時間遡行
最近どれくらいいったら何文字かが分からないんですよ
時間遡行者
それはタイムスリップをすることができる人間の総称である
今の世界では確認されているのは一桁との噂もあり、国にいる時間遡行者の数が国の質とも呼ばれている
その競争に参加できるのも一桁の時間遡行者を持つ先進国のごく一部であるが
「それで今回の依頼は?」
本郷も、その数少ない『時間遡行者』の一人だった
最も、国に正式な申告はしてないので世界に存在する一桁に入っている訳でもないし、同じ様な時間遡行者はいるだろうが
「私の亡き妹の……三葉の最期の言葉を聞かせてほしいんです!」
時間遡行者のもとに来る依頼は大体そういうものだ
一時的に過去に戻れるという特殊な力を持っているのだから
遺言が聞きたいとか犯人が知りたいとかあの真相を教えてだとか
「はい…分かりました」
だからこそ
他人のパーソナルスペースに傷をつけずにするりと入っていける
これも時間遡行者の基礎スキルとも言えるだろう
「それでは……本日は立て込んでおりますのでまた後日という形でご連絡させて頂きます」
「ありがとうございます…」
時間遡行を仕事に使う人間は、希望せずとも他人の死と多く向き合うことになる
「……今日は特に何もないし暇だなー」
それに貴重な人材なので、多少のわがままも通る
今日は気分が乗り気じゃないから休み
そんなわがままでも幾らかは通る
「久しぶりに『あの場所』にでも行ってみるか」
今回だって1000文字くらい書いたと思ったのに600文字もいってないんだもん