No.23 [異変からの目覚め、それから]
アールガイを襲った異変は、しずくの身を挺した事により終息した。
「とにかく、元に戻れて良かったです。」
しずくが言う。
「でも、どうしてこんなことに?」
アールガイはあったことを話した。
「………………誰かに、魔法で呪いをかけられた、と。」
「はい。どうにも『自分の意思』では身動きが出来なくなってしまって。」
「でも、よく姐さんの言葉で元に戻れましたね。」
ミシャルが言う。
「本当に。これでダメだったら、私はもう……。」
「『意思』が働いて良かったですな。」
「もう一つ気になるのが………。」
案内人の、[ゼロ]が関わっている事だ。
もしかしたら、[ゼロ]の手下がアールガイに呪いをかけたのか。
「…………そろそろ、世界が滅ぶのか?」
アールガイが呟く。
「それは分かりません。これからって所で………。」
▪▪▪
その翌日。
「しずく殿、門の前に誰か居ますぞ?」
アールガイが言った。
自分の家は丘の上に建てており、門の外が見える。
マントを身に纏った二人組が見える。
「誰だろ……。」
「一人、見覚えがあります。」
「もしかして、魔法の件?」
「ええ。」
しずくとアールガイが急いで門の外へ出る。
「あの、この世界の人間では無いですよね………。あなた達は?」
しずくが話しかける。
『あら、わたくしの事を覚えていない………?』
声を聞いて察した。
「[ゼロ]………!?」
『まぁ、姿を見せなかったから、外観見せても分からないわよね。あと、この人はわたくしの側近の[ワン]よ。』
[ワン]と呼ばれた人物は、会釈をした。
「………で、本日はどんな用件で?」
『この世界を、わたくしのモノにしたいと申し入れたいと思いまして。』
「えっ…………えぇぇぇ!?」
▪▪▪
[ゼロ]と、[ワン]を家に迎え入れ、詳しい話を聞いた。
『実は、貴女以外にも………ワールドゼロに引き入れておりました。』
「その人達は?」
『試験を突破しなかったので、抹消しましたの。』
「試験、とは?」
アールガイが聞く。
『ドラゴンの来襲に耐えられるか、一人目の仲間を守れるか………。この二つです。』
「最初のドラゴンで無理だったの、余程の事よ。」
しずくの言葉に、アールガイは思わず笑う。
「で、[ゼロ]が私の世界をモノにしたいってのは……私がその試験に合格したから?」
『ええ。』
「【メロリア】の件、あれはなんだったの?」
『あれはわたくしが与えられる、唯一の能力だから。』
「[ワン]殿は、どういう立場で?側近だと言っていたが。」
『我は、魔術師としてゼロ様を支えておる。』
「…………それで、その話を断ったら?」
『それはもう、抹消しかありませんわ。』
しずくは、少し考えたのち
「二日間だけ、時間をください。」
と[ゼロ]に伝えた。
[ゼロ]と、[ワン]は町を去っていった。
「しずく殿、どうするのだね?」
「この世界は、絶対に渡したくない。と言っても、説得は出来ないと思う。………だから、強行突破よ。」




