No.9 [私、製鉄場を造る]
「製鉄場は、確か…オリア山、リリア山の間でしたよね。」
製鉄場の着工が始まる。
着工は、しずくとミシャル、鍛冶者として迎えたワイダ・アジェが担当することになった。
ミシャルは、鍛冶者のワイダに弟子入りしたいと言うことで、今日は連れてきた。
オリア山とリリア山は、どちらも鉱石を採るために造られた山だ。
鉱石は何種類か採れるようにしてあり、それを幾つか組み合わせて刃物を作るように方法がとられた。
「製鉄場には鍛造室を二箇所設けましょう。分散化した方が、様々な刃物が出来上がるかもしれない。」
「そう言えば、炭鉱街としても兼ねる話でしたよな。」
ワイダが言う。
「ええ。」
「なら、人がさらに必要なのでは…?」
ミシャルが言った。
「そうね。炭鉱街側の住人を増やしておきましょうか。」
基礎的な話が纏まった上で、製鉄場…もとい、炭鉱街を造り始めた。
▪▪▪
「………。」
「あれ、アール兄さん。どうかしたんですか?街の方は?」
ミシャルがアールガイを見つけて話しかけた。
アールガイは街の警備を頼んでいた。
「しずく殿が心配でな。」
「えっ…?しずく姐さんが心配?」
「しずく殿には内緒ですぞ。」
「内緒にはしますけど…」
「ミシャルさーん!ちょっと見てもらいたい物がー!」
しずくの声が聞こえる。
「はーい!……すいません、アール兄さん。」
「分かった。行ってらっしゃい。」
ミシャルは会釈をして、その場を去った。
▪▪▪
「よし、後は住人を迎えるだけか。」
ワイダが言った。
辺りはすっかり夜になっていたが、製鉄場を含めた…炭鉱街が出来上がった。
ワイダの言う通り、後は住人を迎えるだけだ。
「疲れたぁ…。」
ミシャルが呟いた。
「皆、お疲れ様。………私達は今日、この街で休みましょう。」
二人は頷いた。




