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No.29 [鍛冶者の挑戦]

しずく町の鍛冶室では、新たな挑戦が行われようとしている。


それは、『人それぞれの特性を活かした剣を作る』事。

握った時の握力加減、持ち方の癖、振り方、それに似合う切れ味。

それを調べて、『その人だけ』の剣を作ろうと考えた。


「ミシャル、その計画やれそうか?」

ワイダが聞く。


「やってみないと分かりませんが……石の特性を最大限に生かせた剣以外にも、作ってみたいのです。」


ワイダは、ミシャルをじっと見て、頷いた。


「………その眼、真剣だな。分かった、やってみよう!」


「はい!」


▪▪▪


手始めに、しずくとアールガイの剣を作ることにした。

鍛冶室に呼び出して、その計画を話した。


「私だけの剣、か………。」


「ワイダ殿、ミシャル殿なら作れそうですな。」


「そうだね。作って貰いましょうか。」


「では、調べさせてください。」

二人は頷いた。


▪▪▪


癖や握力など、事細かく調べあげる。


「これ、一人一人にやるの……中々大変ね。」

調べている最中、しずくが呟く。


「姐さん、アール兄さん以外は………希望者を募らせます。」

しずくは頷く。


「しかしまあ、今現在の剣でも十分とは思いますがな。」

アールガイが言う。


「それはそう、ですが………。実は、上手く扱えないって話をたまに聞くのです。」


「おや、それは初耳だな。」

ワイダが言う。


「同じ剣でも扱い方が違えば、性能に大きく違いが出ます。……だから、人に合わせた剣を作りたいと思ったのです。」


▪▪▪


調べあげたところで、それに似合った石を調合して剣を作る。


「………案外、直ぐに調合出来るのだな。」

アールガイが感心する。


「本当ね。」


その日のうちに、二人分の剣が出来た。


「これが、姐さん用。こっちがアール兄さん用です。」


二人はそれぞれの剣を持った。


「凄い!この剣、持ちやすい………!」


「ほぉ。これは振りやすいな。」


剣を交換してみると…


「これ、ちょっと重い。持ちにくいし、振りにくい。」


「確かに持ちにくいな。剣としては軽すぎる気がするが。」


反応を見たミシャルは笑顔を見せた。


「………成功だな、ミシャル。」

ワイダが言う。


「はい。……これで、皆にもそれぞれの剣を作れます!」

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