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帰宅

 アクセル・フォンと遭遇後、騎士団の人達が出動してきたらしく混乱は収まった。収まったのを確認された僕達は各自の家の帰った。家に帰り屋敷に入るや否や家族や使用人の人達が全員心配そうにこっちに向かっくる。


「レイちゃん!!」


「レイ!!」


「お兄様!!」


「「坊ちゃま!!」」


「みんな、ただいま」


 とりあえず僕が大きな怪我をしてないことが分かったのだろう、皆安心した表情を浮かべた。母さんに至っては僕の声を聞いた途端、少しバランスを崩しかけてラウラが慌てながらも支える。


「母さん大丈夫!?」


「え、えぇ大丈夫……良かったわ……」


「本当にそうですよ、お兄様。さっきまて私達は気が気でなかったのですから」


「とりあえずレイちゃんに何事も無かったようでよかった。フローレンスさんや他のみんなはどうだい?」


「他のみんなも怪我してないよ。それにオピニルさんに鍛えられているからね」


 自分で言うのも変だがオピニルさんに時間があれば鍛えてもらっているので、そう簡単に怪我をするつもりはない。皆を安心させるために言ったつもりだったのだがそれを聞いたオピニルさんは何とも言えない表情になった。


「レイお坊ちゃま、その言葉を聞いて私は嬉しいと思う反面、とても心配になるのですぞ。これ以上先の短い私をヒヤヒヤさせないでもらいたいものです」


 そうオピニルさんが言うと結構本当なのだと思い少し反省する。


「う、うん気をつけます……あっ、父さん」


「何だい?」


「あとで話したいことあるから父さんの部屋言ってもいい?」


「構わないよ、先に着替えてきた方がよさそうだね」


「そうする」





 ちょっと過保護になりかけて自室までついてこようとする皆を説得させて1人で浴衣から普段着に着替る。そして着替えると父さんの部屋に向かった。


コンコン


「入ってきていいよ」


 一応ノックしてから部屋に入る。中に入ると中央の机に父さんが穏やかな表情でいた。


「で、話したい内容はなんだい?」


「アクセル・フォンは今どうしているの?」


「アクセル・フォン? 彼は今最下層の地下牢に入牢しているはずだよ。

ーーって、まさか」


 父さんは僕の言いたいことが分かったらしく表情を険しくした。


「今日さアクセル・フォンに出会った。姿だけじゃなくて声も聴いた」


「いやいやまさかあり得ない、彼がいるのは凶悪犯を二度と世間に出さないための最下層の地下牢だ」


 この国では凶悪犯罪を起こした者は地下牢に入れられる。起こした事件が凶悪な程、階数は下になっていく、アクセル・フォンの場合は僕を襲った以外にも色々と危ない事をしていたらしく魔力の高さも加味され最下層に入れられたとのことだ。


「そもそもあそこから抜けるのにどれだけの時間がかかるか……複雑に入り組んだ通路に、入る度に魔法によって正しい道は変わるはずなんだ、それに罪人は全員魔法を封じる特殊な牢屋の中だ」


 それは最早地下牢ではなくダンジョンなのでは? と思ってしまう僕だったがそこまでしないと魔法を使える凶悪犯を抑える事は出来ないのだろう。父さんがここまでありえないと言うのだが僕の中では1つこんな事を出来る存在が思いついた。


(あのクソ神の仲間ならあり得るか……)


 あの神達は元の世界からゲームの世界に転生させることが出来るぐらいだ、この世界の脱獄不可能と言われる地下牢からアクセル・フォンを脱獄させることぐらい可能なのだと思う。


(だけどあいつとはあの事件以降会ってない……いや会ってないというよりも話してないな)


 あの神から連絡が来るときはあっちからいきなり連絡が来るが、こっちから連絡は出来ない。前に何度か試したが全て失敗。まぁ今まで問題が起きてなかったので良かったが今回は別だ。なんて思っていると父さんは僕に伺うように話を振ってくる。


「ねぇ本当にレイちゃんが見たのはアクセル・フォンだったんだよね?」


「うん、あの声にあの姿、忘れるわけないよ」


 なんせ僕はあの男に殺されかけたので忘れるはずもない。


「嘘だと思いたいが、レイちゃんが嘘を言う人間だと思わない……ってことは本当に脱獄したのか?」


「だと思う、父さんの権限で調べる事は出来ないの?」


 政務官の父さんなら権限を使えば調べることが可能なのではと軽く考えたのだが父さんは首を横に振った。


「ごめん、私の仕事は財政担当なんだ。地下牢の管理は法律担当のアルクだね」


「そうなんだ……ごめん」


 流石に管轄外のところは無理かと思っていると父さんは“まてまて”と手を振る。


「まぁでもアルクなら聞けば教えてくれると思うから聞いてみるよ

ーー出来ればレイちゃんが見たのは別人であると思いたいね」


「だったら僕も助かるんだけどな……」


「とりあえずアクセルの件は私に任せて。レイちゃんは疲れているだろうし早く寝なさい」


 言われてみて、そう言えば今まで殆ど休んでいなかったことに気づき、そして気づいた途端急に疲れがやってきた。そろそろ限界だと思った僕は自室に戻る事に決める。


「そうする、お休み父さん」


「あぁお休みレイちゃん、お疲れ様」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 パタンと扉が閉まる。レイが部屋から出るとその瞬間、私はため息をついた。


「アクセル・フォンが脱獄だと……そんな馬鹿なことがあってたまるものか」


 だが自分の息子が変な嘘をつかない性格だという事も親である自分がよく知っている。


「明日あいつに聞いてみるか」


 そうと決まれば明日のために自分も早く寝ることにしよう。息子には“早く寝なさい”と言ったが実を言うと自分も長時間の緊張が解けて疲れがドッと来たところなのである。


「もし本当だとしたら、レイちゃんに近づけさせるものか。

ーー親として、この国の政務官として子供に危害は加えさせない」

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