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23、 カッコつけさせて


ああ、 やってしまった……。



100%自分が悪いのは自覚している。


言い方もキツかったし、 デリカシーが無かった。

ハナが怒るのも無理はないだろう。



だけどさ……


ハナが自分から試合に来たいだなんて言ったこと、 今まで無かったじゃん。

そういうのに全く興味なかっただろ?

急にどうした?! って思って狼狽(うろた)えたって仕方ないと思わないか?



それに、 いくら俺の言い方に腹が立ったとしても、『バカヤロウ』の捨て台詞を残して帰ることないだろう。



だってさ……


俺だって男だからさ。

やっぱり好きな子にはカッコ悪いところなんか見せたくないんだよ。


初めての試合でボロ負けした時に思ったんだ。


『ああ、 ハナが風邪をひいてくれて良かった』って。



大事な子が病気になったのを喜ぶなんて最低だろ?


俺もそんな自分にガッカリしたさ。


だから、 もう2度とそんなダサい真似はしたくないんだ。



足首を痛めて本調子じゃない試合なんて、 絶対に見せるもんか。


もしも目の前で無様(ぶざま)に負けたりしたらさ、アイツは絶対に自分を責めるだろ?



俺が好きな子を助けるために勝手に足首を(ひね)っただけなのに、 アイツは何度も何度も謝るからさ…… もうこれ以上、『ごめん』だなんて言わせたくないんだ。



今度ハナを試合に呼ぶときは、 笑顔で『おめでとう』って言って欲しいから…… 俺はもっと強くなるし、 そのために今まで以上に努力する。



いつか本当に自信が持てたら、 見栄(みえ)だけじゃなくて本当の実力がついたら、 引っ張ってでもお前を試合に連れて行くから…… だから、 もう少しだけ待っててよ。



もうちょっとだけ…… カッコつけさせて。



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