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014 農業(ダイヤード5歳)

楽しんでいただけると幸いです。

 ダイヤードは誕生日の翌日の早々からオリヴィアにお茶に誘われた。


「さて、農業の改善点を教えてもらいましょうか。ダード」


「分かりました。書物で読んだだけなので正確なことが分かっていないのですが、我が国の農業は三圃制(さんぽせい)で間違いないでしょうか?」


 ダイヤードは現状の確認を行った。


「え? あの…… 三圃制とは何でしょうか?」


 オリヴィアも詳しいことは分からなかった。何故なら、領地貴族は効果のある農法を試すことで、新しい農法を研究するのは貴族の考えることではないからだ。


「えぇ~と。三年周期で冬に小麦、夏に大麦を育て、三年目は休耕地とする農法です」


 貴族の勉強内容を知らないダイヤードは困惑した。


「わ、分かりました。然るべき研究者に確認をしておきます」


「では、肥料と土壌改善についても調べておいてください」


「わ、分かりました。それも重要なことなのですね」




 後日、再びオリヴィアからお茶に誘われた。


「色々と調べてきました。ダードが言うように我が国の小麦は三圃制で間違いないようです。肥料は休耕地にて放牧し、その糞尿で賄っているようですね。それと、土壌改善という農法は行われていないようです。逆に担当者が研究者から詳しく尋ねられたそうです」


 オリヴィアは、聞き取りをした内容をまとめた用紙を読みながら話をした。


「ありがとうございます。僕が提案するのは、四輪作法と呼ばれる四年周期でカブ、夏に大麦、クローバー、冬に小麦を育てるといったやり方です」


 ダイヤードは以前から光輝の知識をまとめた紙を見せながら話をした。


「そのようなやり方があるのですね。カブやクローバーにはどういった意味があるのでしょうか?」


「必ずしもカブやクローバーである必要はありません。気候や土質によって変わるかもしれませんので、根菜やマメ科植物で構いません。根菜は土壌の改良に役立ちますし、マメ科植物は大麦や小麦の成長に必要な【窒素】を土に溜め込んでくれます」


「【窒素】とは何なのでしょうか?」


「簡単に言いますと、この世の中のありとあらゆる物質は目に見えない【分子】と呼ばれる集合体で構成されています。その一つが【窒素】です」


「では、今は世に出せない……というより誰も理解できない知識ですね」


 オリヴィアは即座に答えた。


「はい。ただ、この四輪作法にも欠点が存在します」


「利点しかないように思いますが?」


「いえ。まずは根菜の育成には小麦や大麦に比べ手間が多くかかります。そのため、農繁期だけ人手を手配する必要があります。それと、マメ科の植物に関しては二回目からは効力が落ちる可能性もあります。また、それらの欠点を補うために多くの【窒素】を含んだ【ぼかし肥料】というものがあるのですが……色々試さないといけないので、時間とお金がかかります」


 ダイヤードは農業改革の難しさを伝えるために慎重に答えた。


「人手に関しては、貧民層から短期の働き口を募れば問題ないと思いますが…… 知識を持つ監督者を育てないといけませんね。それに時間とお金ですか……」


「はい。知識があれば簡単に進むものではありません。【ぼかし肥料】もその土地に合った配合や量を調べるのは時間が掛かると思います」


「そうですね。スターザー侯爵家とも連携を取って実験地を作ってからの研究と人材の育成に協力してもらいましょう。それでは、ここに書かれている石灰についての役割と【ぼかし肥料】というもについて詳しい話を聞かせてちょうだい」


 この日はオリヴィアとの打ち合わせは長時間に渡って続いた。


レミ「……」

ダイ「怒ってる?」

レミ「……」

ダイ「レミさ~ん。やっぱり怒ってる?」

レミ「もういいですわ! 諦めましたわ!」

ダイ「そ、そう。ごめんなさい」

レミ「農業も人任せってことでいいんですのね」

ダイ「は、はい。で、でも、農業をする王子や貴族っておかしくない?」

レミ「わ・か・り・ま・し・た・ですの!」

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