No.18 [アールガイの日記]
「今日、農園の手伝いをしたと……」
アールガイは、そう日記を記す。
しずくと共に世界を開拓した時から、日記は欠かさず書いている。
些細な事でも、思ったことは書くようにはしている。
「アールガイさん、なにしているの?」
しずくが話しかけてきた。
「ああ、しずく殿。日記を記しているのです。」
「日記!いつの間に!?………でも、マメですね。」
「そうでしょうか。」
「見せて貰っても良いですか?」
「どうぞ。」
しずくは日記を読み始める。
「うわぁ、細かいなぁ。………あ、私の事も書いてある!」
それを読んだ途端、しずくは顔を真っ赤にした。
「わ、私………こう思われているのね。」
「気分を害してしまったのなら、申し訳ない。」
アールガイは頭を下げる。
「い、いいえ!あくまでも!あくまでも、アールガイさんの思ったこと、ですから!大丈夫!」
そう言うと、しずくは日記をアールガイに返して、その場を離れた。
(私、寝坊助に思われてるなんて……最近は早起き頑張ってるのにな……)
▪▪▪
「おや、万年筆のインクが無くなりかけておる。」
今日の日記を書いている途中で気がつく。
「仕方がない、商店街に行くか。」
街の文房具屋へ向かう。
「いらっしゃい。………ああ、アールガイさん。」
文房具屋の店主、ヒャレンが挨拶した。
「万年筆のインクを買いに来ました。」
「今使ってる物でいいかい。」
「ええ。」
ヒャレンは奥の部屋に行き、インクを持ってきた。
「万年筆にゃあ、誰も使わんから…インクは少ないがな。」
ヒャレンはそう呟いた。
「まあ、ここの住人は鉛筆だけで十分らしいからな。………金鉱石1つ交換で。」
この世界では、物の取引は『金鉱石』、『銀鉱石』で行われる。
『金鉱石』1個=『銀鉱石』100個の換算になっている。
「まいど。」
アールガイは、家へ帰っていった。




