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前日までは着物デートが楽しみだという話をしていて、私がリマインドがてら集合時間と場所をLINEで知らせるとDさんは了承していた。そういうわけでDさんは問題なくデートに来られるものだと思っていたのだ。しかし集合時間の1時間前に「体調不良で行けなくなったのでキャンセルしたい」というLINEが来ており、着物デートはキャンセルになった。私名義で予約していたので、お店に電話してキャンセルしたいという旨を伝える。キャンセル料などはいらないとのことだった。次回どこかで埋め合わせできそうか聞いてみると、直近では難しいとのこと。結局LINEも返ってこなくなり、Dさんとはフェードアウトになった。
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もうwithは退会し、次はタップル誕生に移行する。誰かと着物デートしたい気分だったので、行きたい場所に一緒に行ける人を探す「おでかけ」機能で10月14日の午後から着物デートに行く相手を募集した。すると1歳年上で大学4回生のEさんから連絡があり、やりとりを開始する。英文学科に通っていることやホットケーキミックスを使ってホットケーキを作るのが好きなことなど共通点がわかり、意気投合するのに時間はかからなかった。レンタル着物店の予約については私の名前で入れる。
そんなこんなで着物デート当日がやってきた。私はアルバイトを終え、駅でEさんを待つ。するとEさんから、寝坊したのでタクシーで来ると連絡があった。デートで寝坊ってどういうことなのかと呆れていると、25分遅れてやってきたEさんがタクシーから降りてくる。遅れてごめんなさいとEさんから謝罪を受け、私たちはそのままお店まで向かった。着物や小物を選んで、着付けもしてもらう。節約のため私は事前にセルフでヘアセットしていたので、今回はお店でのヘアセットはしてもらわなかった。
Eさんと着物姿で清水寺周辺をメインに散策する。念願の着物デートだったのに、どういうわけか私はあまり楽しいと思わなかった。というのもEさんとメッセージでは相性の良さを感じていたけれど、会って話すとそうでもないことがわかったからだ。Eさんは刹那的な性格で、海外旅行でも行き当たりばったり行動してホテルの予約もしていかないという。大学に行っていなさすぎて留年が確定していること、居酒屋でアルバイトしているのに忙しい金土日には絶対にシフトに入らないことなど、私とは考え方が違うと思ったのだ。
遅れてきたお詫びとして、カフェで2人分のプリンと飲み物代はEさんが出してくれた。合わないと思っていたのはEさんも同じだったようで、
「俺たち付き合っても合わないと思う。友達としてご飯行くとかならありだけど」
と言われてしまう。私はもう、友達としても付き合いたくないと思っていたけれど。