No.33 [天界からの使者]
『セヒィー様、入ってもよろしいでしょうか。』
『シンか。入って良いぞ。』
『妹様の件で、ご報告をと。』
『どうだったかね。』
『天界法第三条の違法、それによる世界構築情報の改ざんが見つかりました。実世界と世界構築情報、波長の違いによる疑惑………セヒィー様の言う通りでした。』
『そうか。………仕方無い、事実確認は我輩が行うとしよう。』
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「う~ん、今日もいい天気ね。」
しずくは朝日を浴びて、そう呟く。
「あれ?門の前に誰か居る………。」
[ゼロ]と同じようなマントを身に付けている。
……が、どこか違う感じがする。
急いで門の前に行く。
「あ、あのう。どなた様でしょうか。」
『我輩は、ワールドゼロを纏める天界[ワールドインフィニティ]からやって来た、セヒィー・ゼロと申す。』
「は、はぁ。それで、何かご用で………。」
『…………………っ!お兄様!』
後ろで[ゼロ]が言う。
「えっ…………えっ!?『お兄様』!?」
思わず大声を出す。
『久々だな、ルシアル。』
「ルシアルって……もしかして、[ゼロ]さんの本名?」
『…………ええ。』
「すいません、とりあえず中でお話しましょう。」
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[セヒィー]を家へ招き入れる。
[ゼロ]と[ワン]も家へ呼ぶように、と[セヒィー]が言うので二人も呼び寄せた。
「……それで、用件とは?」
しずくは、改めて聞く。
『それは、ルシアルから話した方がよろしいのでは?』
[セヒィー]が言う。
『………。』
[ゼロ]は口をつむぐ。
それを見た[セヒィー]は呆れた顔を見せた。
『仕方あるまい、我輩から説明しよう。………結論から申すと、貴女方の世界は、我々天界の天界法にとっては「違法」という立ち位置になっているのだ。』
「私達の世界、天界にとっては違法………?それってどういう事?」
頭の中が混乱する。
『今、過去に抹消した町を再生しているだろう?』
「それが、どう言う………」
『本当は、天界の憲法ではやっちゃいけないことなのよ。町の甦生は。』
[ゼロ]が口を開く。
「…………どうして!?皆はまた生活出来て喜んでいるのに!」
しずくは声を荒立てる。
『天界法第三条[過去に抹消された世界は、二度と復活する事を禁ずる]……我々天界人は、それぞれ一つの世界しか持てないのだ。』
「そ、そんなぁ………。私は、抹消された皆と一緒に過ごしたかっただけなのに。」
『………事実でよろしいな。』
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『天界様に、この事はご報告する。処分は追々伝える。』
[セヒィー]はしずく町を去った。
『ごめんね、しずくさん。厄介な事に巻き込んでしまって。』
[ゼロ]が言う。
「………でも、どうして違法だと知ってて私の意見を……。」
『貴女に、期待をしていたの。』
「期待?」
[ゼロ]は頷く。
『引き渡す時に行った作戦、あったわよね。』
「煙幕巻き付け作戦」の事だ。
『あんな抵抗は、今まで無くてね。凄い考えを持った持ち主だ、と思ったのよ。だから、貴女の意見を飲んだ訳よ。本来は違法だと知っててね。』
「[ゼロ]さん………。」
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『天界様、ルシアルの世界の違法は確かな物でした。………処遇はどうしましょう。』
『………ルシアルの天界追放、そしてその世界の抹消を命ずる。』
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こぼれ話:ワールドゼロのあれこれ
◦天界[ワールドインフィニティ]
ワールドゼロを統括する世界。
◦ワールドゼロ
長らくゼロ家、シファ家が世界を造り出すようにしている。
◦天界法
ワールドゼロを造る際の法律。これを破ると、世界、天界人もろとも抹消されかねない。
◦魔術師の存在
「世界の試験」を行うために必要な存在。ゼロ家にはワン家、シファ家にはルウェ家が従えている。




