第十三話 何?魔術防御を知らないだと!?
前回までのあらすじ。
アーニャ「何故だ。何故、私が学園に通わなきゃならんのだ!?」
サナ「もともとはあなたのせいじゃない!!」
アーニャ「はい。すみませんでした」
勇者魔法学園に入学しようとしました。
ええ。最初は思いっきり、やる気になってました。
最初の試験内容は筆記試験。
まあまあの成績を収めた。
で。次の試験内容が魔法適性試験。
10メートル先の的に当てるだけの簡単な作業だったはず。
なのに。
「大地の聖よ。我が前のある的を射よ!ストーンブラスト!!」
コンコン
詠唱がある上に小石程度のやつしか浮かせて当てられないなんて、どこかの中二病かよ。
まあ、いい。ここまでは。
「水の精霊よ。我が前に現れて、あの的を壊せ!ウンディーネ!!」
水の精霊が現れて、あの的に目掛けて飛んでいく。
しかし、的は壊れてはいなかった。っていうか、的を壊せない精霊なんているの!?
なんか、彼女は巫女らしい。
「くっそー。惜しいわね。あと少しで的が壊せそうだったのに」
それを見ているうちにイライラしてきた。
なんで、誰も詠唱してんねん。
私なんて0歳のころから無詠唱だったよ?念じるだけで出来たよ?
「炎の飛礫よ敵を薙ぎ払え!ファイアボール!!」
誰か助けて―。
あれなのか。私が異常なだけなのか?
しかも、ファイアボールとか言って途中で火が消えてるしー。
「次。受験番号208番」
あ。私の番だ。
「おい。ダークエルフだぞ」
「え?マジかよ。どんな不正を使ったんだ?」
ムカッと来た。
まあ、私がやることは決まってるんだけどね。
「ダークエルフですか?」
「ええ。そうですけど」
本当は違うけどね。普通のエルフだけどね。
「では、何か持ってきてますか?剣とか弓とか」
どうやら、ダークエルフは脳筋と勘違いしているらしい。
まあ、あながち間違ってないかもね。
しかし、それは私には当てはまらない。
何故なら、私はエルフだから。
「いらない。そんなもの」
「え?」
「それよりも全員。魔術防御」
そして、爆発。その余波で全員が吹き飛んだ。
エルフの結界を揺らいだといわれる水爆である。
もう私の得意魔法に認定してもよくない?
「きゃあ!なになに?なんなの!?」
巫女が悲鳴を上げて、あたりを見回す。
校舎の半分が無くなっていた。
まあ、多分失格でしょうね。
うん。それはそれでいいや。
周りを見てみると、そこには惨状が広がっていた。
し、しーらないっと。私は言ったからね。魔術防御をしない奴らが悪い。