っていいよ」
ダイヤードが声をかけると、マルガネットに連れられたダンバルトが入ってきた。
「ダード様~遊びましょう」
そう言うと、ダンバルトとことこ駆け寄ってきた。
「おう。その前に今日ダンが習ったことを教えてくれ」
ダンバルトは五歳になり、本格的な教育が始まっていた。
ダイヤードはそれをダンバルトから学んでいる。
「ダイヤード様。その口調は王族に相応しいものではありませんよ」
マルガネットがいつものように注意をしてくる。少し崩れているらしい。
「ダンやマルガネット以外の人がいる時が注意してるよ」
ダイヤードは顔を顰めて答える。
「それでもです」
マルガネットはダイヤードが改めると思っていないようで、注意もおざなりだ。
この一年間でダイヤードが治したためしがないし、侍女や侍従がいる前で露呈したことはない。
ダイヤードは自分の半身だった者――光る玉―― に命を救われた経緯から、彼を尊敬しており、彼の数少ない痕跡から口調を真似ていることは誰も知りようがない。
「分かった。分かった。それより今日の授業は何だったんだ?」
「へへっ。今日はマナーと古典文学とー…… 算学!」
ダンバルトはダイヤードに教えることが好きなようで、少し得意げになる。
ダイヤードの頭の良さに負けないように頑張っており、ダンバルトは優秀だと周囲に認識されている。
「古典文学かー。言い回しが遠回しで苦手なんだよな」
ダイヤードはあからさまに息を吐く。
知識の小説にある、転生者が勉強は楽勝と書かれているのは嘘だと思っている。
今のところ算数と理科の物理分野以外は役に立っていない。すなわち一からの勉強となっているのだ。
「先生にいっぱい質問してきたので、僕がきちんと教える! ダード様は偉いから簡単だと思うよ」
「助かる。【サンキュー】。でも、俺が偉いってのは秘密な」
ダイヤードの場合は人より優れていることが噂になれば命の危険も出てくるため、この注意も繰り返し行っている。
「はい! …… 【サンキュー】?」
英語を知らないダンバルトは首を傾げた?
「うん? ああ。気にするな。それより始めようか」
(こうなったら母上に洗いざらい話して、協力してもらうか?)
打てる手がないことにダイヤードは自分自身に苛立ちを覚えていた。
レミ「そんなに勉強内容が違いますの?」
ダン「英語や国語、社会は全く役に立たないよ」
レミ「確かにですわね」
ダン「それに理科なんて間違ってることを覚えるは混乱するよ」
レミ「地球を中心に公転してる。とかです?」
ダン「そこまで極端じゃないけど、理論が未成熟だから体験を元とした内容だから間違ってることが多いんだ」
レミ「知識チートも楽ばかりじゃないってことですのね」




