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No.37 [セヒィーのその後]

一方その頃、[セヒィー]は大分落ちこぼれていた。

抹消の件は流され、挙げ句の果てには実の妹に怪我を負わされた。

怪我は数日で治る程度で済んだが、管理人の役を降ろされる羽目になった。


『まさか、こんな散々な事になるとはな………。ったく、ルシアルの奴め………。』

管理人だった頃の自部屋を片付けながら、[セヒィー]が呟く。


『酷く落ち込んで居るじゃないか、セヒィー。』

少し開いた扉の向こうから、声が聞こえる。


『この声……ウエントか。』

扉が大きく開き、その人物は頷いた。

彼の名は、ウエント・シファ。

シファ家側の管理者の一人で、[セヒィー]とは同い年の関係だ。


『怪我、大丈夫かい。………妹にこっぴどくやられたらしいねぇ。』


この件は、[インフィニティ]内で大きな話題を呼んだ。

[ウエント]が知っていてもおかしくは無いが……


『怪我の方は、もう大丈夫だ。…それで、今日はどうした。』


『セヒィーに、一つ提案があってだな。……俺達、手を組まねえか?』

[セヒィー]は眉をひそめる。


『………ウエントと、我輩が?』

[ウエント]は頷く。


『俺も、ルシアルには散々言われたからな。それなりの「恨み」がある。それに、抹消が流された件、納得がいかないだろう?………だから、俺達がアイツを地獄へ落とすんだ。』


『待て待て、気持ちは分かるが、家柄が違うのに手を組んで大丈夫なのか?それに、地獄へ落とすって……』

[ウエント]が[セヒィー]に近づく。


『実はな、アイツを地獄へ落とすのは……とんだ序の口さ。』


『それはどういう訳だ?』


『………お前、次期の天界様を狙っていただろ?』

耳元で囁く。


『それとこれと話は違うだろう!』


『邪魔な輩を排除、そして年老いた天界様を追放………そして、俺はそれを行った[本当の天界人]としてセヒィーを煽て天界様へ、とのシナリオだ。どうだろう?』


『……………………分かった、その話で進めよう。』

[セヒィー]は、[ウエント]の交渉を飲んだ。


『じゃあ、またな。』

[ウエント]は部屋を出ていった。


▪▪▪


『セヒィー様、管理人の責務……お疲れ様でした。』

片付けが終わった頃、手下だった[シン]が話しかける。


『………シンか、我輩の部下として迷惑かけたな。』


『とんでもない!寧ろ、この状態になってしまったのはわたくしの落ち目……』

[セヒィー]が首を横に振る。


『我輩の分まで、管理人の手助けを頑張ってくれ。』


『セヒィー様……。』

[セヒィー]は、部屋の鍵を[シン]に渡した後、その場を去った。


これ以降、[セヒィー]の姿を見たものは居なかった。………そう、あの時までは。

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