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電車で
夢には二種類ある、というのは僕の自論だ。
一つは、自分が実際に何かを行っている感覚のある夢。
多くの人が、この夢を見るだろう。
今回、投稿した夢はもう一つのほうだった。
そのもう一つとは、
自分が客観的に何かしている自分を見る、という夢だ。
朝起きて、出かける予定だった僕は着替えて地下鉄の駅へと向かった。
駅で待ち合わせをしていた友人数名と合流し、ホームへと向かった。
ホームに着き一番前の車両に乗った僕らは発車時刻まで今日の予定について話していた。
時間になり、車掌による「ご注意下さい」が聞こえ扉が閉まろうとした時に、夢の中の僕が「さっ」と立ち上がり閉まる扉のレール部分に腰掛けた。
客観的に見ている僕には、夢の中の僕にどういう意図があったのかは分からない。
ただ一つ言える事は、どう考えても夢の中の僕の行動はおかしい。
話を戻そう。
当然のことのように僕が扉には閉まらない。
車掌が駆けつける。
「君、そこを退きなさい」
本当なら「はい、よろこんで」なのだが夢の中の僕はそんな僕の思いが届くことはなく、車掌の言葉を軽く無視した。