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【完結】スマホを持たない二人は電話ボックスで出逢った -グラハム・ベルの功罪-  作者: ネームレス


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第44話 6月18日 木曜日①

 昨日もアルバイトがあったから、深夜にポストを見張ることなくついつい寝てしまった。

 というのは言い訳ですこし怖気づいた。

 悪い考えが頭を過る。

 今までポストの投函された封筒は前振りで、本当は強盗の可能性だってあるかもしれない。

 いったん様子見、そう誤魔化した。


 ……学校での自分の居場所、立ち位置。

 それもいったん様子見。

 僕はいったい何か月様子見してるんだろう? 行動を実行に移すというのは勇気がいる。


 ポストを素通りして土曜日にまとめた燃えるごみと雑紙をゴミ収集車がくる前にゴミ捨て場に捨てにいった。

 できればあの封筒がなくなっていればいいという願いを込めてポストを開く。


 やっぱり今日も白い封筒が入っていた。

 封筒を手にすることへの抵抗感もなくなっている。

 え?! 

 千円札が二枚に百円玉が九枚? それに十円硬貨が四枚だ。

 計、二千九百四十円。 


 今日もまた金額がすくなくなっている。

 なんでだろう? それに百円玉が九枚? これって五百円玉一枚に百円玉が四枚でもいいはず。

 一昨日のように小銭を最大数使ってる気がした。


 う~ん、でもここまで中途半端な金額ならいっそ三千か二千九百円にしてくれてもいいのに。

 一通目の封筒が三千五百二十円、二通目も三千五百二十円、三通目は三千八十円。

 四通目は三千五百二十円、五通目が二千九百四十円。

 なにか規則性みたいなものがあるのか? 


 僕はこの二日間も、相変わらず菊池さんに電話して大納言にアルバイトに行っていた。

 もちろん今日だって菊池さんに電話をかけるしアルバイトにも行く。

 ……大将に言うと大袈裟な事件になってしまいそうだから、アルバイトのなかでもいちばん話しやすい秋山さんにこのことを相談してみようか……。


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