第3Q バスケとの出会い
これは武がまだ逆行する前のバスケとの出会いの話である
高校入学初日、武は髪を坊主にしていた。野球部に入るためである。空手の+アルファになるからということで、部活を勧められているのだ。武は中学時代はハンドボール部に所属していた。中学時代、武としては野球部に入りたかったのだが、武は運動神経があまりよくなかったので野球部では歓迎されなかった。仕方なくハンドボール部に入った。
空中の格闘技と言われるハンドボール部に入ったことで走らされ、吹っ飛ばされた武だが、おかげで運動神経が多少は改善され、フィジカルも強くなった。そして、何より肩力がついたことだった。野球部のやつにも遠投で負けなくなっていた・・・ダイ以外には
中三の春休み
ダイに協力してもらい基礎はある程度固めてきた
「野球部は入りたいやつはこちらに並べ」
コーチの声がする
一通りの説明が終わった
「質問があるやつはいるか?」
「はいっ」
武が手を上げる
「そこのお前なんだ言ってみろ」
「自分は初心者なのですが大丈夫でしょうか?」
「やる気があれば問題ない。見たところいい身体をしているようだが何をやっていた?」
「空手です」
「そうか。それで辞めてきたのか?」
「いいえ、続けるつもりです」
「何だと!!」
コーチの顔が鬼の形相になる
「貴様舐めてるのか!!そんな中途半端なやつはいらん!!帰れ」
「分かりました。失礼します。ダイごめん」
武は去っていた。
舐めてねぇよ!!なんで空手をしてたらだめなんだよ!!ふざけるな!!
武は不機嫌になったが次の部活を探す
文化系も悪くないな。囲碁部に入ろう
武は囲碁の漫画を見ていたので囲碁部に入ることを決意し部室に行くことにした
「あれ?部室がないぞ」
武がアタフタしていると
「囲碁部なら去年潰れたよ」
通りかかった先生が教えてくれた
部活どうしよう
武の高校は部活参加は義務付けられていなかったが部活見学だけは義務付けられていた。
「ハンドボールに近いスポーツっていったらバスケかサッカーだな。バスケにするか」
武は部室に向かう
バスケ部の部室にいくと部員が何人かいた。
「見学かな?」
キャプテンらしき人物が話しかけてくる
「はい。そうです」
「三年はオレ一人だけだからね。歓迎するよ」
「よろしくお願いします」
着替えようとすると
ボールの音がする。どうやらパス練習をしているようだ
「おい、悠翔、ケビンやめろ、部室の前でパス練するな!!」
キャプテンが注意する
「すみません。悠翔やめようよ」
「大丈夫だよ。ボールを落とすわけじゃないし」
ケビンと呼ばれた男は止めるが悠翔と呼ばれる男は辞めようとせず続ける
「おい、貴様ら何をしている!!」
監督らしき人がきた
「連帯責任だ、貴様らグラウンド五十周してこい!!部活見学にきている貴様らお前らもだ!!」
「(ウソだろ??理不尽すぎる)」
武たち見学にきていた一年生たちも走らさせられる。しかも制服で
受験勉強でなまった身体に広いグラウンド五十周はきつかった
「(絶対こんな部入らない)」
武は怒りをこらえながら走っている
武の前のほうで悠翔がケビンをドついている
「おいケビン、お前がチンタラしているからだぞ。これで一年生たちが入らなかったらお前のせいだからな!!」
ケビンが走るペースを落としてこちらにくる
「さっきはごめんよ。普段はこんなんじゃないからバスケ部入ってね」
「(ここで入らなかったらこの先輩いじめられるんだろうな。仕方ないか)分かりました入ります」
こうして武はバスケ部に入った
バスケットは難しかったがハンドボールと似ている部分もあるため思ってたよりは動けた。シュートは中々入らなかったり、ハンドボールは三歩まで歩けるのに対しバスケは二歩までなのでトラベリングが絶えなかったが
監督は厳しかったが、先輩たちは優しかった。悠翔も性格はあまりいいとはいえなかったがバスケの腕は本物だった。
意外なことにこのバスケ部は強かった。三年生はキャプテン一人だけだったが二年生が上手かった
キャプテンの代は二回戦で強豪と当たり負けてしまったが、二年生のスタメンが四人残るためにそこら辺のチームには負けなかった
恵まれた環境の中で武は持ち前の根性と負けん気でメキメキ成長していった。
入部して半年が過ぎた頃
「如月ちょっとこい」
監督に呼ばれる
「今から、お前にインサイドプレーを教える。お前は背が低いがフィジカルは強い。このプレーはお前の武器となるはずだ」
監督からインサイドプレーをマンツーマンで叩き込まれ、武はC、PFになった
ベンチに空きがあったため武はユニフォームをもらえ、ベンチ入りしていた。先輩たちは強かったため、第4Qは武にも出番が回ってくる。
しかし、高校からバスケを始めた武は経験値の差や身長差でやられまっくていた。
簡単なフェイクに引っかかってしまったり、ドライブであっさり抜かれてしまう。時には五分で四ファールしてしまうほどだった
試合で悔しい思いをするたびに武は練習に没頭した。
何でもっと早くバスケを始めなかったんだと自分を責め、がむしゃらに練習した
そして一年の終わりの公式戦
残り4Q残り四分で武に出番が来る
インサイドでゴールに背を向けて受けた武が持ち前のフィジカルで相手をゴリゴリと押していく。そこからターンしてリングに身体を向けてシュートモーションに入る
相手が跳んだのを見計らってシュートを打つ
ドッ
スポッ
リングの小さな四隅のところに当てるバンクショットが決まる!!
