少女のハッピーエンド~父~
カナシイってなんでしょう
シアワセってなんでしょう
愛したからバッドエンド
なくなってハッピーエンド
妻が大切だった
息子も生まれ、しばらくたったとき妻は妊娠した
息子はそのとき10歳になっていた
妻は妊娠の1年前病気にかかっていた
だから心配だったのだ
けれど、妻は出産すると決めた
家が大切だった
優しい妻
聡明な息子
暖かな使用人
だから、次の子も幸せにしようと妻と息子と決めていた
お腹の子が大切だった
だんだんと大きくなる妻のお腹と
中にいる子供
家族4人で暮らせると信じていた
大切が消えた
出産のとき
妻が頑張っているのに緊張して
もしもの可能性を考えたら不安になって
だから、そのときとても悲しかった
妻が死んだ
起きないまぶたをみて
泣いている息子をみて
生まれたソレをみた
殺したくても妻が残したものだった
だから無視した
大切とはなんだろう
アレのことは使用人に任せた
息子は一人でも大丈夫だろう
それからは仕事をしていた
家に帰らず
息子は時々仕事場にきていた
アレには会っていない
そうして5年がたっていた
王にそろそろ家にかえれといわれた
アレのことも気になるので私は家に帰ることにした
息子は出迎えてくれた
アレはいなかった
使用人に聞くと物置に案内された
何故、物置にアレの部屋を置いたのか
全員がアレは主人の家族ではないからといわれた
私ははやくアレの部屋を移そうと思い
物置の扉を開けた
綺麗な白だった
ユラユラと揺れる様子は振り子のようで
髪の白とリボンの白が美しかった
おかしい
私の髪は金色で妻の髪は水色だ
アレの髪は何色だった?
そんなことを考えていると
息子が泣き叫んだ
使用人は悲鳴をあげた
私は何を考えたらいいのか
わからなかった
手紙があった
あとから聞くと文字は教えていたそうだ
…間違えたら鞭で叩きながら
みなさんへ
みんながシアワセになるために
がんばります
私がいるとカナシイになるといわれました
カナシイがなにかわからないけど
私が死んだらシアワセになるといわれました
よくわからないけど
ハッピーエンドっていうのですよね
ただ後悔した
全て間違えていた
それからははやい
王に全てを話し、仕事をやめ、使用人を全員変えた
全員が***に虐待をしていた
それから家の財産をいろいろな所に寄付したあと
妻と***の墓の前で息子と一緒に
首をきった
***。**ン。エレン。
妻のつけた名前。
「祝福」
あの子に祝福はなかったのに
名前だけが祝福を示している
すまない
これでハッピーエンドだよ
少女の髪はストレスで白くなりました
誰もシアワセになれなくてもハッピーエンドをつくりたいのです