第28話 〜別行動〈フユカ〉1〜
めちゃ遅れた。
みんなと別れてからフユカは1人、ギルドを出て行きとある場所へと向かっていた。ついさっき別れたばかりであるフィリア。が向かったレンブラント魔法学園へと向かっていたのだ。ほんのご飯派とも前なので恐らくだが一緒に行けるだろう。
フユカはフィリアが言っていた方向へと早歩きで向かった。フィリアの容姿はこの世界でも特徴的なのですぐに見つかるはずだ。
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歩き始めてから約2、3分ほどでフユカが求めていたフィリアが見つかった。今日は人通りが多いのか、はたまたいつも通りなのかは分からないが、とにかく人が多いことだけは確かだった。
しかし、その直後のことだった。フィリアが何者かに路地裏へと連れられたのは……
口を先にふさがれ声が出ない状態にしてから、そそくさと路地裏に逃げていたのだが、その光景を見ていた人も多少なりともいたのだ。勿論フユカもそのうちの1人だ。
ある男達が……服装から恐らくは冒険者と思われる男達がその路地裏に入っていった。
そしてその後、時間にしてわずか15秒ほどで、その男達は武器や防具が無い状態で路地裏から出て来た。
その冒険者達の強さは分からないが、少なくともあの一瞬で冒険者達……冒険者五人組を無力化したことになる。一応可能性として、あの路地裏に他の仲間がいるという可能性はあるが…………
それ以降その路地裏へと入ろうとする者はいなかった。もしかすると先ほどの冒険者達はそこそこ有名だったのかもしれない。
「フィリア………」
フユカは不安になった。正直言ってフユカは戦闘においては、ダメダメなのだ。
簡単に言えば裏方。表で戦うハルトのサポート、表で動画を作るナツミのサポート。常にそんな立ち回りをしていたのだ。
しかしこの世界に来て、フユカは武器を手に入れた。初めてその武器と触れ合った時は体の底から相性がいいと思った……思えた。
この世界の『魔法』はフユカの武器となったのだ。
フユカは路地裏へと少々焦り気味で向かっていった。
「君、もしかしてあの子を助けるきかい?」
路地裏へ入ろうとした時、そんな声が聞こえた。
見た目はほぼ小学生の…細身の体の女の子が先ほどの出来事があった場所へ向かおうとしているのだ。当然止める者も現れてくる。
「……はい」
「辞めといたほうがいいよ。さっきの冒険者、あの人らはランクBのパーティーなんだったんだからな」
「……そ、うなんですか」
パーティーとは2人以上7人以下の人数で組まれたチームのことである。
また、8人以上で組まれたチームのことをクランという。
【パーティー】【クラン】のランクはそのチームに入っている冒険者のランクの平均となる。
「だからやめときな。お嬢ちゃんが行かなくても、この街の冒険者や騎士団の人たちが来てくれるさ」
「………分かった」
「それなら今は家に帰っーーーーー」
「…行ってくる」
「おい!話聞いてたのか!?」
「私を…はな、しを聞かない子だとでも?」
「嫌っ、でもねぇ……」
「だったら…………黙ってて」
「……きっ、気を付けろよ」
フユカの押しつぶされるような覇気にやられた男性は、ただただ忠告することしかできなかった。
一方フユカはその男性が何を言いたいかはよーく分かっていた。
つまりはお前には無理だと言うことだ。
さっきの男性が言った言葉はすべて、この言葉を濁らせたものだ。
しかし、そんな言葉。最強4人兄弟と呼ばれたフユカには全くもって関係ない。それほどの自信があるのだ。
【魔法】と言う武器にフユカはものすごく興味を持った。
もともとフユカはハルトの方が好きだったので、勿論ハルトの趣味であるアニメやラノベにも興味を抱いていた。
その為かは知らないが……とにかく今言えることはこの先、【魔法】はフユカにとっては切っても切れない関係になることは間違いない。
フユカは路地裏へと足を踏み出して行く。
勿論。何も考えずに路地裏へと行こうとしているわけではない。そうすれば自分は愚か、フィリアの命すら危うくなりうるのだ。
なので、フユカは頭の中でこう叫んだ。
『【完全なる計画】!!!』
レビューとかよろ




