No.16 [新聞製作現場の現状]
「う………うーん、これで今日の記事が纏められたわ!」
彼女の名は、コマメ・ミェン。
「元気バリバリの新聞記者、たまにラジオパーソナリティー」
と言う肩書きで活動している。
「はぁ、一人で纏めるの大変だわぁ。」
この世界の新聞記者は、コマメしか居ない。
最近は、誤字脱字や内容が面白くないと色々言われて………
「こうなったら、助手を探すわよ!」
そう言うと、コマメは作業部屋を出た。
▪▪▪
「と、言ったものの…。」
街へ出てきたが、当てもない中……どうしようか。
「あれ、コマメさん?」
後ろから女性の声が聞こえた。
「この声…しずくさん!」
「はい。この前のラジオ、ありがとうございました。とても楽しかったです!」
「いえぇ!こちらこそ!」
「………で、今は何をしているのです?また取材か何か?」
「それはですね、実は………」
仕事の件をしずくに話した。
「助手ですか。………一人、心当たりがあります。」
「えぇ!?本当ですかっ!?」
「うん。今から案内しましょうか。」
「はい!」
▪▪▪
アパートの一室の玄関に着いた。
「この時間なら、もう学校は終わってるはず。」
しずくは、玄関のチャイムを鳴らす。
「マホカちゃん、私、しずくです。」
「は、はい……只今……」
部屋の住人が、ドアを開けた。メガネをかけた女子が出てきた。
この世界の高校の制服を着ている。
「しずくさん、こんにちは。……あと、確か記者の………。」
「えっと、コマメ・ミェンと言います。」
「………あの、私に何かご用で?」
「ちょっとお話したくて。」
「わかりました、中へどうぞ。」
マホカと呼ばれたその子は、部屋の中に案内した。
「マホカさん、でしたっけ。独り暮らし…?」
「いいえ、お母さんは商店街で働いていますし、お父さんは炭鉱街に居ます。………こちらへ。」
二人はリビングの机に、座る。
マホカはお茶を淹れて持ってきた。
「さて、お話と言うのが、コマメさん………新聞製作が大変らしいのよ。」
しずくが言う。
「もしかして、私………学校で新聞をやっているから?」
マホカが言った。
「察しがいいね、マホカちゃん。コマメさんのお手伝い……してくれるかな。」
「マホカさんが、よ、良ければ!よろしくお願いします!」
コマメは深く頭を下げた。
「………えぇ!?私が………!?」
「勿論、学業を優先して構いません。誤字脱字の見直し、ネタ探しとか……やれる範囲で構いません。」
マホカは少し悩んだが、
「わ、私で良ければ!!」
と承諾してくれた。
▪▪▪
「そう言えば、なんでマホカさんが新聞をやっている事を知っていたんです?」
マホカの家を出たとき、コマメはしずくに聞いた。
「それはね、前に学校を訪れた時……見かけたのよ、マホカさんの新聞。学校新聞ってやつだけど、丁寧に作られててね。」
「なるほど。」
「で、新聞の事、ちょっと前にお話したことがあるんだけどね。実は…コマメさんの新聞を参考にしてるって。構図とか、そういうの。」
「え、本当に?」
しずくは頷いた。
「いつか、コマメさんみたいな新聞記者になりたいって言ってたから、助手を探してるって聞いたとき……思い付いたの。」
▪▪▪
「ただいま、マホカ。」
マホカのお母さんが帰った。
「お帰り、お母さん………あ、あの。」
「どうしたの?」
マホカはさっきの事を話した。
「あら、そうなの。あのコマメさんがね。………マホカが決めた事、お母さんは応援するから、頑張りなさい。」
「うん。」




