SideF2-1 誰か助けてー。
前回までのあらすじ。
また、3年経ったぞー。
アーニャ「胸が大きくならない」
「魔王…殺す。いい?」
怒りのこもった感じでそういうアーニャ様に私は喋ったあ!というよりも恐怖と戦慄でいっぱいでした。
思えば、魔族領域に来てからアーニャ様の止める人々にすんごい腹が立っている様子でした。
「魔王はダメ。あれは私の友達だから」
はい。出ました。サナ様の爆弾投下。
そして、怯え続ける私たち。
対してアーニャ様というと、う~っと唸りながらも。
「サナがそういうのなら」
と言って、しゅんと縮こまっていた。
彼女の怒りが見る見るうちに小さくなっていく。
ホッとなでおろす私だったけど、そこに。
「あ、あの。アーニャ様に一言いいたいことがあります」
姉さまが立ち上がって、続ける。
「じ、実は…今回のエルフの里との戦い。起こしたのは第一候補のアカーシャ様なんです」
あ~。それを今、言っちゃうか。
「そ、それでですね。確かにアーニャ様の母上様や兄様を殺したのはサナ様です!だからってサナ様や魔王様のことを悪く思うのは筋違いというか……恨むのは良いんですけど」
良いんだ。それ、絶対に問題発言だからね。
姉さまの声がしぼんでいく。
しかし、その時、彼女がかけた言葉は。
「ありがとう」
それはどこまでも平坦で、それでいて、且つこれからの真実は自分の目で確かめるという決意の灯った眼だった。
ちょっと短いですが、今日はここまで。
これからは一日一話投稿になりそう。