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015 初顔合わせ(ダイヤード5歳)

楽しんでいただけると幸いです。

 時間が経ち、リューデック王国の王族との交流会の日になった。事前にユークリッドの参加も聞いていたため、ダイヤードは興奮と緊張を抑えきれない様子だ。

 交流会は庭園が見える広間で行うこととなった。


「今日はそわそわしていますね。ダード」


 早めに控室に着いたダイヤードにオリヴィアは声をかけた。


「ユークリッドに初めて会うから、少し緊張しています」


 ダイヤードは固い笑顔をオリヴィアに向けた。


「優秀で活発な方だと聞いていますから、簡単に打ち解けられると思いますよ」


「僕も報告書で読んだけど、侍女や従者にも優しいんだって」


「後は交流会が穏便に済むように願いましょう」


「はい。あまり目立たずに。ですね。」


 オリヴィアと話すことで少しずつ緊張が解けてきたころ、控室の扉が開いた。

 ダイヤードより薄い金髪に白に赤の差し色の入った礼服を着た男性と薄い黄色のドレスを着た女性が入室した。ダイヤードは恐らくユークリッドとタターニアだろうと当たりを付けた。


「ごきげんよう。タターニア王妃陛下。ご健勝なご様子で喜ばしい限りです」


 立ち上がったオリヴィアは笑顔でタターニアを出迎えた。いきなり扉を開けたことに言及をするつもりはないようだ。


「私はダイヤード・コール・カットイングと申します。お初にお目にかかりますが、どうぞよろしくお願いいたします」


 こちらに目を向けたタターニアに対して、同じく立ち上がっていたダイヤードは右手を背中に回し敬礼をして挨拶を行った。


「きちんと礼儀を学ばれているようですね。私はタターニア・カットイングと申します。今後もユークリッドを支えていけるように精進してくださいね」


 言い切ると、幼児の背中に手を当てた。


「私はユークリッド・コール・カットイングだ。ダイヤードには今後も会う機会があるだろうし、仲良くしてもらえると嬉しい」


 ダイヤードはタターニアとユークリッドの尊大な物言いに驚いたが何とか心の内に留めることに成功した。ユークリッドはまだ五歳になっていないということもあり、まだ納得したが、タターニアの物言いには呆れかえった。

ただオリヴィアが反論しないのでは、ダイヤードが口をはさむ余地はない。


「そうですわね。ダイヤードも支えるに足る主でしたら、喜ばしい限りだと思いますよ」


 オリヴィアは遠回しに『今のところ不合格』と、ユークリッドに言い渡した。


「あら。それなら安心ですわね。ユークリッドは幼いながら王族としての風格が備わっていますもの」


 タターニアは『王』ではなく『王族』と表現することで、非礼は回避した。時期後継者である王太子を決めるのは王にだけ許された権利だからだ。


「そうですね。ダイヤードにも王子としての対応と傲慢の違いを教えるのに苦労しているのですよ。良いところがございましたら、見習わせますわ」


 オリヴィアの対応の真意には気付かないようで、ユークリッドはのほほんとしていた。

 ダイヤードはその間、周囲の人間観察に励んでいた。




 広間に入り、子供用の椅子にダイヤードとユークリッドは座らせられると、お互いに会話が無いまま待ち人の到着を心待ちにしていた。

 ノックを合図に素早く立ち上がる。

白のズボンに黒のジャケットを羽織った男性、白に金糸の入った礼服を身にまとった男性が薄いピンクのドレスを身にまとった女性をエスコートしながら入室してきた。


レミ「……」

ダイ「まだ怒ってるの?」

レミ「そういう訳ではありませんの。それよりもう「母上こわっ!」とは、言いませんの?」

ダイ「そりゃ、流石に慣れたよ。それより、どちらに軍配が上がったと思う?」

レミ「勝ち負けはありませんよ」

ダイ「そうなの?」

レミ「はい。タターニア正妃陛下もオリヴィア妃陛下も本気出していませんもの」

ダイ「あの嫌味って本気じゃないの?」

レミ「もちろんです。軽い挨拶ですわよ」

ダイ「…… 貴族こわっ!」

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