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グレイル・アイズ  作者: 九六式
交差する運命
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思わぬ再会






 目を開くと、僕は大自然の中にいた。


 日の光、草の匂い、風の音、何もかもがリアル。軽く手足を動かしてみるが、特に違和感も無い。


 しゃがんで足元に生い茂る雑草を掴み、むしる。


 まるで本物の様に、葉がちぎれた。


「凄いな、これ……」


 隣にいた深海にそう話しかけようとして、ハッとする。


 いない。深海だけじゃ無い、みんな居ない。


「おかしいな……」


ズシリ


 先日全員に配布されていた授業内容を確認するが、今の時間みんなそれぞれシュミレーター中の注意事項や自分のハウンドの取り扱いを説明されているはずだ。


 だから、おかしい。おかしいんだ。


「カロロロロロロ……」


 まだ何も説明を受けていないのに、魔獣と対峙するなんてことは。


「くっ……!」


 振り返らず、走り出す。


 入学前に受けた事前説明では、ここで負った傷は現実での僕の体には反映されないとのこと。しかもある程度ダメージを受けると強制的にシュミレーターから退室させられるらしい。


 だが、さっき雑草に触れた時のように、感触はほとんど現実と変わらない。


 つまり端的に言えば、殺されても死にはしないが死ぬほど痛い目に遭うということ。


「クソッ、速い!」


 ズシン、ズシンという重量感のある足音がどんどん近づいてくる。


「全く、随分な御挨拶ね」


 聞き覚えのある声が、すれ違う。


「えっ!?」


 振り返ると同時に、魔獣の首が落ちる。そして、そこにはあの日と同じ黒装束の少女が。


 オルカ。街中で魔獣に襲われた僕を助けてくれた人物。


 先日はズボンを履いていた様な気がするが、今日は制服のスカートを履いている。シュミレーター内に現れたと言う事は、学園の関係者だったのか?


「貴方、この学園で誰かから恨みでも買った?」

「う、恨み!?いや、心当たりは無い、ですけど……え?」


 まさか、これは不具合(バグ)ではなく、人為的な出来事だと言うのか。


「あくまで可能性の話。あのクラスで貴方だけが居なかった」


 刀を納刀するとこちらに振り返る。


「まだ時間がかかりそうだし、せっかくだからコソ練でもどうかしら?」

「コソ練、というと?」

「ただでさえ貴方は1時間分授業を無駄にしてしまっている。他の子に差をつけられたく無いでしょう?それに」


 狩人を目指すのなら、自分の身くらい守れる術を身につけないと。






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