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グレイル・アイズ  作者: 九六式
交差する運命
14/19

飛燕の令嬢


 


「相変わらず豪華だな……」


 せっせと包を開いて、弁当を広げる燕翔寺を見て呟く。


 まるで運動会に来た家族が持ってきそうな、3段弁当。中にはこれまた美味しそうな料理が所狭しと敷き詰められている。


「毎日凄いわぁ……」


 根間から感嘆の声が上がるが、全くの同意見だ。


「さあ皆様、沢山食べて下さい」

「んじゃ遠慮なく!」


 本当に遠慮なく自分の弁当箱にヒョイヒョイと料理を乗せる根間。


 燕翔寺の弁当を当てにしてるのか、コイツの弁当箱はここの所いつも空だ。流石にどうかと思うが、当の燕翔寺はその様子をニコニコと微笑んで見ていて、嬉しそうにしている。


 僕とマコっちゃんは、流石に申し訳ないというのと相手が異性であることもあって一応自分の昼食は用意しているが、2人が食べきれなかった分を頂く事にしている。


「んで?愛しのルカちゃまとはどうなの?」

「べっ、別にそんなんじゃ無い」

「またまたぁ、昨日まで熱烈にアタックしてたクセにぃ」


 誤解だ。目の色とか、オルカとの共通点が多かったから色々探ってただけだ。


「それより、午後からは早速実技だな」

「あー、話逸らしたー」

「五月蝿い」


 あくまで訓練用のモノではあるが、実際に今日ハウンドを手にする事になる。


「緊張するな、ミゲるん」


 そうマコっちゃんが言うが、隣の根間は「そだねぇ」と、あまり緊張していない様だ。それに比べて、燕翔寺はさっきからずっとソワソワしている。


「燕翔寺も緊張するか?」

「勿論でございます。ですが、それだけではありません」


 そう言うと燕翔寺は懐からスッと白い札の様なものを取り出す。


「あっ」

「お気づきですか?」


 思い出した。ハウンドは基本的にソードデバイスとガナーデバイスの2種に大きく分かれるが、最近飛燕ではその両方の性質を併せ持つ、3種目のハウンドの開発に注視していた筈だ。


 単純に銃剣の様な姿をした「撃刀(ゲキトウ)」、2本の曲剣を連結させて両刃剣や弓になる「月双牙(ゲッソウガ)」。そして、


裂空扇(レックウセン)。その試作品でございます」


 バッと展開して見せる。安全装置が働いてるせいか、魔素の青い刃は出てこないが、名前に入っている通り扇の様な姿をしている。


 まだ市場に出回ってない、飛燕の最新機。まさかこの目で拝む日が来るとは。


「まさかこれ、盾にもなるのか」

「ご明察でございます」


 マコっちゃんの問いに燕翔寺はドヤ顔を披露する。なんか可愛い。


 そのまま両端を最大まで広げると、反対側で接触して円盤の様になってしまった。


 1つのハウンドに、まさか3つの機能とは。


「実は、この開発に私も参加しておりまして、今日はその試運転をさせていただく事になっております」

「「「マジか」」」


 てっきりこの学園に来たってことはそっち方面は苦手なのかと思ったら、料理も狩りも、ハウンド制作もできるパーフェクトお嬢様だったらしい。






全部盛りってロマンあるよね

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