第九話 3年経ったけど、何か?
前回までのあらすじ。
ひりゅるるるるるん。ちゅどーん。どっかーん。ちーん。
アーニャ「やったぜ!」
あれから、また3年が経ち、私は6歳の誕生日を迎えていた。
迎えていたと言っても、何もお祝いはしてくれなかったけど。
ただ、私の心の中では劇的に変化していた。
まず一つ目はこの世界における人間は全てがクズ同然であるということだ。
元人間としては恥ずかしい限りだが、それでも魔物の人身売買や贈賄、賄賂などの汚い手口を何度も見てきた。
そして何よりも私たち神殺しを見ただけで平気に殺してくる。白い少女サナによると。
「私といる限り、あなた達は常に神殺しの傍にいる側近。みたいな感じで見られるでしょうね。だから、私と一緒にいるとあなた達には毎日死が近づいているようなものになるわ」
とのことだった。
実際にその通りで、寝ている間も野宿で晩御飯を作っている最中でも平気で襲ってくる。
全部返り討ちにしてやったけど。
それでも、人間たちにとってサナの印象は最悪と言っていいほど悪かった。しかし、サナもそれを気にする様子はない。
二つ目はそのサナについて。
砦を破壊した次の夜から、私とサナは一緒に寝るようになった。
最初のころはいやいや言ってた私だけど、その日のうちになれた。
というか、サナと触れ合っているうちに何故か温かいものを感じた。
今ではもっと触れ合いたいとさえ思ってしまっている。
フェリシアとフェルミナにはない母性を感じてしまっていた。
そのせいか、私の中ではサナはフェルミナとフェリシア以上の存在になってしまった。
サナに対する評価が爆上がり中である。
フェリシアとフェルミナといえば、彼女たちが言ってた『アーシュラ』という人にも会えた。
アーシュラはその見た目から隠密行動に優れており、フェリシアとフェルミナとは対称的にザ、忍者って感じの人だった。
時折、シュッと現れて情報を届けた後にまた消えるを繰り返していた。
三つ目この世界について。
この世界というか、今の私の境遇についてというべきか。実はあんまりよろしくはない。
見た目がダークエルフでエルフの私は人間たちには忌避として見られ、魔族に対してはダークエルフもエルフも排除すべき対象となっている。おかげで魔族領域に入ったときに顔面ライオンに止められた。サナにあっさりと言われて、通らされたけど。
どうも魔族にとってはエルフもダークエルフも変わらないようで耳が尖がっている人に対しては排除する傾向にあるようだ。魔族さん極端すぎる。
そんなこんなでいくつかの村と街を次々と襲い掛かってはそれの繰り返しで3年が過ぎていった。
「魔王城に行って魔王に会うわよ」
これまでの実績と報告のために魔王に会いに行くというサナの言葉に私は少しだけ怒りを覚えた。
上記は少し修正するかもしれません。
主に、アーシュラとアーニャの出会いについてです。