SideS3 あれ?私はなんで生きてる?
サナ視点。
何故か温かい光を感じた。
その光の先へ進んでいくと。
目が覚めた。
あ?
あれ?
私は何で寝てたっけ?
そう思ったとき、あの時の光景がフラッシュバックしてよみがえる。
「ようやく起きましたか?」
そこには魔王がいた。
「魔王!アーニャは!?」
「まだ、安静にしてなさい。あなたも彼女も魂を限界まで削られていたのですよ」
「そうだ…!私は…!え?彼女も?」
「ええ。そうです。あなたの魂を修復するまで限界まで魂を削ったのですから当然です」
「魂を修復!?」
「ええ。削られていた魂を修復した結果がこれです」
そう言うと、私は自分の肌を見た。肌が白色から肌色に…元に戻ってる?
「まあ、こうして見舞いに来た私が言うのもなんですが、あの方たちには感謝しておきなさい」
「あの方たち?」
「神の御使い様達です。あの方達があなたをここまで運んでくれたのですよ」
「そっか。それで?アーニャは?」
「彼女は隣の部屋で寝てます。いや。寝ているというより…」
「何?どうしたの?」
「魂がすっかり、削ぎ落とされてます」
どういうこと?
「え?」
「あと一瞬遅かったら、あなたと同じような道をたどったかもしれません」
私はガバっと起きて、隣の部屋に急いだ。
足元がフラフラしているけど、気にしない。
まるで平衡感覚を失かった感じだ。
隣の部屋までが遠いけど、行けない距離じゃない。
ドアを開けると、泣きすする音が聞こえた。
どうやら、泣いていたのはアトラとかいう人らしい。
「あ。あなたは!?」
ナートが私を睨みつける。
その先にはベットが一つあって。
彼女が佇んでいた。
「アーニャ?」
まず目の焦点があってない。
ぼんやり宙を見ている感じだった。
私の声も届いてない。
「ご主人様。私の薬を飲んでくれたんです!私の丹精を込めて、身まで削った私の薬を!なのに何の反応も示さないんです。苦いとか甘いとか何にも言わないんです!」
そう言って、また、泣きだした。
「そんな!」
私は彼女の頭を撫でてみる。彼女は頭を撫でられた後、必ず、二回耳をピクピクさせる。
それは嬉しいという感情だった。
しかし、何も変わらない。まるで精巧に作られた人形のように。
ずっとずっと。その場で佇んでいる。
視覚も触覚も味覚も聴覚も…五感が全て奪われた人形のように。
ただただ、そこに佇んでいた。