武の公式戦初得点が決まる
「よっしゃ!!!」
武が叫ぶ
このシュートがきっかけで武はバスケが好きになり、はまった瞬間だった
時が過ぎ、二年次のインターハイ予選時
スタメンが四人残り、ベスト四も夢ではないと言われていたバスケ部だったがとある事件をきっかけに二回戦で敗退
「如月お前が新チームのキャプテンだ」
監督からの指名を受ける
「僕の実力ではみんなを引っ張っていけません」
武が即答する
「プレー面ではお前に期待していない。ゲームキャプテンは稲尾に任せる。お前はその熱い気持ちと情熱でみんなをまとめてほしい」
「(プレー面を期待していないてのは悔しいけど)分かりました」
こうして武はキャプテンとなった。
新チームになり、チームは大幅に弱体化した。キャプテンの責任感からか武は練習量を増やしたが中々プレータイムがもらえなかった
冬の公式戦
チームはボロボロだった。今までは強い先輩たちがゲームを作ってくれてたが今はいない。稲尾の個人技だけで何とか持ってる状態だ
「如月いくぞ」
「はい」
武がコートに入る
「みんな、もっと声出していこう。DF!!ここ頑張ろう」
武がチームを鼓舞する
相手のシュートが外れる
「慌てるな、先ずはしっかりボックスしよう」
皆がボックスアウト(身体を使って相手を押し出す)する
リバウンドは武がとり、稲尾に出す
オフェンスに入る
「逆サイドスクリーン使っていこう。動け動け!!稲尾を孤立させるな」
武の声がチームを鼓舞する
武の積極的にルーズボールに飛び込む姿がチームに火をつける
八分たって武が交代する
「よくやった!!お前がいてくれて良かったよ」
監督の言葉に武が喜んだ
この試合以降、武はシックスマンに定着し、プレータイムが増えた
武たちの最後のインターハイ予選一回戦
第4Q残り15秒 67対68で1点ビハインド
稲尾がボールをキープしてる。
(今だ)
武がスクリーンを使いフリーになる
稲尾からパスが入る
ミドルレンジでボールを受けた武は受けた瞬間に直感する
「(今、打てば入る)」
苦手な位置からのミドルシュートを打つ
「バカ!!はえーよ」
稲尾が叫ぶ!!
スポッ
きれいに決まる
「(よし。DFだ。あれ?オレのマークマンがいない)」
武のマークマンは武がシュートを打った瞬間に走っていた
「誰か頼む!!!」
武が叫ぶが6人目の敵とも言えるスタンドからの応援に打ち消される
武のマークマンがそのままレイアップを決めて逆点し試合が終了する。
一回戦負けが決定した
「(オレのせいだ)」
武が人生で一番凹む。凹んだ状態で終了のあいさつした
「(今のオレはキャプテンなんだ。最後までしっかりしろ)顔を上げろみんな!!あいさついくぞ!!集合」
相手チームのところにあいさつにいく
「姿勢!!礼!!」
「「「「「ありがとうございました。」」」」」
「いい試合だったぞ」
「感動をありがとう」
「4番よくやったぞ」
相手チームの応援席がオレにエールを送ってくれた
「(敵なのにオレを褒めてくている?)」
そのまま自軍の応援席にいきあいさつを済ませ、監督の元に最後のあいさつだ
「なぜ負けたか分かるか?お前らの普段の態度が悪いから今日みたいな細かいミスをおこすんだよ」
死人に鞭をうってきた??その言葉にイラッとする武
「でも、お前らにしてはよくやったんじゃないか」
その言葉にオレも、三年生も泣き崩れた
中学の最後の試合泣いているのはオレだけだった
弱小で負けるのが当たり前
オレは泣いているチームメイトを見て思った
いいチームメイトに出会えたと
武は敵の応援団からエールをもらったこと、いいチームメイトと出会えたことに感謝し
一生バスケを続けていくことを誓ったのだ
<キャラクター紹介>
中田 悠翔183cm 75kg SF、PG、SG、PF
武の1個上の先輩でバスケ部のエースだった男。性格に難があるが、実力は本物
県選抜の候補にも入る
毛野 順 173cm 69kg SG、PG
武の1個上の先輩であだ名はケビン。3Pが得意と本人はいうが確率は高くない




