No.40 [ブレスレットの裏話]
ミシャルがラジオに出演する数日前のお話。
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その日、ミシャルは山師の一人である、シイラの所に出向いた。
シイラは、珍しいとされる女性の山師だ。
「話って、なんでしょう。」
「お守り石を付けたブレスレットを作りたくて。」
シイラは、稀有な特殊鉱石を探すのに長けている。
「ああ、それで私に……か。誰かにあげるのかしら。」
ミシャルは照れくさそうにする。
「その、コマメさんにあげたくて。」
そう言うと、シイラは驚いた。
「まさか、ミシャルさん………コマメちゃんの事、好きなのね?」
「は、はい。そ、それで、今度のラジオのタイミングで渡そうと思って。」
「ふぅん。………分かったわ、手伝いましょう。」
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その足で、オリア山へと向かう。
「最近ね、頂上付近で七色に光る鉱石を見つけたの。きっとお守りの石に、と思っていた所なのよね。」
登山中、シイラはそう話しかける。
「そう言えば、特殊鉱石ってどう見つけるんですか?前から気になってて。」
「うーんとね、これよ。」
ポケットの中から、小さな鉄の塊が入った瓶の入れ物を見せた。
「これ、普通の鉄………ですよね?」
「只の鉄じゃ無いわ。普段使う鉱石とは違うモノが見つかると、蒼白く光るの。しずくさんが【メロリア】で造った物なのよ。」
成る程、とミシャルは頷いた。
登山してから、一時間経った所で採取場所に着いたようだ。
先程言っていた、鉄も蒼白く光っている。
「よいしょ。この石を、少し磨いて……ほら、七色に光るでしょ?」
「本当だ。これ、なにか良いことが起こりそうな感じ。」
「そうね。……さて、帰りましょう。」
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その翌日。
鍛冶場で、ブレスレットを作る。
作り方は、自身で考えてやろうと思った。
「よっ、ミシャル。……ブレスレット、作ってるんだってな。」
ワイダが部屋に入ってきた。
どうやら、シイラから話は聞いていたらしい。
「はい。……イチからの手作りですけど。」
「………告白、上手くいくと良いな。」
小声でそういった。
「は、はい。」
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こうして作りあげたブレスレット。
そして、ラジオ本番で何とか受け取って貰えた。
無事に気持ちが伝えられて一安心、と思ったミシャルだった。




