第27話 〜別行動〈アキヤ〉3〜
休
「とりあえず適正属性もわかったことですし、一度この本を読んでみましょうか」
元の場所に戻ってきた2人は、近くのテーブルに置いてきた本を読むことにした。
タイトルは[魔道書]と実にシンプルだ。
ページをぱらりと開いた。作者の名前から目次など、最初に書いて有ることは地球にいた頃の普通の本となんら変わりはなかった。
まず初めに書いてあったのは哲学的な話やマナのことや使い方、魔法の適性などなど、初歩的なことだった。
ここら辺は把握して有るのでとりあえず目次を見て次のステップまで飛ばす。文字がパラパラ漫画のごとく流れていく。
[第一章 魔法を撃つ]
「この章は単純に魔法の撃ち方について話みたいですね」
「まあ、まずはこの章からだな」
『魔法を撃つのに必要なのは【集中力】だ。
【集中力】と魔法陣の知識、それと魔法を撃つイメージを鍛えれば魔法は撃てる』
ここまできてアキヤはページをめくった。めくりながらアキヤは頭の中で今見た文字を繰り返した。
一度見たことあるのか、ティーナは横で「うんうん」と頷きながら懐かしそうに見ていた。
『まずは初級魔法。
黒属性は“黒球”赤属性は“赤球”
青属性は“青球”緑属性は“緑球”
黄属性は“黄球”茶属性は“茶球”
紅属性は“紅球”
を撃てるようになれ』
「俺は黒属性だから黒球を撃てるようになればいいんだな」
「はい。この初級魔法は練習さえすれば幼少期から撃てるようになれる初歩の初歩の魔法です」
「やけにハードルを下げるな……」
「事実を述べたまでです」
そこまで言うってことは本当に初歩の初歩の魔法なのだろう。4人は幼少期をこの世界で暮らしていらず、あまりこの環境に慣れていないという大きなアドバンテージがある。
まあ、そんなアドバンテージ4人にとっては3日でなんとかなるようなものだが……
「とりあえずやってみるのが早いですね。訓練場……はしばらく使えないのでとりあえずここでやってみましょうか」
「何で訓練場が使えないんだ?」
「それは……ご本人から聞いてください」
そんなこと言われても誰に聞けばいいのかわからない!と、叫びたくなるが、アキヤにしては誰のことを言ってるかはこの場の状況と表情を見ただけでわかる。それにスキルの力を加えれば確率は100パーセントにより近くなる。いや、ほぼ100パーセントだ。
「まぁいいや。とりあえず試しにやってみるか」
「はい。“黒球”の魔法陣はこう書きます」
そう言いティーナは紙にスラスラっと魔法陣のようなものを書き出した。模様はいたってシンプルで、2つの円が…いわば二重丸を書き、その円と円の間にギザギザを入れるだけだ。
流石、初歩の初歩なだけある。
「とりあえずこれを頭の中に焼き付けて下さい。
それが出来たらこの魔法陣を思い浮かべながら真っ黒な、マナを凝縮したかのようなボールを想像して下さい」
「分かった」
アキヤは目を瞑りさっき見た魔法陣を思い浮かべた。
そしてその後真っ黒な…丸い丸い綺麗な球体を思い浮かべた。素材はマナだ。
アキヤは念入りに時間をかけてゆっくりとイメージを固めていった。
ただマナを集めるだけじゃない。1つ1つを糸で縫い合わすようなイメージで、、、
すると……
「おぉっ!出来たぞ!」
「ほっ、本当ですね!しかも初めてにしては大きい…というよりか平均レベルを超えています!」
「結構簡単だけどな」
「慣れればその大きさだって簡単ですが、初めてにしては本当に上出来です。普通なら1日かけて完成させる魔法ですよ」
いくら初歩の初歩といってもやはりそれくらいの時間は有するようだ。
「このままなら月魔法を覚えるのも早いですね」
「黒魔法の進化みたいなやつか、それに月魔法って簡単に言ったらどんな魔法なんだ?」
「簡単に言えば『美しい光』っていう感じでしょうか……光魔法や日魔法とはまた違う魔法ですね」
魔法というのは厳密いうと全て性質が全く違うらしい。細かな違いだが、その細かな違いを熟知しているものが強いという考え方もできるだろう。
「とりあえずそこに至るまでには魔法をずっと使ったかばいいんだな」
「そういうことですね」
「とりあえず、今日は色々とありがとなわざわざ教えてくれて」
「いえ、今日は少し規格外のことが多かったので軽い息抜きにはちょうど良かったです」
「ならよかった。それに、もう仕事に戻ったほうがいいんじゃないか?もうそろそろ混む時間だぞ」
「そうですね。では仕事に戻らせていただきます」
そうティーナが告げた瞬間。クエストから帰ってきたとされる冒険者たちがまるで、雪崩のごとくギルドの中へと入ってきた。
一応アキヤが3人+1人の分の席はとってあるので心配は要らない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そうして間も無く。フユカ、ガンバ、ハルト、ナツミ、の順で席に座っていった。
ブクマよろ。




