017 交流会②(ダイヤード5歳)
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「クスッ。ダイヤード王子は生の魚に興味があるのかい?」
リューデック王国の言葉に反応したことを気にしていないように、カートニーは話しかけた。
「は、はい。母上に教えてもらってから、少し気になっていたのです。カートニー王子は食べたことありますか?」
「ああ。カルパッチョといって、生の鯛をオリーブオイルや塩や胡椒で味付けた料理だったのだが美味しかったよ」
「一度でいいから食べてみたいです! そういえば、生魚を食べるときに黒い調味料を付けたりしましたか?」
ダイヤードは、普段から食べている料理が光輝の知識の料理と似ていることから、【刺身】があるのではないかと予想した。
「う~ん。そういった料理は見たことないな。黒い調味料って珍しいね。僕も興味あるから調べてみよう」
少し興奮したように話すダイヤードに対して、落ち着いてカートニーは話した。
「お願いします!…… あっ。黒い調味料については名前も分かりません。なので、余り無理をしないでください」
ダイヤード自身が興奮したのを恥じたのか、途中から落ち着いて話をした。
「ありがとう。ただ、本当に興味があるから気にしないでいいよ。それにしてもダイヤード王子は丁寧な話し方だね? 良い先生に習っているのだね」
「い、いえ。話し方は全て母上が教えてくれました。母上は学生の時に主席だったそうで、凄いのです」
ダイヤードは今さらながら、五歳児っぽさを会話に紛れ込ませた。オリヴィアは少し恥ずかしかったのか、ダイヤードを困ったような目で見た。
「ダイヤードは昔口が悪すぎたのです。丁寧に話せるようになるまで、時間が掛かりましたわ」
オリヴィアはダイヤードを横目に見ながら微笑んだ。ダイヤードは意趣返しをされたと思ったとともに、きちんと意図が伝わったことに安堵した。
「クククッ。…… 失礼しました。とても仲が良いのですね」
カートニーは楽しそうに笑った。
『お兄様。何をそんなに楽しそうにお話してるの?』
楽しげな雰囲気が気になったのか、ナディアが加わってきた。
『ああ。ダイヤード王子が謎の黒い調味料について教えてくれてね。その話で盛り上がっていたのだよ』
『えーそんなのがあるの? 私も聞きたい! お兄様だけずるい』
『ごめんよ。生の魚に付けて食べるそうで、ディーは興味がないかと思ったんだ』
カートニーは慌てて、ナディアに謝罪した。
『許してあげますわ。ただ、ディーを除け者にしないでください』
ここだけ王女口調のナディアにダイヤードは思わず笑ってしまう。
『? それより黒い調味料って、どんな調味料なの? 想像がつかないわ』
ナディアは何故笑われてしまったのか分からなかったが、気にしないことにした。
「私が本で読んだ限り少し塩辛いそうです。ただ香りの良い調味料だそうですよ」
『そうなんだー。どんな味なのかな。お兄様、絶対に探しましょう。私も探すからダイヤード王子も見つけたら教えてね』
ナディアは今日一番のテンションでダイヤードに話しかけた。
それを見てユークリッドは涙目でダイヤードを睨んでいた。
その様子を見てタターニアは扇を広げて口元を隠した。
ダイヤードとユークリッドは、この交流会の自分たちの目的が失敗に終わったことを察した。
「う、うん。お、お互いに頑張ろうね」
自業自得で疲れる思いをしたが、最終的には和やかな雰囲気で交流会は終了した。
レミ「醤油や味噌って作れませんの?」
ダイ「難しいね」
レミ「そうなんですの? 大豆を発酵させれば出来るんじゃないですの?」
ダイ「味噌や醤油を作るためには麹菌が必要なんだよ」
レミ「麹菌ですの?」
ダイ「そう。大豆を発酵させて味噌や醤油を作るのに欠かせない菌なんだ」
レミ「それなら麹菌を見つければよいのでは?」
ダイ「う~ん。それは難しいかな。そもそも麹菌は日本の風土に合わせた菌なんだよ」
レミ「ということは、大陸の気候風土には存在しないということですの?」
ダイ「植生が違うから絶対とは言えないけど、無理だと思うよ」
レミ「そんな~。私も口にしてみたかったのに~」
ダイ「日本とよく似た島国があって、輸入できれば可能性はあるかもね」
レミ「Σ(゜д゜lll)ガーン」




