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【完結】スマホを持たない二人は電話ボックスで出逢った -グラハム・ベルの功罪-  作者: ネームレス


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第42話 6月16日 火曜日①

 当然、登校前にポストの中を確認をする。

 え!? 増えてる。

 今日はポストの中に三通目の白い封筒が入っていた。

 

 昨日アルバイトが終わって家に帰るころに雨は嘘のように止んでいて、帰り道では星まで見えた。

 家の近辺に泥にまみれた怪しい足跡でも残ってないかな、と思うけれどあいにく家の外は舗装されていて足跡なんかひとつも残っていない。


 アルバイトが終わって家に着いた十時ごろには三通目の封筒はなかった。

 このポストに白い封筒を入れて行く人はいったい何時ごろ(うち)にきてるんだろう? あくまで僕の予想だけれど……ご近所さんの目もあるし他人には見られたくないはず。

 となると陽が昇ってから(うち)にくるのは考えにくいか……。

 ただ、朝刊の配達に紛れてこのポストに封筒を入れていってるなら誰も怪しまない。


 でも、朝刊を配る人に紛れても不特定多数の人に顔を目撃されるかもしれない状況は回避したいんじゃないか? 早朝だとしてもウォーキングや散歩をしている人もゼロじゃない。

 まだ暗いうちに(うち)ポストに投函()れていっていると考えるほうが現実的か。


 いまは六月だから朝四時くらいが日出の時間。

 それを考慮すると午前四時より前くらいで、夜の十時以降に家にきている。


 ただ住人が起きているであろう時間に家に近づきたくないはず。

 だとすればこの封筒を入れるのは午前零時過ぎから午前四時のあいだの約四時間ほどか。

 

 このお金を返すにしてもさすがにもう(うち)ポストに無防備に放置()いてはおけない。

 僕は今回も白い封筒の中身を確かめてみた。

 千円札が三枚と……十円玉が複数? えっと十円の枚数は八枚。

 さ、三千八十円。


 えっと、今日は金額がすくない。

 紙幣の数は同じなのに小銭の数がすくない。

 僕は手ひらのなかの小銭を数え直した。


 もっとも数えるまでもなく、手のひらの十円の枚数は見ただけでわかる。

 前回よりも四百四十円すくなくなっていた。

 どういうことだろう? そろそろ警察に届けることも考えないといけないか? あ、でも、八十円はどうして「五十円玉」一枚と「十円玉」三枚じゃないんだろう?

 

 そこに深い意味なんてないか? 僕はいったん家の中に封筒を置いて気が重いまま学校に向かう。


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