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次は新しくomiaiを始め、6歳年上のFさんと知り合った。Fさんは医師や看護師ではないけれど、医療関係の仕事をしている。Fさんのフルネームと職業名で調べると、勤務先の病院が出てきたので嘘をついていないことがわかった。あとFacebookも見つけたけれど、そこにも嘘はないと判明する。社会人なのにLINEの返信がやたら迅速だったり、1人暮らしかどうかを知りたがったり、付き合った泊まりがけの旅行に行きたいと言っていたりしたので、あれ?と思うところはあった。それでも彼氏がほしいという気持ちが先行していたこともあり、Fさんと四条河原町のカフェでコーヒーを飲む。
会って話してみると目が合わないことや、普通は言わないよねということを平気で口に出す点が気になった。また別れた元彼女をボロクソ--「メンヘラは無理。元カノが突然夜中に泣き出して面倒だった」と--言っていたことも。極めつけには
「付き合う前に体の相性を知りたい」
と言い出したので、これはダメだわと思った。本当はそういう目的でアプリをしているのではないかという不信感と、私と別れたら私のことも誰かにボロクソ言われそうだと感じたからだ。結局Fさんとはこれっきりで終わった。
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登録するだけしたpairsで、3歳上の公務員のGさんとマッチングする。GさんはメッセージやLINEの時点で嫌な感じはなく、初めて四条河原町の居酒屋で会った際に身分証も見せてくれた。私から身分証を見せてくれと頼んだわけではないけれど、積極的にGさんから見せてくれたのだ。この人は信用できると思い、2回目のデートでは清水寺周辺で紅葉を見に行った。初デートも2回目のデートも、はるばる大阪市内から京都まで来てくれたのだと思うと私は嬉しかったのだ。
3回目のデートでは、大阪のなんばパークスでイルミネーションを見る。手を繋ぎながら歩き、一緒に写真も撮った。Gさんが新しいコートを買いたいとのことで、コートも一緒に見に行く。私はあわよくば、今日告白されるのではないかと期待していた。
その後はなんばパークス内のイタリアンレストランで夜ご飯を食べる。Gさんは「もっとお互いを知ってから付き合いたい」と言っていたので、今日は告白されなかった。その場では普通に解散したけれど、3回目のデートをしてから不安が募る。そもそも真剣に付き合うつもりがあるのかわからなかったからだ。その頃にGさんのFacebookを見つけてしまい、マルチ商法と思しきコミュニティに参加しているのが判明する。Facebookを見つけたことは言わず、私はGさんに違う理由によるお断りのLINEをした。マッチングアプリで7人と会ったけれど誰とも真剣恋愛には至らなかったので、私には向いていなかったのだと思う。