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夏祭り 1

 ミラと別れた後、僕達は屋台の方に足を運んだ。そこでは様々な種類の屋台と共に沢山の人々が楽しそうな笑顔を浮かべていた。大体の人が浴衣を着ているので本当に夏祭りに来たんだと実感する。


「わぁ……見てください沢山の屋台がありますよ!!」


「うん、沢山あるね。まず何を食べようか」


 綿あめ、焼きそば、たこ焼き、りんご飴、クレーブ等々、ザ・夏祭りの屋台で売っているであろう食べ物が沢山並んでいる。全部食べたいと思うがそうすると財布と腹の容量的に厳しいだろう。というか西洋の世界観をモチーフにしているのに屋台とかは日本で売られているものばかりだ。


「では初めは……

ーーじゃがバタで」


 まさかの最初じゃがバタ。


「いきなり重たいのきたね、いいよ行こうか」


「はい、行きましょう!!」


 個人的に最初はかき氷やリンゴ飴などの軽めの食べ物かなと思っていたのだが最初から重ための食べ物を選ぶとは思わなかった。実はフローレンスは見た目の割に結構食べるのだが不思議なことに身体つきは出るところは出て、引っ込むところは引っ込んでいる。いつかは彼女の生まれたままの姿を見たいなぁ……と思いながら恥ずかしくて言えない、今日この頃。


(いやだってさ普通見たいじゃんか……自分の好きな彼女なら尚更だよ)


 ゲームの話だがフローレンスの胸はアリーヌ先輩の次に大きい。制服の上からも分かるぐらいの大きさであり、水着姿でもその姿はもう凄かった。健全な男子ならそう思っても仕方ないはず。


「どうしたんですかレイ?」


「え、えっ何か変だった僕?」


「鼻の下が伸びていました」


「……本当に?」


「えぇ本当です

ーー貴方は一体、何を考えていたんですかねぇ……?」


 とジト目で見られる僕。まさかやましい事を考えていたのがバレたのか……?


「レイ?」


「は、はい……?」


 祭りが始まり早々、嫌な汗をかく僕。


「貴方、さっきまで私以外の女の人見ていましたよね?」


「はい、すみま……

ーーはい?」


 自分が考えていた事と違う事に思わず、変な声を出してしまう。


(ん? “私以外の女の人見ていましたよね?”どういう意味だ?)


 とりあえず彼女の話を聞くことにする僕。


「確かにこのお祭りには美人な女の人が沢山いますが、貴方の隣には彼女の私がいるんですよ? それなのに何故!! 私以外の女の人を見て鼻を伸ばしているんですか!?」


「あ、あれ……?」


 僕はてっきりフローレンスの事を変な目で見ていたことがバレたのかと思っていたのだが、彼女が怒っている理由は違うみたいだ。どうやらフローレンスは僕が彼女以外の女性を見ていて鼻を伸ばしていると思っているようである。


(なんか勘違いされているけど……ここはフローレンスの勘違いに載っておこう)


「はい、見ていました」


「もう……寛大な私だから許してあげます」


 “寛大”という言葉に妙な引っかかりを感じるがここで変に反論しようものなら、口論になりかねないし僕がいつボロを出してさっき思っていたがバレるかもしれないのでここは黙っておく。


「罰としてじゃがバタ3個買ってください、それで許してあげます」


「寛大とは一体……まぁそれで許してくれるなら良いよ」


「よしっ、じゃあ行きますよ~!!」


 と僕の手を引きじゃがバタを売っている店に向かうフローレンス。まぁ今僕が考えていたことがバレたら最悪別れ話に発展しかねないのでバレずに済むなら、これぐらいの出費は軽いものだ。父さんに甘えてお小遣い少し多めにもらっておいて助かったと素直に思う。ただもらう際に耳元で


“屋敷の離れの鍵を渡しておくね。まぁ察しなさい”


なんていうものだから自分の父親に対して少し軽蔑の視線を向けた。父さんの言いたいことの意味は分かるがそれを自分の子供に言うかのだろうか。そのまま鍵を受け取った僕も僕だが。そしてそのカギは今僕の巾着袋の中に入っている。


「じゃがバタ、じゃがバタ、じゃがバタ~」


「はいはい……ふぅ」


 じゃがバタが食べれると思って呑気なフローレンスとは逆に思っている事がバレなくてほっとしている僕。勝手な僕の想像だが彼女はそう言う知識に疎いであろうからそういう事をしたいという考えには至らないだろう。それに僕が変にがっついて彼女に嫌われたくない。


(純粋なこの子に自分の欲をぶつける訳にはいかないよね……ここは僕が我慢しないとね)


 それに僕は彼女の事が純粋に好きで、そういうことをしたいから付き合ったわけではない。


「さぁさぁ行きますよ~じゃがバタが私達を待っています」


「はいはい行きますよ」


(今回はこの鍵の出番はないかな……今日は純粋に祭りを楽しもう)


 そう考えた僕は離れの鍵を巾着袋の一番下にしまい込むとフローレンスに手を引かれるがままじゃがバタを買いに行くのであった。

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