No.42 [新たな異変、それは唐突に]
1日に1つの町を見回る[フェイア]は、その日、マビロバ村の見回りを行っていた。
彼女が見回りの役を引き受けたのは、[ルシアル]がまだ天界にいた頃に一時的な補佐役を務めていたから。
[セヒィー]の件があってから、何かと心配で落ち付かなかった。
そして、『護り人』の件を聞いて自ら天界様に談判した。
天界様からは、二つ返事で請け負ってもらえた。
こうして、今の状況になっている。
『………マビロバ村の見回り完了と。』
[フェイア]はそう呟くと、メモ帳に書き込んだ。
「あ、あの、[フェイア]さん。」
代理人のライヴェが話しかける。
『はい、何でしょう。』
「これ、差し入れのマフィンです。………いつも見回り、お疲れ様です。」
丁寧に袋詰めされた、マフィンを受けとる。
『ありがとうございます。後でいただきます。』
ライヴェは、笑顔で頷いた。
船に乗り込んで、しずく町に戻る。
『ゼロ様……じゃなかった。ヤンバさん、いつもありがとうございます。船を出して頂いて。』
『二人きりの時は、前の呼び名で構わんが……寧ろ我達がお礼を言わんければならん。わざわざ天界からお越しなすって。』
[ヤンバ]は、自らの力が無効化された後……船を運航する職に就いた。
[フェイア]が見回りに出るときは、進んで彼女の同行を買ってでた。
▪▪▪
(………?)
しずく町の港に降り立った所で、[フェイア]が空を見上げる。
(何?このオーラ………)
『………フェイア様?』
[ヤンバ]が声をかけた所で、海の向こうの空から一本の槍が飛んできた。
間一髪、近くにあった鉄の板で防いだ。
『フェイア様!?大丈夫ですか………?』
『大丈夫!………もしかしたら、侵入者が来るかも。しずくさん達に早く警備をと連絡してください!』
『わ、分かりました。』
(このオーラの波長は、もしかして………シファ家の天界人?)
辺りが曇ってきて、暗くなる。
『天界ノ扉』が現れたと思ったら、二人の男性が入ってくる。
後ろから続々と人や動物が着いてきている。
二人の姿を見て、ハッとした。
『ウエント様に………セヒィー様!?どうして、しずく町に?』
何故だか知らないが、[セヒィー]はシファ家の服を着ている。
[セヒィー]はゼロ家なのに………理解が追い付かない。
『何故かって?それはな、ルシアルから受けた恨みを晴らすためさ。』
[セヒィー]が言った。
『今から、この世界を潰すからな…………っ!』




